2026年2月07日
食後に胃が重い、ムカムカが何日も続く。
胃もたれは一時的な不調と思われがちですが、検査では異常が見つからないまま症状が長引くことも少なくありません。
胃もたれが続く背景には、食事だけでなく、胃の働きやストレスなど複数の要因が重なっていることがあります。
「食べすぎたから」と様子を見ているうちに慢性化し、
市販薬を飲んでも改善しないまま悩んでいる方も少なくありません。
胃もたれはどんな状態?まず確認したいポイント
胃もたれと一言で言っても、症状の出方や経過には個人差があります。
まずは自分の胃もたれがどのタイプに近いかを整理してみましょう。
次のような違いがあります。
・食べすぎた翌日だけなど、一時的に出る胃もたれ
・食後のたびに胃が重くなるなど、繰り返し起こる胃もたれ
・何週間も続く、改善しにくい胃もたれ
一時的な胃もたれであれば、自然に軽くなることもあります。
一方で、繰り返す・長引く胃もたれは、体の中で何かがうまくいっていないサインであることも少なくありません。
食後に胃もたれしやすい理由
食後の胃もたれは、胃の働きがうまく連携しないことが重なって起こると考えられています。
主に関係しているのは、次の3つの働きです。
① 胃の消化機能
胃は、胃酸や消化酵素を使って食べ物を分解します。
しかし、脂っこい食事や食べ過ぎが続くと消化に時間がかかり、食べ物が胃の中に長くとどまりやすくなります。
この状態が、食後の胃の重さやムカムカ感として感じられることがあります。
② 胃の排出機能
消化された食べ物は、胃の蠕動運動によって十二指腸へ送り出されます。
この動きが弱くなると、胃の中に内容物が残り、膨満感や胃もたれが起こりやすくなります。
加齢や運動不足、食後すぐに横になる習慣は、胃の排出機能を低下させる要因のひとつです。
③ 自律神経の影響
胃の働きは自律神経によって調整されています。
ストレスや睡眠不足が続くと、このバランスが乱れ、胃酸の分泌や胃の動きがスムーズに行われなくなることがあります。
特に緊張状態が続くと、消化を抑える方向に働き、胃もたれを感じやすくなります。
これらの働きが重なることで、同じ量の食事でも食後に胃もたれが起こりやすくなると考えられます。
胃もたれが続く場合は受診を
胃もたれは、我慢して付き合うような症状ではありません。
食事のたびに不快感が出たり、食べることが憂うつになったりすると、日常生活に影響が出てきます。
「このくらいで病院に行っていいのかな」と思う方も多いですが、
胃もたれで受診すること自体は、珍しいことではありません。
検査をしても大きな異常が見つからない場合もありますが、
その場合でも、症状を軽くするための対応や治療の選択肢があります。
つらさを我慢し続けるより、
一度きちんと相談することで、気持ちも含めて楽になるケースは少なくありません。
次の章では、胃もたれと関係する主な病気について整理します。
胃もたれが治らないときに考えられる病気
胃もたれが長く続く場合、生活習慣やストレスだけでなく、いくつかの病気が関係していることもあります。
ただし、必ずしも重い病気が見つかるわけではなく、検査で異常が出ないケースも少なくありません。
機能性ディスペプシア
胃カメラなどの検査で明らかな異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれや胃の不快感が続く状態です。
胃の運動機能の低下や、刺激に対する過敏さ、ストレスの影響などが関係していると考えられています。
慢性胃炎
胃粘膜の炎症が長期間続く状態で、ピロリ菌感染が原因となることがあります。
症状が軽いことも多いですが、胃もたれが続くきっかけになる場合があります。
胃潰瘍
胃の粘膜が深く傷ついた状態で、胃もたれのほか、空腹時の痛みや吐き気を伴うことがあります。
症状が強い場合や悪化する場合は、早めの治療が必要です。
胃がん
早期では自覚症状が乏しいことが多く、進行すると胃もたれ、食欲低下、体重減少などが現れることがあります。
頻度は高くありませんが、症状が続く場合には検査で確認することが大切です。
自宅でできる胃もたれの対処法
胃もたれがあるときは、日常生活の中でできる工夫によって、症状が軽くなることがあります。
無理のない範囲で、次のような点を意識してみてください。
一度に食べる量を控えめにする
胃に入る量が多いと、それだけ消化や排出の負担が大きくなります。
脂っこい食事を続けない
揚げ物や脂肪分の多い食事は、胃に長くとどまりやすく、胃もたれを感じやすくなります。
よく噛んで、ゆっくり食べる
食べるスピードが早いと、胃に急な負担がかかりやすくなります。
食後すぐに横にならない
食後はしばらく体を起こした状態を保つことで、胃の内容物が腸へ流れやすくなります。
睡眠や生活リズムを整える
睡眠不足や不規則な生活は、胃の働きを調整する自律神経に影響します。
これらの対処で楽になることもありますが、
改善しない場合や、つらさが続く場合は、無理に自己対処を続ける必要はありません。
胃もたれの原因を確認するために行う検査
胃もたれが続く場合、症状の背景を確認するために検査を行うことがあります。
これは、重い病気を疑うためというより、原因を整理し、今後の対応を考えるためのものです。
検査のひとつとして行われるのが、胃の中を直接確認する検査(胃カメラ)です。
炎症や潰瘍、ピロリ菌感染の有無などを確認することで、
胃もたれの原因が分かることもあれば、大きな異常がないことを確認できる場合もあります。
検査で異常が見つからなかった場合でも、症状に合わせた治療や生活面の調整を行うことで、
胃もたれが軽くなるケースは少なくありません。
「原因が分からないまま我慢する」よりも、一度状態を確認したうえで、安心して対処していく
そのための選択肢のひとつが検査です。
東京都豊島区「おなかおしりのクリニック 東京大塚」では、経験豊富な日本消化器病学会専門医および日本消化器内視鏡学会専門医が、丁寧な診察と的確な診断で、患者様一人ひとりに寄り添った最適な治療を提供いたします。
胃もたれの症状が出てお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール