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大腸がん検診とは?何歳から・何年ごとに受ける?検査内容をわかりやすく解説

2026年5月09日

「大腸がん検診って何歳から受けるべき?」 「年に何回受ければいいの?費用は?」 「便潜血検査って意味あるの?」

検診について調べていると、こんな疑問が次々わいてきますよね。

結論からお伝えすると、大腸がん検診は「40歳以上は年1回の便潜血検査」が基本。費用は自治体検診なら無料〜500円程度、人間ドックでも2,000円前後です。陽性が出たら、必ず大腸カメラ(大腸内視鏡検査)による精密検査が必要になります。

大腸がんは日本で最も多いがんで、女性の場合はがん死亡数の1位。それでも、早期発見できれば9割以上の人が治る病気でもあります。そのカギとなるのが、毎年の大腸がん検診です。

この記事では、厚生労働省や国立がん研究センターの最新ガイドラインをもとに、大腸がん検診について専門医がわかりやすく解説します。

東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚の便潜血検査キット写真。

大腸がん検診とは?

大腸がん検診とは、自覚症状のない方を対象に、大腸がんや大腸ポリープなど前段階の病変を早期発見するための検査です。日本では1992年から、対策型検診(市区町村が実施する住民検診)として便潜血検査免疫法が実施されています。

便潜血検査は、便に含まれるごく微量の血液を調べる検査です。大腸がんやポリープがあると便がこすれて出血することがあり、その血液を検出することで病気の可能性を判定します。免疫法はヒトヘモグロビンに特異的に反応するため、検査前の食事制限や薬剤制限は不要です。

大腸がん検診は何歳から受けるべき?

40歳以上を対象に、年1回の大腸がん検診が厚生労働省により推奨されています。

2024年11月に19年ぶりに改訂された「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」(国立がん研究センター)でも、対象年齢として40〜74歳が明示されました(45歳または50歳開始も許容)。

こんな方は特に注意(リスクが高い方)

・家族(親・兄弟姉妹)に大腸がんの既往がある方
・ 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある方

症状がある方は「検診」より「受診」がおすすめです

血便・便が細い・体重減少・持続する腹痛・便通異常などの気になる症状がある方は、便潜血検査(検診)よりも、消化器内科を受診して大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

検診は基本的に無症状の方を対象とした検査です。症状がある段階で便潜血検査が陰性であっても、それだけで大腸がんを否定するのは難しいとされています。症状がある場合は保険診療で大腸内視鏡検査を受けられますので、気になる症状があるときは医療機関にご相談ください。

大腸がんと診断される人は40歳代から増加しはじめ、年齢が高くなるほど罹患率が高くなる傾向があります。日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は、以下のとおりです。

男性

10.3%

およそ10人に1人

女性

8.1%

およそ12人に1人

出典:国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024」

大腸がん検診は何年ごと・年に何回受ける?

年に1回が基本です。

2024年度版ガイドラインでは「検診間隔を1年から2年にすることも可能」とも明示されましたが、現行の住民検診は引き続き年1回が推奨されています。

便潜血検査は1回ごとの感度に限界があるため、毎年継続して受けることで本来の効果が発揮される検査です。「去年受けたから今年はいいや」ではなく、毎年受け続けることが早期発見につながります。

大腸がん検診では何をする?検査の流れ

検査の流れは以下の4ステップだけ。自宅で完結するため、痛みも食事制限もありません。

1

キット受取

医療機関や検診施設で採便キットを受け取る

2

自宅で採便

通常2日分の便を専用の棒で少量採取(食事制限なし)

3

医療機関へ提出

採取した検体を医療機関へ提出する

4

結果判明

おおむね1〜2週間後に結果が判明

検査前の注意点

・食事制限・薬剤制限は不要です
生理中や生理直後は避けた方が望ましい(血液混入で正確な結果が出にくい)
・ 痔で出血がある場合は、医療機関に相談を

大腸がん検診の費用はいくら?

多くの自治体では40歳以上の住民を対象に無料または低額で大腸がん検診を実施しています。お住まいの市区町村のホームページで「大腸がん検診」を検索してみてください。

受診方法 費用相場
自治体の住民検診 無料〜500円程度
自治体により異なる
職場の健康診断
(オプション)
無料〜1,000円程度
人間ドック・自費検査 1,000〜3,000円程度

※ 費用は目安です。実際の金額は受診先により異なります。

なお、便潜血検査が陽性となった場合の精密検査(大腸内視鏡検査)は保険適用となり、3割負担で6,000〜10,000円程度(ポリープ切除を行う場合は20,000〜30,000円程度)が目安です。

大腸がん検診は意味ないって本当?

「便潜血検査は感度が低くて意味がない」という声を耳にすることがありますが、これは正しくありません

便潜血検査による検診は、大腸がん死亡率の減少効果が科学的に証明されている国際的にも信頼度の高い検査です。

便潜血検査を受けた人は、受けなかった人に比べて大腸がんで亡くなる確率が大きく下がることが、国内外の研究で示されています。

エビデンス 効果
便潜血検査 化学法(毎年受診) ※海外RCT 大腸がんによる死亡率を
約33%減少
便潜血検査 免疫法(1日法・毎年) ※国内研究 大腸がんによる死亡率を
約60%減少

※ 「死亡率を約60%減少」とは、毎年検診を受けたグループは、受けなかったグループに比べて大腸がんで亡くなる人が約60%少なかったという意味です。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診」医療関係者向けページ

便潜血検査免疫法は2024年度版ガイドラインで推奨グレードA(対策型検診として実施を強く勧める)と評価されています。「意味ない」という意見は1回ごとの感度の限界を指したものであり、継続受診による累積効果が公的エビデンスで明確に裏付けられています。

便潜血陽性だったら?精密検査について

便潜血陽性反応が出た場合は、必ず大腸内視鏡検査(大腸カメラ)による精密検査を受ける必要があります。

「痔があるから」「生理中だったから」と自己判断で精密検査を見送るのは絶対に避けてください。

ただし、便潜血陽性=大腸がん、ではありません。陽性の主な原因疾患は以下の4つです。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の大腸内視鏡検査の風景写真

便潜血陽性の主な原因疾患

大腸がん 大腸粘膜から発生する悪性腫瘍。早期発見できれば内視鏡治療のみで治癒できるケースもあります。

大腸ポリープ 大腸粘膜の隆起性病変。腺腫性ポリープは将来的にがん化するリスクがあるため、内視鏡検査で発見次第切除することが推奨されます。

炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎やクローン病など、大腸粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を生じる疾患(いずれも指定難病)。

痔・肛門疾患 内痔核・外痔核・切れ痔など。陽性の原因として頻度が高い疾患の一つですが、痔と決めつけずに精密検査で他疾患を除外することが重要です。

便潜血検査(べんせんけつけんさ)の感度・精度

便潜血検査は「べんせんけつけんさ」と読みます。「免疫便潜血検査」「便FOBT」とも呼ばれます。

2024年度版ガイドラインで示された、便潜血検査の精度データです。「1回法」と「2回法」で精度がどう違うかを比較しています。

指標 1回法 2回法
統合感度
病気を見つける力
0.78 95%CI 0.68–0.86 0.84 95%CI 0.63–0.95
統合特異度
健康な人を陰性と判定
0.94 95%CI 0.92–0.96 0.92 95%CI 0.87–0.95

結論:2回法は1回法よりも感度が高い(病気を見逃しにくい)一方、特異度はわずかに低くなります。日本の住民検診では「見逃しを少なくする」ことを優先し、2回法(2日法)が標準として採用されています。

用語の解説
  • 感度:病気がある人を「陽性」と正しく見つける力。0.78(=78%)なら、大腸がんの人100人中78人を発見できることを意味します。
  • 特異度:病気がない人を「陰性」と正しく判定する力。0.94(=94%)なら、健康な人100人中94人は正しく陰性と判定されます。
  • 統合感度・統合特異度:複数の研究結果を統合(メタ解析)して算出した数値。1つの研究より信頼性が高い指標です。
  • 95%CI(95%信頼区間):データのばらつきを表す範囲。「真の値がこの範囲内にある可能性が95%」という意味です。

出典:有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版(カットオフ値20μg/g)

大腸がん検診のよくある質問(FAQ)

Q 大腸がん検診は何歳から何歳まで受けるべきですか?

厚生労働省は40歳以上に年1回を推奨しています。2024年度版ガイドラインでは40〜74歳が対象年齢として明示されました。75歳以上の方も、健康状態に応じて主治医と相談のうえ受診を継続することが望ましいとされています。

Q 大腸がん検診の費用はいくらですか?

自治体の住民検診なら無料〜500円程度、人間ドックでも1,000〜2,000円程度で受けられます。

Q 食事制限は必要ですか?

不要です。便潜血検査免疫法はヒトのヘモグロビンに特異的に反応するため、肉類などを食べても結果に影響しません。

Q 生理中でも検査を受けられますか?

生理中・生理前後2〜3日は避けたほうが正確な結果が出ます。月経血が混入すると偽陽性になる可能性があるためです。

Q 痔があるのですが、検査を受ける意味はありますか?

はい、必ず受けてください。痔と大腸がんは併発することもあります。「痔のせいだろう」と自己判断せず、便潜血検査で陽性が出たら必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。

Q 検診を受けないとどうなりますか?

大腸がんは初期に自覚症状がほとんどないため、検診を受けないと進行してから発見されるリスクが高まります。ステージⅣで発見された場合の5年生存率は18.3%と、早期発見の92.3%と大きな差があります。

Q 便潜血検査と大腸内視鏡検査、どちらを受けるべきですか?

症状がない方は、まず便潜血検査(検診)から。陽性が出たら大腸内視鏡検査に進むのが一般的です。一方、血便・便が細い・体重減少などの症状がある方は、便潜血検査ではなく最初から大腸内視鏡検査を受けてください(保険診療で受けられます)。家族歴がある方・過去にポリープがあった方も、無症状であれば最初から大腸内視鏡検査を選択することが推奨されます。

まとめ ― 40歳を過ぎたら、年に1回の大腸がん検診を

・大腸がん検診は 40歳以上に年1回 の便潜血検査が基本
・ 費用は 自治体検診なら無料〜500円程度
便潜血検査で大腸がん死亡が約60%減少するエビデンスあり
・ 陽性なら 必ず大腸内視鏡検査 で精密検査を
検診は「毎年継続して受け続けること」で本来の効果を発揮します。40歳を過ぎたら年1回の大腸がん検診を生活習慣に組み込み、ご自身の健康を守りましょう。

RESERVATION

大腸がん検診のご予約

当院では大腸がん検診(便潜血検査)および
精密検査としての大腸内視鏡検査を実施しております。

主な参考資料
国立がん研究センター「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」(2024年11月公開)
国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診」医療関係者向けページ
厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針
厚生労働省「全国がん登録 罹患数・率 報告 2021
厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計」「2024年人口動態統計
大腸癌研究会編「大腸癌治療ガイドラインの解説」(金原出版)

東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚の診察風景

記事監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
がん治療認定医
消化器がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール

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