炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
「炎症性腸疾患(IBD)」という診断名を聞いて、「具体的にどんな病気なのか分からない」と感じる方は少なくありません。 実は炎症性腸疾患とは特定の一つの病気の名前ではなく、「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」という、よく似た性質を持つ2つの病気をまとめて指す総称です。 このページでは、それぞれの病気の違いと、当院での診療・検査についてわかりやすく解説します。
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、主に消化管に慢性的な炎症を引き起こす病気の総称で、代表的なものに潰瘍性大腸炎とクローン病があります。
いずれも「再燃(症状が悪化する時期)」と「寛解(かんかい=症状がほとんどない、落ち着いた時期)」を繰り返す慢性の経過をたどることが特徴で、国の指定難病にも認定されています。
2025年に発表された全国調査(厚生労働科学研究費補助金による調査研究班、東邦大学・杏林大学・大阪公立大学等の共同研究)によると、2023年時点での国内推定有病者数は潰瘍性大腸炎が約31万6,900人、クローン病が約9万5,700人とされ、いずれも2015年の調査から8年間で約1.4倍に増加しています※1。
名前は似ていますが、炎症が起こる場所や症状の特徴には明確な違いがあります。
| 潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
|---|---|---|
| 炎症の範囲 | 主に大腸(直腸から連続的に広がる) | 口から肛門までの消化管全体(非連続性) |
| 好発年齢 | 20代を中心に幅広い年齢層 | 10代〜20代の若年層に多い |
| 男女比 | 男女差はほぼなし(1:1) | 男性に多い(約2:1) |
| 代表的な症状 | 血便、下痢、腹痛 | 腹痛、下痢、体重減少、瘻孔・痔瘻 |
潰瘍性大腸炎について詳しく見る → 症状・原因・治療法を詳しく解説
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クローン病について詳しく見る → 症状・原因・治療法を詳しく解説
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これらの症状は痔や過敏性腸症候群など他の病気でも見られるため、自己判断は禁物です。
症状が2週間以上続く場合は、消化器内科または消化器内視鏡専門医の受診をおすすめします。
炎症性腸疾患は適切な治療により多くの患者様が寛解(症状が落ち着いた状態)を維持し、通常の生活を送ることができます。
一方で診断が遅れると、腸の狭窄・穿孔・瘻孔などの合併症や、長期罹患による大腸がんリスクの上昇につながる可能性があります。
早期に正確な診断を受け、専門医のもとで継続的に経過を見ていくことが何より重要です。
炎症性腸疾患の診断には、血液検査・便検査に加えて大腸内視鏡検査が重要な役割を果たします。
内視鏡で腸の粘膜の状態を直接観察し、必要に応じて組織を採取(生検)することで、潰瘍性大腸炎・クローン病・その他の疾患との鑑別を行います。
当院では、最新の内視鏡システム「Olympus EVIS X1」とAI診断支援、鎮静剤を使用した負担の少ない大腸内視鏡検査を行っています。
血便や下痢が続く場合は、まずは検査でしっかり原因を確認しましょう。
当院院長・端山 軍(はやま たむろ)は、帝京大学医学部附属病院 IBD(炎症性腸疾患)センターの非常勤講師を務めており、消化器内視鏡専門医・消化器病専門医・大腸肛門病専門医として23年間、消化器疾患・炎症性腸疾患(IBD)の診療に携わってきました。
大学病院の最前線で蓄積した知見を、地域のかかりつけ医療として身近な場所で提供できることが当院の強みです。
おなかとおしりのクリニック東京大塚では、潰瘍性大腸炎・クローン病の診断から、5-ASA製剤・ステロイド・生物学的製剤・栄養療法を含む薬物治療まで、当院で一貫して対応しています。
診断がついたら大病院に紹介してそれで終わり、ということはなく、日常的な経過観察・お薬の調整・採血や内視鏡によるモニタリングまで、地域のかかりつけ医として継続的に診療いたします。
また当院は肛門科も併設しており、クローン病に伴う痔瘻・肛門周囲膿瘍といった合併症の診療にも対応しています。
大学病院などで診断・治療を受けた後「自宅や職場から通いやすい場所で継続診療を受けたい」という転院・かかりつけ医探しのご相談も多くいただいています。
紹介状をお持ちでなくても、現在の治療内容を確認のうえ、スムーズに当院での継続診療に移行できるケースが多くなっています。
なお、緊急の手術が必要な場合や、当院での薬物治療で十分な効果が得られない非常に難治性のケースについては、連携する高度医療機関へご紹介し、治療後も再び当院で継続フォローを行う体制を整えています。
現在の医療では「完治」という言葉よりも「寛解(症状がない状態)の維持」が治療の目標とされています。
適切な薬物療法と通院により、多くの患者様が長期にわたり安定した寛解状態を維持できるとされています。
家族内での発症が一定数報告されており、遺伝的要因が関与する可能性が指摘されていますが、遺伝のみで発症が決まるわけではありません。
環境要因(食生活・腸内細菌など)との複雑な相互作用によって発症すると考えられています。
潰瘍性大腸炎・クローン病はいずれも国の指定難病に認定されており、一定の重症度基準を満たす場合、医療費助成の対象となります。
詳しい認定基準は難病情報センターのウェブサイトでご確認いただけます。
潰瘍性大腸炎・クローン病はいずれも国の指定難病に認定されており、一定の重症度基準を満たす場合、医療費助成の対象となります。
詳しい認定基準は難病情報センターのウェブサイトでご確認いただけます。
どちらが「重い」と一概に言うことはできません。重症度は炎症の範囲や合併症の有無によって個人差が大きく、軽症で寛解を長く維持できる方もいれば、難治性で治療の調整が難しい方もいます。
病名そのものよりも、ご自身の病状に応じた治療を継続することが重要です。
うつる病気ではないと考えられています。潰瘍性大腸炎・クローン病はいずれも感染症ではなく、自己免疫の異常などが関与すると考えられている病気です。
いいえ、血便の原因は痔、感染性腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなど多岐にわたります。
炎症性腸疾患かどうかを含め、自己判断せず大腸内視鏡検査で原因を確認することが重要です。
大腸内視鏡検査での炎症の見え方(連続性か非連続性か)や生検の結果、症状の特徴などを総合的に評価して診断します。
初診の時点では判断がつきにくく、経過を見ながら確定していくケースもあります。
大学病院などで診断・治療を受けた後、通いやすい場所での継続診療をご希望される方のご相談を多くいただいています。
紹介状をお持ちでなくても、現在の治療内容を確認のうえご案内可能です。
【参考文献】
※1 Tsutsui A, et al. “Nationwide estimates of patient numbers and prevalence rates of ulcerative colitis and Crohn’s disease in Japan in 2023.” Journal of Gastroenterology, 2025.
難病情報センター「潰瘍性大腸炎(指定難病97)」「クローン病(指定難病96)」
厚生労働省 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数調査
帝京大学医学部附属病院 IBD(炎症性腸疾患)センター スタッフ紹介
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