2026年1月17日
胃カメラ検査を受けたいけれど「費用はいくらかかるのか」「保険は適用されるのか」と不安に感じていませんか?
結論から言うと、保険適用なら3,000円〜5,000円程度、自費診療なら12,000円〜25,000円が相場です。
この記事では、胃カメラ検査の費用相場から保険適用の条件、費用を抑える具体的な方法まで、患者さんが知っておくべき情報をすべて解説します。検査を受ける前に、ぜひ参考にしてください。
胃カメラ検査の費用相場はいくら?
胃カメラ検査の費用は、保険適用か自費診療かで大きく異なります。まずは全体像を把握しましょう。
保険適用の場合の費用目安
保険が適用される場合、3割負担で約3,000円〜5,000円が一般的です。
| 負担割合 | 基本検査のみ | 生検あり |
|---|---|---|
| 3割負担(69歳以下) | 約4,500円 | 約9,000円 |
| 2割負担(70〜74歳) | 約3,000円 | 約6,000円 |
| 1割負担(75歳以上) | 約1,500円 | 約3,000円 |
初診で検査のみの場合は4,500円程度ですが、組織検査(生検)を行うと追加で4,000円〜5,000円かかります。
自費診療の場合の費用目安
健康診断や人間ドックで受ける場合は保険適用外となり、12,000円〜25,000円が相場です。 医療機関によって価格設定が異なるため、事前に確認することをおすすめします。
費用が変動する3つの主な要因
胃カメラの費用は、以下の要素で変動します。
- 鎮静剤の使用有無:使用すると450円〜600円(保険適用時)
- 組織検査(生検)の実施:1部位あたり約4,000円
- ピロリ菌検査の追加:約1,000円〜1,500円
これらの詳細は後の章で解説します。
保険適用と自費診療の違いを解説
胃カメラ検査で保険が適用されるかどうかは、 「症状があるか」「医師が必要と判断したか」がポイントです。
保険適用になる具体的なケース
自覚症状がある場合
- 胃痛、胸やけ、吐き気
- 食欲不振、体重減少
- 黒い便が出る(消化管出血の疑い)
- 喉のつかえ感
健康診断で異常を指摘された場合
- バリウム検査で要精密検査
- 貧血の数値異常
- 腫瘍マーカーの上昇
医師が検査を必要と判断した場合
- ピロリ菌陽性で除菌前の確認
- 過去に胃潰瘍や胃がんの治療歴がある
- 胃がんの家族歴があり、医師が定期検査を推奨
自費診療になるケース
症状がなく、自主的に検査を受ける場合は全額自己負担です。
- 人間ドックや健康診断の一環として受ける
- 予防目的で定期的に検査を受ける
- 保険証を持参できない
年齢による負担割合の違い
健康保険には年齢によって自己負担割合が設定されています。
| 年齢 | 負担割合 | 検査費用の目安 |
|---|---|---|
| 69歳以下 | 3割 | 約4,500円 |
| 70〜74歳 | 2割 | 約3,000円 |
| 75歳以上 | 1割 | 約1,500円 |
※現役並み所得者は、70歳以上でも3割負担となります。
胃カメラ検査の費用内訳を詳しく紹介
保険適用の胃カメラ検査では、どのような項目に費用がかかるのでしょうか。 胃カメラ検査の基本費用は、診療報酬制度によって全国一律で定められています。 ここでは、その内訳を順に解説します。
診察料の内訳
医療機関を受診する際には、胃カメラ検査とは別に診察料がかかります。
| 項目 | 点数 | 3割負担の金額 |
|---|---|---|
| 初診料 | 288点 | 約890円 |
| 再診料 | 73点 | 約220円 |
初めて受診する場合は初診料が、2回目以降は再診料が適用されます。 なお、大規模病院では選定療養費として追加料金が発生する場合があります。
検査基本料金
胃カメラ検査そのものの料金は、令和6年度の診療報酬改定により 1,140点(3割負担で約3,420円)と定められています。
経口内視鏡(口から挿入)でも、経鼻内視鏡(鼻から挿入)でも、 検査の基本料金は同じです。
特殊光観察による加算
最新の内視鏡では、NBIやBLI、LCIといった特殊な光を使い、 病変をより詳しく観察できる機能が搭載されています。
これらを使用した場合、 内視鏡検査時狭帯域光強調加算として200点 (3割負担で約600円)が加算されます。
多くの医療機関では標準的に使用されていますが、 施設によって請求方法が異なるため、数百円の費用差が生じることがあります。
使用する薬剤の費用
胃カメラ検査を安全かつスムーズに行うため、以下の薬剤が使用されます。
- 咽頭麻酔:のどの反射を抑えるスプレーやゼリー
- 胃粘液溶解剤:胃の粘液を取り除く薬
- 消泡剤:胃の中の泡を消す薬
これらを合わせた薬剤費は、3割負担で200円程度です。 使用する薬剤の種類は医療機関によって異なるため、 数百円の差が出ることがあります。
追加費用が発生する主なケース
基本的な検査費用とは別に、胃カメラ検査では 検査内容や目的によって追加費用が発生することがあります。 事前に具体的な金額を把握しておきましょう。
鎮静剤使用時の費用と種類
胃カメラ検査時の不快感を軽減するため、鎮静剤を使用することができます。
保険適用の鎮静剤
保険診療で使用される鎮静剤はミダゾラムが一般的で、 3割負担で約450円〜600円が目安です。
ミダゾラムは適度な眠気をもたらし、 検査中の記憶がほとんど残らないため、 「気づいたら終わっていた」と感じる方が多いのが特徴です。
自費診療での鎮静剤
人間ドックなどの自費診療では、 プロポフォールなどの鎮静剤を使用する医療機関もあります。 自費の場合は5,000円〜10,000円程度が追加されます。
鎮静剤を使用した場合、検査後は30分〜1時間程度、 リカバリールームで休む必要があります。 また、検査当日の車の運転は禁止されます。
組織検査(生検)が必要な場合
検査中に異常な部分が見つかった場合、 組織を採取して詳しく調べる「組織検査(生検)」が行われます。
生検にかかる費用内訳
| 項目 | 点数 | 3割負担の金額 |
|---|---|---|
| 内視鏡下生検法 | 310〜620点 | 約930円〜1,860円 |
| 病理組織顕微鏡検査 | 860点 | 約2,580円 |
| 病理診断料 | 390点 | 約1,170円 |
| 合計 | — | 約4,680円〜5,610円 |
胃から複数箇所採取しても「1部位」としてカウントされますが、 胃と食道の両方から採取した場合は「2部位」となり、 費用は倍になります。
ピロリ菌検査の費用と検査方法
ピロリ菌感染が疑われる場合、胃カメラ検査とあわせて 追加で検査が行われます。
検査方法と費用
| 検査方法 | 特徴 | 3割負担の費用 |
|---|---|---|
| 迅速ウレアーゼ試験 | 検査中に組織を採取し、約30分で結果判定 | 約1,200円 |
| 尿素呼気試験 | 検査後日に呼気で判定 | 約1,500円 |
| 血液抗体検査 | 血液検査で判定 | 約900円 |
ピロリ菌が陽性だった場合は、 除菌治療(1週間の内服薬)も保険適用で受けることができます。
その他の追加検査
状況に応じて、以下のような検査や処置が追加されることがあります。
- 感染症血液検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒など):約1,200円
- アニサキス除去:異物除去として別途費用
- 止血処置:出血が見つかった場合に実施
胃カメラ検査の費用を安く抑える5つの方法
胃カメラ検査の費用は、制度や受け方を知っているかどうかで 自己負担額に大きな差が出ます。 条件を満たせば、数千円〜数万円の節約が可能です。
1. 企業の助成・補助制度を活用する
会社員の方は、加入している健康保険組合が 胃カメラ検査費用の一部を補助している場合があります。
- 人間ドックで胃カメラを追加した際の差額補助
- 年1回の健康診断で胃カメラを選択した場合、5,000円〜10,000円の補助
- 被扶養者(配偶者など)も補助対象になるケース
補助を受けるには事前申請が必要なことが多いため、 勤務先の健康保険組合や総務部に検査前に確認しましょう。
2. 自治体の胃がん検診を利用する
多くの自治体では、50歳以上を対象に 胃カメラによる胃がん検診の費用を助成しています。
- 対象年齢:50歳以上(自治体により異なる)
- 実施頻度:2年に1回
- 自己負担額:1,000円〜3,000円程度
自治体から送付される受診券を利用するか、 指定医療機関へ直接予約する形が一般的です。 詳細はお住まいの自治体の公式サイトで 「胃がん検診」と検索して確認してください。
3. 医療費控除を利用する
症状があり、医師の判断で受けた胃カメラ検査は 医療費控除の対象となります。
- 年間の医療費が10万円を超える場合
- または総所得金額等の5%を超える場合
胃カメラ検査費用だけでなく、 診察料・薬代・公共交通機関の通院費用、 同一生計の家族の医療費も合算できます。
4. 保険適用の条件を満たす
症状があるにもかかわらず申告しないと、 自費診療として扱われる可能性があります。
- 軽い胃の不快感や胸やけも正直に伝える
- 健康診断で異常を指摘されたことがあれば伝える
- 家族に胃がんの病歴がある場合も共有する
医師が検査の必要性を判断すれば、 保険適用で検査を受けられ、費用を大きく抑えられます。
5. 検査の受け方を工夫する
検査の受け方次第で、総額の医療費を抑えられる場合があります。
同日に複数の内視鏡検査を受ける
胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けることで、 診察料が1回分で済み、鎮静剤も共用できるケースがあります。
胃カメラと大腸内視鏡検査を同時に受けた場合の 費用の考え方については、 大腸内視鏡検査の費用を解説したこちらの記事 で詳しく解説しています。
経鼻内視鏡を選択する
経鼻内視鏡は嘔吐反射が少なく、 鎮静剤が不要な場合が多いため費用を抑えやすい検査方法です。 ただし、医療機関によっては追加料金が設定されている場合もあるため、 事前に確認しておくと安心です。
胃カメラ費用に関するよくある質問(FAQ)
医療機関によって異なりますが、現金のほかクレジットカードに対応している施設が増えています。 自費診療では対応範囲が広い傾向がありますが、保険診療では現金のみの場合もあるため、 事前に確認しておくと安心です。
症状があり、医師の指示で受けた胃カメラ検査は医療費控除の対象になります。 一方、症状のない人間ドックや予防目的の検査は原則対象外です。 ただし、人間ドックで重大な病気が見つかり、その後治療を行った場合は 人間ドック費用も含めて控除対象となることがあります。
胃カメラ検査単独では高額療養費制度の対象にはなりません。 ただし、検査をきっかけに入院や手術が必要になった場合は、 その治療費について制度が適用されます。
検査費用自体は変わりませんが、 初診料が再診料になるため、数百円程度安くなることがあります。
保険診療の場合は450円〜600円程度の差です。 自費診療(人間ドックなど)では5,000円〜10,000円程度 追加されることがあります。
まとめ
胃カメラ検査の費用は、保険適用であれば多くの場合5,000円前後、 自費診療では12,000円〜25,000円が相場です。 鎮静剤や生検などで費用は変動しますが、 企業や自治体の助成制度、医療費控除を活用することで 自己負担を大きく抑えることも可能です。 検査前に条件を確認し、無理のない形で早めに受診することが大切です。

監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール