おしりがかゆい(肛門そう痒症)
おしりがかゆい(肛門そう痒症)
「おしりがムズムズして集中できない」「かいてしまって肌が荒れてしまった」――そんな“おしりのかゆみ”は、日常生活のちょっとしたストレスになる症状です。
下着のこすれや汗によるかぶれと思っている方も多いですが、なかには痔や皮膚疾患、性感染症、糖尿病のサインのことも。
ここでは、おしりのかゆみの原因や受診の目安、当院でできる治療について解説します。
医療コラム おしりがかゆい原因とは?放置NGな疾患と受診の目安 をご参照ください。

おしりや肛門周囲にかゆみが現れる原因としては、以下の6つが考えられます。
・お尻の拭きすぎ
・汗による刺激
・いぼ痔(痔核)・あな痔(痔ろう)
・カンジダ(真菌)による皮膚炎
・接触性皮膚炎(かぶれ)
・HPV感染
おしりのかゆみは、日常的によくみられる症状のひとつです。原因は清拭方法や汗による刺激といった生活習慣に関わるものから、痔疾患や感染症といった治療を要するものまで多岐にわたります。ここでは、おしりのかゆみを引き起こす代表的な病気や原因について解説します。
肛門周囲の拭き方が不十分な場合、残った汚れがかゆみの原因となることがあります。一方で、過度な洗浄も問題となります。トイレットペーパーで強くこすったり、温水洗浄便座を長時間使用すると、必要な皮脂が失われて乾燥を招き、皮膚のバリア機能が低下してかゆみが生じやすくなります。洗浄は10〜15秒程度にとどめ、かゆみが強い場合は石鹸の使用を控え、こすらずに押し拭きすることが大切です。
大量の発汗により汗腺が詰まると、あせも(汗疹)が生じ、かゆみの原因となることがあります。締めつけの強い下着やおむつは蒸れやすく、注意が必要です。
いぼ痔や痔瘻もかゆみの原因となることがあります。痔核からの出血や粘液、痔瘻からの排膿が肛門周囲の皮膚を刺激し、かゆみを引き起こします。
カンジダ菌の増殖により、肛門周囲にかゆみが生じることがあります。カンジダ菌は腸管内や性器周辺に常在しており、免疫力の低下に伴い増殖します。当院で、真菌培養検査を行って感染の有無を調べることができます。
石鹸や薬品、下着の素材などが合わない場合、皮膚がかぶれてかゆみを引き起こすことがあります。生理用品やおむつの長時間使用により、経血・汗・尿との接触や蒸れが生じ、かぶれの原因となることもあります。さらに、脱毛サロン後に薬品でかぶれたり、小さな傷から炎症を起こすケースも少なくありません。
HPVは感染頻度の高いウイルスであり、200種以上の型が存在します。大半は無症候性ですが、一部の型は尖圭コンジローマや悪性腫瘍の原因となります。帯下の増加や病変部の摩擦による出血が生じると、肛門周囲のかゆみを引き起こすことがあります。
おしりや肛門まわりにかゆみを感じた場合の対処法を紹介します。
かゆみを和らげるには、まず刺激を避けることが重要である。掻破により皮膚が損傷し、症状がさらに悪化することがある。肛門周囲の清拭は強くこすらず、押し拭きが基本となる。また、温水洗浄便座の長時間使用はかえって逆効果となることがある。必要な皮脂が洗い流され、粘膜への刺激が増すため、洗浄時間は10〜15秒程度にとどめることが望ましい。
かゆみが持続する場合は、肛門科や皮膚科での精査により原因を特定し、適切な治療を行うことが重要である。市販薬で改善するケースもあるが、痔瘻など治療を要する疾患が潜在している可能性もあり、早期の専門医受診が重要です。
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