知らぬ間にできているのがニキビですが、ドラッグストアなどのニキビ治療薬で治そうとすると時間がかかります。ニキビの種類や症状の重さによっては、なかなか完治しないことも珍しくありません。

そこで検討されるのが、重症ニキビに効果的な『イソトレチノイン』を使った治療です。日本では未承認のため、初めて聞いた方もいると思いますが、海外ではよく使われている薬でもあります。未承認とは言っても、医師の判断で処方してもらうことも可能です。

この記事を読めば、そんなイソトレチノインの治療効果から相場、考えられる副作用などを知ることができます。イソトレチノインを提供しているオンライン診療クリニックも紹介していますので、自分の目的に合ったクリニックを見つけてみてください。

イソトレチノインが安いのはオンライン診療のクリニック

まずは、イソトレチノインを提供しているおすすめオンライン診療クリニックを表でまとめてみました。

クリニック名	イソトレチノイン20mg30錠 （1ヶ月分）	診察料	送料
東京ミレニアルクリニック	11,875円	無料	550円
Actually	4,800円～	無料	無料
クリニックフォア	8,470円	1,650円	550円
elife	9,600円	無料	無料
QBクリニック	5,000円～	無料	通常配送：500円 クール宅急便：1,000円
NOFAメディカル	5,000円～	無料	無料
フィットクリニック	7,920～8,800円	無料	全国一律：385円

イソトレチノインは、対面診療・オンライン診療問わず、保険適用外の自費診療でのみ処方されています。そのため、イソトレチノイン自体の価格もクリニックによって多少異なります。

もし安く処方してもらうなら、診察費や配送料が安い(無料)のクリニックや、キャンペーンを実施しているクリニックを検討してみましょう。

オンライン診療は対面診療よりも設備費や人件費などのコストを抑えやすいため、料金が比較的安い傾向にあります。例えば、診察料が無料だったり、割引キャンペーンを実施しているなどですね。

その一方で、対面診療だと実際に肌や患部を確認しながら診察を進めますので、あらゆる医療行為を検討できます。

イソトレチノインの個人輸入は危険

イソトレチノインは重症ニキビの治療に大きな効果が期待できますが、日本国内では未承認の医薬品です。そのため、処方するためには必ず医師の診察・判断が必要になります。しかし、ニキビ治療のためだけに病院やクリニックに行くのが面倒で「個人輸入」の利用を検討する方もいますが、個人輸入での購入はおすすめできません。

個人輸入には以下のリスクがあります。

• 偽薬の可能性が否定できない
• 体質に合わず重篤な副作用が出る可能性がある
• 医師の指示がないため用法用量を間違えやすい
• 個人情報が流出するリスクも考えられる

個人輸入では医師の診察がないため、イソトレチノインが体質に合っているか判断できません。正しい用法用量も理解していない状態ですので、服用を続けると重篤な副作用が出てしまう可能性があります。仮に副作用が出てしまっても、医師の処方ではないため保証を受けることもできません。

そもそも、届いた薬がイソトレチノインでない可能性まであります。中には人体に有毒な成分が含まれている可能性もありますし、それを自分で判断することはできません。こういった個人輸入に関しては、厚生労働省でも注意喚起されているほどです。

イソトレチノインは、医師や薬剤師などの専門家による緊密な指導の下でのみ使用される必要がある。
ひどい頭痛や、目のかすみ、めまい、吐き気、おう吐、脳卒中、下痢、筋力低下などのほか、 重大な精神症状（うつ、自殺など）の副作用を生じることがある。
・専門家による診察を受けずに、決して購入すべきではありません。
・処方せんなしで販売するウエブサイトがあるが、これは違法であり危険である。
引用：厚生労働省

イソトレチノインが安いオンライン診療クリニックおすすめ7選

ここからは、前述したおすすめオンライン診療クリニックを詳しく紹介していきます。

東京ミレニアルクリニック

価格	10mg×30錠：7,755円 20mg×30錠：11,875円
診察料	無料
送料	550円
診療時間	7:00～24:00
診察方法	オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済 ・デビットカード決済 ・ あと払い(ペイディ) ・銀行振込 ・ Amazon Pay

東京ミレニアルクリニックは、ニキビ専門オンラインクリニックとして高い実績を誇るクリニックです。グループ累計診療実績は100万件以上で、担当してくれるドクターは8,000人以上のニキビ患者に携わってきた実績があります。丁寧なカウンセリングや診察を受けられると口コミでも評判です。

オンライン診療のみの対応ですが、診療時間は7:00～24:00と長く、思い立ったタイミングで気軽に予約できるのが魅力です。予約はLINEの友だち登録から簡単に行え、事前問診に回答しておけば当日の診察もスムーズに進みます。診察後は最短翌日に届くよう手配してくれ、外装から中身が分からないよう丁寧に梱包されるため、周りに知られる心配もありません。

そんな東京ミレニアルクリニックが提供しているイソトレチノインは、独自の「Iso View Skin」というオリジナル処方を採用しています。海外製造ではあるものの、従来のイソトレチノインよりも安心して使用できるよう入念に監修されており、安全性に配慮した設計がされています。

それでも不安を感じる方のために、全額返金保証制度を用意しているのも特徴です。適用条件はあるものの、これまで支払った治療費が返金されるため、初めての方でもイソトレチノインを始めやすいですね。

公式サイトへ

Actually（アクチュアリー）

価格	10mg×30錠：提供なし 20mg×30錠：4,800円
診察料	無料
送料	無料
診療時間	9:00～23:00
診察方法	オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済 ・デビットカード決済

Actuallyとは、累計利用者数25,000人以上を突破したオンライン診療プラットフォームです。Actually自体は医療機関ではありませんが、提携クリニックの経験豊富な医師が診察を担当してくれるため、質の高いオンライン診療を受けられます。すべてスマホ1台で完結するため、場所を選ばず診察できる手軽さも魅力です。

診察時間も9:00～23:00と深夜まで対応しているため、仕事終わりでも利用しやすいです。予約が完了すれば、待ち時間もなくスムーズに診察を受けられますし、お薬は中身が分からないように梱包された状態で自宅に届けてくれます。診察後も、気になる点があればLINEチャットで気軽に相談できるので、初めての方でも安心です。

価格は20mg×30錠が4,800円～と、比較的リーズナブルな価格となっています。1ヶ月分を単月購入した場合でも5,800円と安く、診察料や配送料がかからないため、コスパに優れたプランと言えるでしょう。

また、東京ミレニアルクリニックと同様に、30錠プラン限定で全額返金制度を設けています。60錠以上のまとめ買いを検討している場合は対象外となるため注意が必要ですが、価格重視で始めたい方には特におすすめのサービスです。

公式サイトへ

クリニックフォア

価格	20mg×30錠：8,470円 40mg×30錠：16,577円
診察料	1,650円
送料	550円
診療時間	7:00～24:00
診察方法	対面診療/オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済 ・デビットカード決済 ・GMO後払い ・代金引換 ・Amazon pay ・Paidy

クリニックフォアは、関東を中心に店舗を展開している美容クリニックです。ニキビ治療を含む皮膚科診療の実績が豊富です。対面診療であればイソトレチノイン以外の治療方法もあわせて検討できますし、近くに店舗がない場合でも7:00〜24:00までオンライン診療を受けられるため、忙しい方でも利用しやすいのが魅力です。

積極的にCMや広告を発信しているため知名度も高く、安心して利用できるのもクリニックフォアの強みと言えるでしょう。診察を担当する医師はニキビ治療含む皮膚科・美容医療のプロで、カウンセリングや診察の質も高く、診察後のアフターフォローも徹底しています。

イソトレチノインは20mgと40mgの2種類を扱っており、20mgで十分な効果を感じられなかった方でも用量を調整できるのは他クリニックには少ない強みです。ヘパリン類似物質クリーム0.3%とのセットプランもありますので、イソトレチノイン服用時の乾燥が気になる方はこちらも検討してみましょう。

ただし、価格帯はやや高めで、診察料1,650円・配送料550円がかかるため、全体的なコスパは他のクリニックよりも割高になる傾向があります。それでも、支払い方法が豊富に揃っているため、クレジットカードを持っていない方でも利用しやすい点は大きなメリットと言えるでしょう。

公式サイトへ

elife

価格	10mg×30錠：要問合せ 20mg×30錠：9,600円
診察料	無料
送料	無料
診療時間	7:00～22:00
診察方法	オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済

elifeは、カウンセリングや診察の質に高い評価を得ているオンライン診療クリニックです。経験豊富な医師がカウンセリングや診察を担当してくれますので、「丁寧で分かりやすかった」や「副作用も隠さず教えてくれて信用できる」といった口コミが多い印象があります。

アカウント作成だけで予約から診察、薬の処方まですべて完結させられる利便性の良さも強みと言えるでしょう。診察が終われば、目立たない梱包ですぐに発送手続きをしてくれます。もし治療中にトラブルが起きたとしても、フォローアップ体制が整っているためすぐに解決できますよ。

価格は20mg×30錠で9,600円ですので、他のクリニックと比較して高めとなっています。しかし、診察料・配送料は無料です。ロイヤリティポイントを貯めることもでき、それを決済に充てることも可能なので、使い方次第ではコスパに優れていると言えるでしょう。

公式サイトへ

QBクリニック

価格	10mg×30錠：4,000円～ 20mg×30錠：5,000円～
診察料	無料
送料	通常配送：500円 クール宅急便：1,000円
診療時間	24時間365日
診察方法	オンライン診療のみ
支払い方法	・クレジットカード決済 ・銀行振込 ・PayPay

QBクリニックは、「手軽に身近に医療を受けられる世の中へ」をコンセプトに運営しているオンライン専門クリニックです。特別なアプリをインストールする必要もなく、LINEさえあれば予約から診察まですべて行えます。診察時間も24時間365日ですので、早朝や深夜しか時間がない方でも安心です。

初診・再診含め、診察料は一切請求されません。処方したお薬代と、配送料500～1,000円のみでイソトレチノインによる治療を続けられます。支払い方法はクレジットカード決済、銀行振込、PayPayがありますので、自分の都合の良いサービスを選択しましょう。

料金プランは単月購入と定期配送があり、おすすめは定期配送です。定期配送であれば毎月決まった日に薬が送られてきますし、その都度手続きする必要がありません。仮に必要ないと感じた場合でも、契約期間の縛りがないため翌月以降の休止や解約も自由です。

定期便は「1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月」とあり、長ければ長いほど1ヶ月あたりの価格が安くなります。12ヶ月プランであれば業界トップクラスのコスパですが、おすすめは1ヶ月の定期配送プランです。今なら、初月をキャンペーン価格で購入することができますよ。

公式サイトへ

NOFAメディカル

価格	10mg×30錠：4,500円～ 20mg×30錠：5,000円～
診察料	無料
送料	無料
診療時間	9:00～22:00
診察方法	オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済 ・銀行振込(都度購入のみ)

NOFAメディカルは、オンライン診療＋個人輸入代行を提供しているサービスです。NOFAメディカル自体は、医療機関ではありません。診察は提携クリニックの医師によって行われ、そこで処方された薬を届けてくれます。ニキビの状態によっては、対面診療を指示されることもあります。

購入プランは「1ヶ月定期」「3ヶ月定期」「6ヶ月分一括」の3つがあり、1ヶ月あたりで最もお得なのは6ヶ月分一括プランです。イソトレチノインによるニキビ治療は4～6ヶ月が一般的で、再発防止を考えると6～8ヶ月になることもあります。そのため、症状の重さによっては最初から一括プランを選択するのが最もコスパに優れていると言えるでしょう。

仮に定期便を選択したとしても、契約期間に縛りは一切ありません。不要と感じたらすぐにマイページから解約できます。イソトレチノイン単体プランもありますが、「海外製ビオチン20.1mg」を併用して治療を進めるプランもあります。海外製ビオチンは、ケラチン産生や脂質・糖代謝をサポートしてくれる薬剤です。効率的に治療したい方は、こちらを検討してみると良いでしょう(6,200円～)。

公式サイトへ

フィットクリニック

価格	10mg×30錠：6,300～7,000円 20mg×30錠：7,920～8,800円
診察料	無料
送料	全国一律：385円
診療時間	月曜～土曜：10:00～20:00 日曜：10:00～18:00
診察方法	対面診療/オンライン診療
支払い方法	・クレジットカード決済 ・コンビニ払い ・代金引換 ・銀行振込

フィットクリニックでは、対面診療とオンライン診療に対応している美容クリニックです。店舗は渋谷区にあり、直接ニキビの状態を確認してもらうことで最適な治療法を提案してもらえます。ただ、オンライン診療含め、他のクリニックと比較して診療時間が短い点には注意しましょう。

対面診療はもちろんのこと、オンライン診療でも経験豊富な医師が丁寧な診察をしてくれます。オンライン診療はすべてスマホで完結し、15時までに決済が確認できれば最短即日発送にも対応しています。支払い方法も数種類ありますので、クレジットカードを持っていない方でも安心です。

価格はまとめ買いが最もお得で、10mgであれば6,300円～、20mgであれば7,920円～となっています。クレジットカード決済のみになりますが、毎月引き落としの定期配送プランも選択可能です。診察料や処方代も無料ですし、配送料も385円と安いため定期配送プランでもコスパ良しです。

公式サイトへ

イソトレチノインは重症ニキビ治療に使われる薬

イソトレチノイン(アキュテイン)は、2025年時点で日本においては未承認の薬剤です。未承認ではあるものの、他の治療薬では改善が難しい重症ニキビに対して、高い有効性が認められている内服薬として用いられています。

ここからは、イソトレチノインがどのような治療薬なのか、どのような副作用が考えられるのか解説していきます。未承認の内服薬のため処方には医師の診察が必要ですが、医師の指導を厳守して服用すれば効果的に治療できますよ。

イソトレチノインの効果

• 皮脂の分泌を抑制
• 毛穴の詰まりの改善
• 抗炎症作用

イソトレチノインには、皮脂腺を縮小させる効果があります。それによって皮脂の過剰分泌を抑制し、ニキビの原因となるアクネ菌などが増殖・定着しにくい環境に整えてくれます。ニキビの炎症を抑えつつ、重症ニキビの原因を根本から取り除くことが期待できます。

さらに、皮膚の角化を正常化することで毛穴の詰まりを改善する効果にも期待できます。皮脂が毛穴に停滞する状態を防げれば、アクネ菌などの増殖を防げるのです。アクネ菌の増殖を防ぎつつ定着率を下げられますので、徐々にニキビの症状を落ち着かせることができます。

ニキビによる赤みや炎症が起こる原因は、皮膚内部で菌を排除するために免疫反応が働くからです。重症ニキビではこの免疫反応が過剰に働いてしまうため、通常のニキビよりも赤みや炎症が強く出てしまいます。イソトレチノインには、この過剰な免疫反応を正常化させる効果が期待できますので、炎症や赤みを抑えることもできます。

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインの副作用としては、以下のようなものが挙げられます。

	症状
皮膚症状	赤み・乾燥・ニキビの一時的な悪化・光線過敏症・脱毛
乾燥	皮膚・唇・鼻粘膜・鼻粘膜乾燥による出血・ドライアイ
精神神経系	鬱症状(※)
器官障害	炎症性腸疾患・膵炎・筋骨格痛・肝機能異常(ALT/ASTの上昇)
聴覚障害・視覚障害	聞こえにくい・耳鳴り・角膜混濁
妊娠	先天異常・奇形
その他	頭痛・悪心・嘔吐・吐き気・倦怠感・めまい

※以前は因果関係が報告されていたが、現在は因果関係がはっきりしていない

イソトレチノインの副作用で多いのが、「唇の皮がめくれる」というものです。服用を始めた方のほとんどが経験すると言われており、リップクリームやワセリンで対策することで楽になります。ただ、服用中はこの症状がずっと続く方も多いのが現状です。

その次に多いのが、約30%の方が経験する皮膚疾患です。主に乾燥ですので、ボディクリームやハンドクリームなどで対策しましょう。そして、服用開始1～4週目でニキビが悪化することもありますが、これは初期悪化と呼ばれる一時的なものです。間違っても用量を勝手に増やさないようにしましょう。

イソトレチノインの服用により、次のような重大な副作用を生じることがあります。
（１）胎児の奇形、流産、死産、早産
　妊娠している人または妊娠予定の患者は服用してはいけません。
　服用期間中とその前後１ヶ月間は妊娠してはいけません。
　もし妊娠した場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。
（２）鬱、精神病（幻覚、幻聴）、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患

イソトレチノインを飲みはじめたばかりの頃、一時的にニキビが悪化することがあります。これは「初期悪化」と呼ばれ、全体の約6％ほどの方に起こるといわれています。
引用：厚生労働省

イソトレチノインの服用方法と服用する際の注意点

ここからは、イソトレチノインの服用方法と、服用時の注意点について解説していきます。

イソトレチノインの服用方法

イソトレチノインは、原則「1日1回、医師と決めた錠数」の服用となっています。症状が軽い方は1錠、症状が重い方は2～4錠になることが多いです。原則1日1回と書きましたが、用量が多い場合に限り2回に分けることもあります。

服用タイミングは、食後にすることを意識しましょう。食後であればとくに指定はありませんので、朝食・昼食・夕食など時間帯は問いません。食後に服用する理由は、イソトレチノインの主成分でもあるビタミンA誘導体が脂溶性ビタミンで、水よりも脂肪に溶けやすい成分だからです。

服用時の注意点

服用時には、以下のようなポイントに気を付けましょう。

・飲み忘れした場合
もし1日飲み忘れた場合、その日は服用せずスキップします。そして、次の日からまた服用を始めます。間違っても、1日で2日分の服用はしないようにしましょう。

・ニキビが完全になくなるまで中断しない
イソトレチノインの服用は、ニキビが完全になくなるまで中断してはいけません。さらに言うと、ニキビが完全になくなってからも医師が指示した期間は服用を続けるようにしましょう。医師が指示した期間というのは、再発リスクを考慮して算出された期間だからです。

イソトレチノインを服用する際の注意点

• 必ず医師の指示に従って服用する
• 定期的な採血を受ける
• 保湿ケアを徹底する
• 併用禁止薬に注意する
• 妊娠の可能性がある場合は服用しない

イソトレチノインは、日本国内では未承認の医薬品です。海外では多く使われているものの、用法用量を守らないと重篤な副作用が発現する可能性もあります。そのため、処方・服用は必ず医師の診察を受けてからにしましょう。

イソトレチノインの服用にあたって、採血の重要性は非常に高いです。なぜなら、肝機能異常や血球減少、高脂血症などのリスクが考えられるからです。内服開始から1ヶ月後に初回採血、その後は2ヶ月ごとに採血を行いましょう。とくに用量を増やしたタイミングでは、必ず採血して異常がないか確認します。

イソトレチノインには皮脂腺を抑制する効果がありますので、多くの方が皮膚の乾燥を感じてしまいます。乾燥が続くと肌のバリア機能が弱まり、外的刺激に対して敏感になってしまいます。そのため、保湿剤や保湿クリームなどを使って、しっかりと保湿ケアをしていきましょう。

併用禁忌薬

イソトレチノインには、以下のような併用禁忌薬が指定されています。

・テトラサイクリン系抗生物質
ドキシサイクリンやミノサイクリン、テトラサイクリンといった抗生物質は頭蓋内圧亢進のリスクが高まるとされています。頭蓋内圧亢進になると頭蓋骨内部の圧力が急上昇し、強い頭痛や吐き気、視覚障害といった症状が出てきます。

頭蓋内圧亢進が進行してしまうと、視力障害や脳ヘルニアといった重篤な障害が残る可能性も高いです。最悪なケースだと、生命の維持すら困難になってしまいます。ドキシサイクリン、ミノサイクリンに関しては、ニキビ治療薬に含まれているケースもありますので、必ず確認するようにしましょう。

・ビタミンA
ニキビ治療にとってビタミンAは摂取すべき栄養素ですが、イソトレチノインがビタミンA誘導体のため併用するとビタミンA過剰症になる可能性があります。ビタミンA過剰症になると、頭痛や腹痛、関節症といった健康障害が発現する可能性があるのです。

ここで重要なのが、「ビタミンAが含まれた薬だけでなく、サプリメントなどさまざまな形態で注意する」という点です。市販の医薬品に含まれているか確認するのはもちろんのこと、サプリメントや総合ビタミン剤にも含まれていないか確認する必要があります。

【重要】妊娠中・妊娠計画中での服用は絶対禁忌

イソトレチノインの副作用の中でも、最も深刻かつ許容できないのが胎児への影響です。妊娠中・妊娠計画中の方であれば、いかなる理由があっても服用することは禁止されています。どれだけ短い期間、少ない量であってもです。使用者全員が、「絶対的に理解しておくべき最重要事項」とも言えるでしょう。

【催奇形性】
イソトレチノインは、サリドマイドと並んで非常に強い催奇形性が知られている薬剤の一つです。妊娠中にこの薬に曝露してしまうと、胎児に「胎児性レチノイド症候群」として知られる特異的な複合奇形のリスクが一気に上がってしまうのです。例えば、以下のような重篤な障害が出てしまいます。

上記奇形のリスクだけでなく、早産や自然流産、新生児死亡のリスクも高くなってしまいます。このように、妊娠中や妊娠計画中のイソトレチノイン服用は絶対にやめなくてはいけません。

イソトレチノインに関するよくある質問

最後に、イソトレチノインについてよく挙げられる質問をQ＆A形式で解説していきます。

Q．どのくらいの期間服用すれば効果を実感できる？

標準的な服用期間としては、「4～6ヶ月」とされています。ただし、ニキビの状態によってはそれ以上かかることもありますし、再発のことを考えると＋1～2ヶ月ほど継続することも推奨されています。服用期間を算出するのに重要なのが、「積算量」と呼ばれるものです。

【積算量(累計投与量)】
積算量とは、服用開始～服用終了までに摂取したイソトレチノインの総量のことです。この積算量が適切なレベルだと、再発リスクを下げることができます。一般的には、体重1kgあたり累計120〜150mg程度が一つの目安とされています。

高用量（例：220mg/kg前後）で再発率が下がったとする報告もありますが、最適な量については医師の方針や最新のエビデンスによって判断されます。

【低用量維持療法】
もし効果を実感して症状が落ち着いた場合、治療効果を維持するために用量を減らした「低用量維持療法」を始めることもあります。約半年間継続することもありますので、予算のことも把握しておきましょう。

Q．服用をやめてしまうとまたニキビは再発する？

ニキビ治療でイソトレチノインを使うメリットとして、治療終了後でも長期的なニキビ寛解を期待できる点が挙げられます。ニキビ寛解とは、症状が落ち着いている状態のことです。つまり、長期間ニキビが再発しない落ち着いた状態になることが期待できるのです。

ただし、あくまで再発率を大幅に低下させられるだけであって、絶対に再発しないわけではありません。服用をやめてしまえば、再発する可能性は十分に考えられてしまうのです。だからこそ、再発リスクを下げるためにイソトレチノインの累計投与量を考えなくてはいけません。

【累計投与量と再発の関係(目安)】

累計投与量(mg/kg)	長期的なニキビ寛解率	再発した場合の重症度(傾向)
120～150以上	約80%以上	再発しても軽度になりやすい
100～120未満	約60～80%	再発すると中等度になりやすい
100未満	60%以下	治療前の状態になるケースもあれば、さらに悪化した状態で再発するリスクもある

ただし、これらには個人差が存在します。体質や遺伝の関係もありますし、ホルモンバランスの影響も大きく影響するからです。再発リスクを低下させるためには、日常のスキンケアから食生活、ストレス解消など生活習慣全般の見直しも必要になってくるでしょう。

Q．イソトレチノインは重症ニキビにしか処方してもらえない？

軽度ニキビに対して、イソトレチノインの使用は一般的に推奨されません。しかし、医師の判断によっては処方されるケースもあります。例えば、ニキビの再発率が高い場合や、他の治療薬・治療法では効果が得られなかった場合などです。このような場合は、イソトレチノインを試すことがあります。

ただ、イソトレチノインの強力さを考えると、実際のところ医師の判断は慎重になりがちです。軽症ニキビ、中等度ニキビの場合は、まず他の治療法から始めることを前提に考えておきましょう。イソトレチノインの検討は、それからでも遅くありません。