2026年1月15日
胃カメラ検査の前日は、過ごし方を間違えると検査が中止になったり、病変を見落とす原因になる重要なタイミングです。
結論から言うと、前日に守るべきポイントは決まっており、それさえ押さえれば過度に不安になる必要はありません。
特に多いのが、
「前日は何時まで食べていいのか」
「水やお茶は飲んでいいのか」
「普段飲んでいる薬はどうすればいいのか」
といった疑問を、自己判断のまま当日を迎えてしまうケースです。
胃の中に食べ物や残留物があると、
検査の精度が下がるだけでなく、再検査や検査延期になることもあります。
この記事では、
胃カメラ前日に必ず守るべき「やること」「やってはいけないこと」を中心に、
食事・飲み物・薬の扱いを順番に、迷わない形で整理しています。
胃カメラ前日に必ず守ること・やってはいけないこと
胃カメラ検査の前日は、「これで本当に大丈夫かな?」と不安になる方が少なくありません。
特に、食事や飲み物、薬の扱いについては情報が多く、何を基準に考えればよいのか迷いやすいポイントです。
下の図では、前日から検査当日の朝までの流れと、最低限押さえておきたいルールをまとめています。
まずは全体像を確認したうえで、具体的な注意点を順番に見ていきましょう。

胃カメラ検査の前日は、いくつかの基本ルールを守るだけで、検査は問題なく受けられます。 結論から言うと、意識すべきポイントは次の3つです。
- ・ 食事は決められた時間以降とらない
- ・ 胃に負担をかける行動を避ける
- ・ 服用中の薬を、処方された診療科を考えずに自己判断で中止・変更しない
まず、前日の夜は指定された時間以降に食事をしないことが最も重要です。 胃の中に食べ物が残っていると、検査中に胃の粘膜が十分に観察できず、正確な診断ができなくなる可能性があります。 何時まで食べてよいのか、どんな食事が向いているのかについては、次の見出しで詳しく解説します。
次に、前日は胃に負担をかける行動を控えましょう。 お酒、激しい運動、夜遅い食事などは、胃の動きや内容物に影響します。 「少しなら大丈夫」と思ってしまいがちですが、それが原因で検査が延期になるケースもあります。 避けるべき生活習慣については後ほどまとめます。
また、薬の扱いには特に注意が必要です。 普段飲んでいる薬の中には、前日は中止が必要なものもあれば、いつも通り服用した方がよいものもあります。 そのため、処方された診療科を考えずに、自己判断で薬を中止したり変更したりしないことが大切です。 具体的な対応は、後の項目で詳しく説明します。
前日の準備を正しく行うことで、検査はスムーズに進み、見落としのない診断につながります。 まずはこの基本ルールを押さえたうえで、次の項目を確認してください。
胃カメラ前日の食事制限|何時まで食べられる?避けるべき食品
胃カメラ検査の前日は、食事の「時間」と「内容」を守ることが、 検査を成功させるうえで最も重要な準備になります。 基本ルールは、前日の夜9時までに食事を終えることです。
胃の中に食べ物や残留物があると、検査中に視野が悪くなり、 小さな変化が見えにくくなることがあります。 そのため、時間だけでなく何を食べるかも大切です。
| 時間帯 | 食事の可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 前日 朝〜昼 | 可 | 通常通りで問題ありません |
| 前日 夜9時まで | 可 | 消化の良い食事を選びましょう |
| 前日 夜9時以降 | 不可 | 飴・ガムを含む固形物はすべて控えてください |
前日夜9時以降は、飴やガムを含め、口に入れる固形物は控えてください。 飴やガムは胃に残らないように思えますが、 なめたり噛んだりする刺激によって胃酸の分泌や胃の動きが活発になり、 検査時に見えにくくなることがあります。
また、ガムの成分や甘味料が無意識に胃に入ってしまうケースや、 胃の動きが強くなることで画像がブレる可能性も否定できません。 こうした影響を避けるため、夜9時以降は水やお茶以外は口にしない というルールが設けられています。
前日の食事では、揚げ物、脂身の多い肉、ラーメン、海藻類、きのこ類、こんにゃく など、消化に時間がかかる食品は避けましょう。 これらは胃に残りやすく、検査の妨げになることがあります。
一方で、ごはん(少量)、うどん、白身魚、豆腐、卵料理などは 比較的消化が良く、前日の食事として適しています。 食事内容に迷った場合は、「消化に良いかどうか」を基準に選ぶと安心です。
食事制限を正しく守ることで、胃の中がきれいな状態になり、 医師がより正確に診断しやすくなります。
胃カメラ前日の飲み物ルール|水・お茶はOK?NGな飲み物は?
胃カメラ検査の前日は、飲み物の種類を正しく選ぶことが重要です。 食事と違い、水分はある程度摂取できますが、何でも飲んでよいわけではありません。
基本ルールは、「水・お茶は可」「色や成分が残る飲み物は不可」です。 胃の中に色や成分が残ると、検査時に粘膜が見えにくくなり、 正確な観察の妨げになることがあります。
| 飲み物の種類 | 前日の可否 | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| 水 | 可 | 胃に残りにくく、検査への 影響が少ない |
| 無糖のお茶 (麦茶・緑茶など) |
可 | 色が薄く、胃内に残りにくい |
| 牛乳・乳飲料 | 不可 | 白く濁り、胃粘膜が見えにくくなる |
| ジュース・スポーツドリンク | 不可 | 糖分や色素が胃内に残る 可能性がある |
| 炭酸飲料 | 不可 | 胃が膨らみ、 観察しづらくなる |
| アルコール | 不可 | 胃粘膜を刺激し、 検査精度に影響する |
水や無糖のお茶は、検査当日の朝まで飲めることが一般的ですが、 量や時間については医療機関ごとに指示が異なる場合があります。 予約時に案内された内容がある場合は、必ずそれを優先してください。
一方で、牛乳やジュース、炭酸飲料などは、 胃の中に白濁や泡、色のついた液体が残りやすく、 小さな病変の見落としにつながる可能性があります。 「少量だから大丈夫」と自己判断せず、前日は控えましょう。
正しい水分補給を行うことで、胃の状態が整い、 検査をスムーズに進めることができます。 次の項目では、前日の薬の服用と注意点について解説します。
胃カメラ前日の薬の服用|常用薬・中止が必要な薬の注意点
胃カメラ検査の前日は、服用している薬の扱いに特に注意が必要です。 普段飲んでいる薬の中には、前日は中止が必要なものもあれば、 いつも通り服用した方がよいものもあります。
大切なのは、処方された診療科を考えずに、自己判断で薬を中止・変更しないことです。 胃カメラとは関係なさそうに見える薬でも、 検査や体調に影響する場合があります。
| 薬の種類 | 前日の対応 | 注意点 |
|---|---|---|
| 高血圧・心臓の薬 | 原則として継続 | 中止の指示がない限り、 通常通り服用 |
| 糖尿病の薬・インスリン | 要確認 | 低血糖のリスクがあるため 必ず事前相談 |
| 血液をサラサラにする薬 | 要確認 | 検査方法によって対応が 異なる |
| 胃薬・サプリメント | 指示に従う | 検査内容により中止が 必要な場合あり |
特に注意が必要なのは、糖尿病の薬や血液をサラサラにする薬です。 これらは、検査当日の体調や検査内容に影響する可能性があるため、 事前に医師や医療機関へ相談しておくことが重要です。
すでに医療機関から「中止」「継続」などの指示を受けている場合は、 その内容を必ず優先してください。 不明点がある場合は、検査当日ではなく、前日までに確認しておくと安心です。
薬の扱いを正しく理解しておくことで、 検査当日のトラブルや体調不良を防ぐことができます。
なぜ胃カメラ前日は制限が必要?検査精度に影響する医学的理由
胃カメラ検査の前日にさまざまな制限が設けられているのは、 検査を安全に行い、正確な診断につなげるためです。
胃の中に食べ物や飲み物が残っていると、 内視鏡で観察した際に胃粘膜が十分に見えなくなることがあります。 特に、早期の胃がんなどの小さな変化は、 わずかな残留物によって見落とされる可能性があります。
また、食事や飲酒、刺激物の摂取は、 胃酸の分泌や胃の動き(蠕動運動)を活発にする原因になります。 胃が頻繁に動いている状態では、 内視鏡の操作が難しくなり、検査時間が長くなることもあります。
前日にアルコールや脂肪分の多い食事を摂ると、 胃粘膜が一時的に充血したり、 内容物の排出が遅れたりすることがあります。 これにより、本来の病変と区別がつきにくくなり、 診断の正確性が低下するおそれがあります。
さらに、胃の中が空でない状態では、 検査中に吐き気や不快感が強くなることもあります。 これは患者さんの負担が増えるだけでなく、 検査そのものを中断せざるを得なくなる原因にもなります。
前日の制限を守ることで、 胃の中をできるだけ自然で安定した状態に整え、 短時間で、見落としの少ない検査が可能になります。
胃カメラ前日に避けるべき行動と生活習慣|運動・入浴・飲酒の影響
胃カメラ検査の前日は、食事や飲み物だけでなく、 普段の生活習慣にも注意が必要です。 何気ない行動が、検査の見え方や当日の体調に影響することがあります。
基本的な考え方は、「胃を刺激しない」「体を興奮させない」ことです。 前日はできるだけ普段通り、落ち着いた生活を心がけましょう。
| 行動・習慣 | 前日の注意点 | 理由の目安 |
|---|---|---|
| 飲酒 | 控える | 胃粘膜を刺激し、観察しづらくなる |
| 喫煙 | できるだけ控える | 胃酸分泌や胃の動きを促す |
| 激しい運動 | 避ける | 胃の動きが活発になり不快感が出やすい |
| 入浴 | 長時間・高温は避ける | のぼせや脱水を防ぎ、体調を整えるため |
| 夜更かし | 控える | 自律神経が乱れ、検査当日に影響する |
特にアルコールは、胃粘膜の状態を一時的に変化させるため、 前日は完全に控えることが勧められます。 「少量だから大丈夫」と自己判断せず、検査を優先しましょう。
入浴については、シャワーや短時間の入浴であれば問題ないことが多いものの、 長時間の入浴や熱いお風呂は避け、 体に負担をかけないようにしてください。
前日はしっかり睡眠をとり、 体調を整えて検査当日を迎えることも大切です。
検査精度を最大限に高めるための胃カメラ前日対策
胃カメラ検査をより正確に行うためには、 前日に「避けること」だけでなく、 意識して行いたい準備もあります。 これらは特別なことではなく、 体と胃の状態を整えるための基本的な対策です。
ポイントは、胃の動きを安定させ、検査当日を落ち着いた状態で迎えることです。 以下の点を意識することで、 検査がスムーズに進みやすくなります。
| 前日に意識したいこと | 具体的なポイント | 目的 |
|---|---|---|
| 十分な睡眠 | 夜更かしを避け、早めに就寝する | 自律神経を整え、胃の動きを安定させる |
| ストレスをためない | 不安な点は事前に確認しておく | 緊張による胃の過剰な動きを防ぐ |
| 水分補給の工夫 | 水やお茶を少量ずつ摂取する | 脱水を防ぎ、体調を整える |
| 持ち物の準備 | マイナ保険証・同意書・お薬手帳を確認 | 当日の焦りや緊張を減らす |
特に睡眠不足や強い緊張は、 胃の動きを不安定にし、 検査中の不快感につながることがあります。 前日はできるだけリラックスして過ごすことが大切です。
また、検査に対して不安や疑問がある場合は、 事前に医療機関へ確認しておくと、 当日の緊張を軽減できます。 気持ちが落ち着いていることも、 検査を円滑に進める重要な要素です。
こうした前日対策を行うことで、 胃の状態が整い、 短時間で、見落としの少ない検査につながります。
胃カメラ前日の準備に関するよくある質問(FAQ)|前日守れなかった場合は?
胃カメラ前日の夜9時以降に食べてしまいました。検査は受けられますか?
状況によって対応が変わるため、自己判断せず、できるだけ早く医療機関へ連絡してください。 胃の中に内容物が残っていると、視野が妨げられて検査精度が下がったり、検査延期になることがあります。 連絡時は「食べた時間」「食べた内容」を伝えるとスムーズです。
胃カメラ前日の夜9時以降、飴やガムを口にしても大丈夫ですか?
飴やガムは胃に残りにくい印象がありますが、なめたり噛んだりする刺激で胃酸分泌や胃の動きが活発になり、 検査時に見えにくくなることがあります。前日夜9時以降は、水やお茶以外は控えるのが安全です。
胃カメラの前に水やお茶はいつまで飲めますか?
水や無糖のお茶は検査当日の朝まで可能なことが多い一方、飲んでよい時間は医療機関の指示が優先です。 予約時の案内がある場合は必ず従ってください。迷う場合は、検査前日に医療機関へ確認すると安心です。
胃カメラ前日は、なぜ牛乳やジュース、コーヒーを避ける必要があるのですか?
牛乳や乳飲料は胃の中で白く濁って見えることがあり、ジュース類は糖分や色の要素が残る場合があります。 コーヒーや紅茶などは胃を刺激し、状態が不安定になることがあります。 いずれも観察の妨げやすいため、前日は水・無糖のお茶を選ぶのが基本です。
胃カメラ前日や当日に薬はいつも通り飲んでいいですか?
薬は種類によって対応が異なります。大切なのは、 処方された診療科を考えずに自己判断で中止・変更しないことです。 すでに指示がある場合はそれを優先し、不明点がある場合は前日までに医療機関へ確認してください。
胃カメラ前日は仕事や入浴をしても大丈夫ですか?
仕事は通常通り可能なことが多い一方、前日は無理をせず、体調を整えることが大切です。 入浴は短時間であれば問題ないことが多いですが、長時間・高温の入浴は避け、 のぼせや脱水を防ぎ、体調を整える意識で過ごしてください。
お酒やタバコはどれくらい前から控えるべきですか?
アルコールは胃を刺激し、粘膜の状態が不安定になることがあるため、 前日は控えるのが基本です。喫煙も胃酸分泌や胃の動きを促す可能性があるため、 できるだけ控えることが勧められます。具体的な指示がある場合はそちらを優先してください。
胃カメラ前日の準備に不安がある場合はどうすればいいですか?
自己判断せず、検査前の段階で医療機関に連絡して確認してください。 前日の準備について少しでも不安がある場合は、「これくらいなら大丈夫だろう」と判断せず、検査を受ける医療機関に事前に相談するのが最も確実です。その際は、 ・最後に食事をした時間と内容 ・飲んだ飲み物の種類 ・服用している薬(診療科・薬名) を伝えることで、医療機関側が適切に判断できます。 準備状況によっては、 ・予定通り検査を受けられる場合 ・時間をずらして対応できる場合 ・別日に変更した方がよい場合など、状況に応じた対応を案内してもらえます。 不安なまま当日を迎えるより、 事前に確認しておくことで、無駄な中止ややり直しを防ぐことができます。

監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール