2026年6月10日
「みぞおちのあたりがキリキリ痛む」「食後に重苦しい」「ストレスのせいかな、と様子を見ている」――みぞおち(心窩部)の痛みは、日常的によくある症状である一方、胃や十二指腸だけでなく、胆のう・膵臓・心臓の病気が隠れていることもある、自己判断がむずかしい症状です。
この記事では、池袋から山手線で2分・大塚駅南口徒歩1分の消化器内科「おなかとおしりのクリニック東京大塚」が、痛み方やタイミングから考えられる原因と、胃カメラ(胃内視鏡検査)を受けるべきサインをわかりやすく解説します。
こんな「みぞおちの痛み」はありませんか?
- 空腹時や夜中に、みぞおちがキリキリ痛む
- 食後にもたれる、すぐお腹いっぱいになる
- 胸焼けや、酸っぱいものが上がってくる感じがある
- げっぷや吐き気を伴う
- 脂っこい食事のあとに痛みが出る
- 痛みが背中にも広がる
- 市販薬で一度治まっても、しばらくするとまた痛む
ひとつでも当てはまり、症状が続いている・繰り返している場合は、消化器の病気が関係している可能性があります。以下で、原因の見分け方を順に見ていきましょう。
「みぞおち」はどこ?なぜ痛みの原因がわかりにくいのか
みぞおちとは、胸の中央の骨(胸骨)のすぐ下、左右の肋骨が合わさるくぼみのあたりを指し、医学的には心窩部(しんかぶ)と呼びます。この奥には胃・十二指腸があり、すぐ近くに食道の出口、胆のう、膵臓、さらに上には心臓が位置しています。
複数の臓器が集まる場所のため、「みぞおちが痛い=胃が悪い」とは限りません。痛みのタイミング・性質・併発する症状が、原因を見分ける手がかりになります。

痛み方・タイミング別|考えられる主な原因
あくまで典型例による目安であり、実際には例外も多くあります。自己判断で市販薬を続ける前に、当てはまるものがないか確認してみてください。
| 痛みの特徴 | 考えられる主な病気 |
|---|---|
| 空腹時や夜間にキリキリ痛む。食べると一時的に楽になる | 十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃酸過多 |
| 食後にもたれる・痛む・すぐ満腹になる状態が続く | 機能性ディスペプシア、慢性胃炎、胃潰瘍 |
| 焼けるような痛み。胸焼け・酸っぱいものが上がってくる感じを伴う | 逆流性食道炎(GERD) |
| 脂っこい食事のあと、みぞおちから右寄りが強く痛む | 胆石症、胆のう炎 |
| 背中に突き抜けるような持続する激痛。飲酒後に多い | 急性膵炎 |
| 刺身など海鮮を食べて数時間〜半日後に、波のある激しい痛み | アニサキス症 |
| 最初みぞおちが痛み、時間とともに右下腹部へ移動する | 急性虫垂炎(盲腸) |
| 暴飲暴食や深酒、薬の服用のあとに急に痛み出した | 急性胃炎、急性胃粘膜病変 |
| はっきりしない不快感や痛みが長く続く。食欲低下・体重減少・飲み込みにくさを伴う | 胃がん、食道がん(初期は無症状のことも多い) |
| わき腹から背中にかけて、波打つような激痛。血尿を伴うことがある | 尿路結石 |
| 締め付けられる・圧迫されるような痛み。冷や汗、息苦しさ、肩や腕への広がりを伴う | 心筋梗塞・狭心症(緊急受診) |
特に最後の心筋梗塞・狭心症は、みぞおちの痛みが「胃の不調」と誤解されやすい代表例です。冷や汗・息苦しさ・胸の圧迫感を伴う場合は、ためらわず救急要請(119番)を検討してください。
放置してはいけない「危険なサイン」
みぞおちの痛みに次のような症状を伴う場合は、重い病気が隠れている可能性があります。早めに消化器内科を受診してください。
こんな症状があれば早めの受診を
- 黒い便(タール便)が出る、吐いたものに血が混じる
- ダイエットをしていないのに体重が減ってきた
- 食べ物が飲み込みにくい、つかえる感じがある
- 健診で貧血を指摘された
- 痛みで夜中に目が覚める、痛みが日ごとに強くなっている
- 市販の胃薬を2週間ほど使っても症状が改善しない
黒い便は、胃や十二指腸からの出血が消化されて黒く変色したサインのことがあります。「便秘のせいかな」と見過ごされやすい症状ですが、胃潰瘍や胃がんの重要な手がかりです。
「ストレスのせい」と決めつけない|機能性ディスペプシアという病気
検査をしても胃潰瘍や胃がんなどの異常が見つからないのに、みぞおちの痛みや胃もたれが続く――こうした状態は機能性ディスペプシア(FD)と呼ばれ、決してめずらしい病気ではありません。日本消化器病学会の患者向けガイドによると、健診受診者の11〜17%、上腹部の症状で受診した人の45〜53%にFDが見つかると報告されています(※1)。
ここで重要なのは、FDは「胃カメラなどで他の病気がないことを確認して、はじめて診断できる」という点です。つまり「ストレス性の胃痛だろう」という自己判断は、検査をしていない段階では成り立ちません。同じ「みぞおちの痛み」の裏に、治療が必要な潰瘍や、早期発見が何より大切な胃がんが隠れていることがあるからです。
FDと診断がつけば、胃酸を抑える薬や胃の運動を整える薬など、症状のタイプに合わせた治療が可能です。「異常なし」とわかること自体が、不安の解消と治療方針の確定につながります。
関連ページ機能性ディスペプシア(FD)について詳しく見る
症状のタイプ・診断の流れ・治療法を解説しています
みぞおちの痛みに胃カメラをおすすめする理由
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)では、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できます。みぞおちの痛みの主な原因である逆流性食道炎・胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどを、一度の検査で確認できるのが大きな利点です。
・その場で組織検査(生検)ができる:疑わしい部分があれば組織を採取し、がんかどうかを顕微鏡レベルで確定診断できます。
・ピロリ菌の検査につながる:胃がんや潰瘍の大きな原因であるピロリ菌感染の有無を調べ、陽性なら除菌治療へ進めます。
・早期の胃がんを見つけられる:胃がんは全国がん登録(2021年)で年間約11万人が新たに診断されている、日本人に多いがんです(※2)。早期の胃がんは自覚症状がほとんどないことも多く、症状をきっかけにした検査が発見の入り口になります。
バリウム検査と迷われる方もいますが、みぞおちの痛みという「症状がある」状態では、粘膜を直接観察でき、その場で生検まで行える胃カメラが適しています。
池袋・大塚エリアで胃カメラをご検討の方へ
おなかとおしりのクリニック東京大塚は、JR大塚駅南口から徒歩1分、池袋駅から山手線でわずか5分の消化器内科・内視鏡クリニックです。豊島区・巣鴨・新大塚エリアからもアクセスしやすく、お仕事帰りの受診にも便利です。
当院の胃カメラの特徴
- 鎮静剤を使用した苦しくない胃カメラを行っています
- オリンパス社の最新内視鏡システム「EVIS X1」による精密な観察
- 鼻から(経鼻)・口から(経口)を選択可能。スコープは同じ細さの機種を使用しています
- 火曜日は女性医師が担当。男性医師に抵抗がある方もご相談ください
- 大腸カメラとあわせたおなか全体の診療にも対応
「この程度の痛みで受診していいのかな」と迷う必要はありません。みぞおちの痛みは消化器内科がもっとも日常的に診ている症状のひとつです。まずは外来で症状を伺い、検査が必要かどうかからご相談いただけます。

みぞおちの痛みを繰り返さないために|生活でできること
原因によって対策は異なりますが、胃酸や胃の負担に関わる生活習慣を整えることは、多くの「みぞおちの痛み」の予防につながります。
・食べすぎ・早食い・寝る直前の食事を避ける:胃酸の逆流や胃もたれの大きな要因です。食後すぐ横になる習慣がある方は、2〜3時間あけることを意識してみてください。
・脂っこい食事・香辛料・カフェインをとりすぎない:胃酸の分泌を増やしたり、胆のうに負担をかけたりすることがあります。
・節酒・禁煙:アルコールは急性胃炎や膵炎の、喫煙は潰瘍や逆流性食道炎の悪化要因になります。
・痛み止め(NSAIDs)を常用している方は医師に相談を:市販の鎮痛薬の長期使用は、胃や十二指腸の粘膜を傷つけ潰瘍の原因になることがあります。
ピロリ菌の検査を一度は受けておく:ピロリ菌は潰瘍や胃がんの大きな原因で、除菌によりそのリスクを下げられます。感染の有無は検査で簡単に調べられます。
ただし、生活改善はあくまで「病気がないことを確認したうえで」の対策です。症状が続いている段階では、まず原因を調べることを優先してください。
よくあるご質問
まとめ|繰り返すみぞおちの痛みは、一度胃カメラを
みぞおちの痛みの原因は、胃酸の逆流や機能性ディスペプシアのような身近なものから、潰瘍、胆石、膵炎、心筋梗塞、胃がんまで幅広く、痛みの強さと病気の重さは必ずしも一致しません。繰り返す痛み、市販薬で改善しない痛み、危険なサインを伴う痛みは、自己判断せず消化器内科にご相談ください。


記事監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本大腸肛門病学会 専門医・指導医・評議員
日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
がん治療認定医
消化器がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール