ホタテを食べたらあたった?腹痛・下痢・嘔吐の原因は「貝毒」かも|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

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ホタテを食べたらあたった?腹痛・下痢・嘔吐の原因は「貝毒」かも

ホタテを食べたらあたった?腹痛・下痢・嘔吐の原因は「貝毒」かも|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

2025年10月12日

ホタテを食べたらあたった?腹痛・下痢・嘔吐の原因は「貝毒」かも

―池袋・豊島区で下痢が続く場合は大腸内視鏡検査も検討を―

冬から春にかけて人気の食材「ホタテ」。甘みがあり刺身でも焼きでもおいしい一方で、「食べたあとにお腹を下した」「数時間後に吐き気や下痢が…」という声も聞かれます。
実はこの症状、食あたりではなく「貝毒(かいどく)」によるものかもしれません。本稿では、ホタテなどの二枚貝に含まれる毒素と下痢の関係、症状が続くときの受診目安を、消化器内視鏡専門医がわかりやすく解説します。

東京都豊島区(巣鴨、池袋、駒込、板橋、北区、王子、文京区対応) おなかとおしりのクリニック 東京大塚のホタテを食べたら下痢になった患者の写真

ホタテで下痢になる主な原因とは

ホタテを食べた後の下痢にはいくつかの原因が考えられますが、代表的なのは次の3つです。

① 加熱不足による細菌やウイルス感染

ホタテが十分に火が通っていない場合、腸炎ビブリオノロウイルスなどが原因となることがあります。特に生食用ではないホタテを生のまま食べると、食中毒のリスクが高まります。

JIHS感染症情報提供サイト:ノロウイルス感染症

② アレルギー反応

貝類に含まれるたんぱく質に対して過敏に反応し、下痢・腹痛・蕁麻疹(じんましん)などを起こすケースもあります。軽症でも繰り返す場合はアレルギー専門医への相談が必要です。

③ 「貝毒(かいどく)」による食中毒とは

ホタテ・ムール貝・ホラ貝などの二枚貝は、海中の有毒プランクトンを摂取することで体内に毒を蓄積することがあります。これが貝性毒(shellfish poisoning)です。
人がその貝を食べると中毒を起こし、下痢・嘔吐・腹痛・しびれなどが出現します。日本でも毎年、北海道や東北地方を中心に報告されています。

東京都豊島区(巣鴨、池袋、駒込、板橋、北区、王子、文京区対応) おなかとおしりのクリニック 東京大塚のホタテを食べたら下痢になったホタテのイラスト

下痢を起こす「下痢性貝毒(DSP)」とは

ホタテによる下痢の多くは、この下痢性貝毒(Diarrhetic Shellfish Poisoning, DSP)が原因です。
● 原因物質
主な毒素はオカダ酸(Okadaic acid)やディノフィシストキシン(Dinophysistoxin)など。いずれも耐熱性があり、加熱しても毒性は消えません。
● 症状
食後30分~数時間で
・水のような下痢
・腹痛・吐き気・嘔吐
・まれに軽度の発熱
が起こります。通常は1〜3日で自然回復しますが、脱水に注意が必要です。
● 感染ではなく「中毒」
ウイルスや細菌による感染症ではないため、人から人にうつることはありません。
また、抗菌薬も不要です。整腸剤や水分補給で経過をみることが一般的ですが、症状が長引く場合や高齢者・基礎疾患のある方は受診をおすすめします。

宮城県公式ウエブサイト:貝毒による食中毒に注意しましょう

下痢が続くときは大腸内視鏡検査も検討を

ホタテによる一時的な中毒症状は自然に治まることが多いですが、
「1週間以上下痢が続く」「血便が出る」「体重が減ってきた」
といった場合は、単なる食あたりではなく**大腸の病気(大腸炎・ポリープ・大腸がんなど)**が隠れていることがあります。

豊島区(池袋、東池袋からアクセス良好)おなかとおしりのクリニック 東京大塚で便潜血陽性患者yにAI搭載無痛大腸内視鏡検査を行う院長の写真

豊島区・池袋エリアにある当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、
AI搭載の高精度大腸内視鏡による検査を行い、炎症・ポリープ・早期がんの有無を丁寧に確認します。
鎮静剤および鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査をおこなっております。下痢が長引く場合は、早めの受診をご検討ください。

貝毒に関する FAQ

Q1. 貝毒とは何ですか?

A.
貝毒とは、主に二枚貝(ホタテ、カキ、アサリなど)が、毒素をもつ 植物プランクトン をえさとして取り込むことにより、体内(特に中腸腺など)に毒を蓄積する現象のことです。人がその貝を食べると、下痢、吐き気、しびれなどの中毒症状を引き起こします。

Q2. 貝毒にはどんな種類がありますか?
A.

貝毒(=貝に蓄積された毒素)は、症状や作用機序によって以下のようなタイプに分類されます。

貝毒の種類発症までの時間主な症状備考
まひ性貝毒約30分前後唇・舌・顔面・手足のしびれ、めまい、頭痛、吐き気重症では体が動かせなくなり、呼吸困難に至ることもある
下痢性貝毒30分~4時間程度水様性下痢、腹痛、吐き気、嘔吐通常は数日で回復。死亡例は報告されていない


日本国内で問題となるのは、主に まひ性貝毒下痢性貝毒 の2種類です。

Q3. ホタテで起こるのはどちらの貝毒ですか?

A.
ホタテに関連して典型的なのは 下痢性貝毒(DSP) です。
下痢性貝毒は、オカダ酸(Okadaic acid)やジノフィシストキシン類(Dinophysistoxinなど)が主な毒素群で、これらは加熱しても毒性が変わらない性質を持っています。
一方、まひ性貝毒も貝毒の一種として存在し、重篤な症状を出すことがありますが、ホタテ食用時に一般的に問題となるのは下痢性の側面が中心です。

Q4. 毒化した貝を食べたらどのような症状が出ますか?

A.
発症までの時間や症状は、貝毒の種類によって異なります。

特に下痢性貝毒の場合、発症から 3日程度で自然に回復する 場合が多いとされています。

Q5. 貝毒は加熱すれば安全になりますか?

A.
いいえ、安全とは言えません。
貝毒に関与する主要な毒素(オカダ酸、ジノフィシストキシン類、サキシトキシンなど)は 熱に強く、加熱しても毒性は失われません
したがって、煮る・焼く・蒸すなどの調理方法では毒を無害化できません。

Q6. 貝中毒が疑われたらどう対応すればいいですか?

A.
すぐに 医療機関を受診 しましょう。特に、しびれや呼吸困難、血便などを伴う場合は緊急対応が必要です。
水分補給 を心がけ、脱水を予防する。
・自己判断で下痢止め薬をむやみに使うのは避けましょう(症状を悪化させることがあります)。
・症状が長引く場合、または異常を感じる場合は、消化器内科で検査を受けることを強くおすすめします。

まとめ

ホタテを食べたあとに下痢や腹痛を起こした場合、「下痢性貝毒」が関係していることがあります。
加熱しても毒は消えないため、産地や表示を確認し、症状が出たら無理をせず休養・水分補給を。
症状が長引く、あるいは血便を伴う場合は、豊島区・池袋近郊での大腸内視鏡検査で原因を確認することが安心です。

ホタテを食べて下痢になった患者に貝毒の説明をする院長写真 豊島区(巣鴨、池袋、東池袋、駒込、板橋、北区、王子、文京区対応)で胃がん検診、無痛大腸カメラ(大腸内視鏡検査)対応

監修:東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士
院長プロフィール

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