2025年7月06日

暑い夏が到来しました!熱中症対策にドリンクは必須です!水分補給に必要な、水系飲料、経口補水液(OS-1など)、スポーツドリンク(ポカリ、アクエリアスなど)の正しい選び方や熱中症警戒アラートについて消化器内科専門医が解説します。

【はじめに】
2025年夏は、気象庁の最新予報でも「全国的に平年より高温となる可能性が高い」と発表されています。
猛暑日、熱帯夜も増え、熱中症リスクは例年以上です。
「熱中症予防には水分をしっかり取ってください」とよく言われますが、実は「何を飲むか」がとても大切です。
OS-1、ポカリスエット、アクエリアスなど、どれを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。
今回は**「経口補水液」と「スポーツドリンク」の違いと、正しい使い分け**を、医師の立場で正確にわかりやすく解説します。
【熱中症とは】
熱中症はただの「水不足」ではありません。
・高温・高湿度で体温調節が破綻し体に熱がこもる
・大量の汗で水分と電解質を同時に失う
・血液量が減少し、臓器障害を引き起こす
【症状別の対応】
軽度:めまい、立ちくらみ、筋肉のけいれん
→ 涼しい場所、水分と塩分補給
中等度:頭痛、吐き気、倦怠感
→ 休息、冷却、経口補水液での電解質補給
重度:意識障害、けいれん
→ 迷わず救急要請
【浸透圧って何? どうして大事?】
「浸透圧」とは、飲み物の中の糖分や塩分の濃さを表します。
水分や電解質は主に小腸から吸収されますが、このときの「浸透圧差」が吸収効率を決めます。

【低張飲料(経口補水液)】
・体液より薄め(低浸透圧)に設計
・腸管内から血液側へ水分を効率よく移動
・失った電解質もバランス良く補給
・脱水治療に最適
代表例:OS-1、アクエリアス経口補水液
【高張飲料(スポーツドリンク)】
・体液より濃い(高浸透圧)
・腸管内の水を引き込む方向に働くことも
・大量摂取で「浸透圧性下痢」を起こすリスク
・味を良くするため糖分が多め
・軽い運動時や日常補給用
代表例:ポカリスエット、アクエリアス、アミノバリュー
【水だけでは不十分な理由】
・水はわずかに電解質を含みますが、失った塩分を補うには不十分です。
・水だけの補給で「低ナトリウム血症」を引き起こすリスクも
カテゴリ | 製品名 | ナトリウム濃度 | 浸透圧 | 用途 |
---|---|---|---|---|
経口補水液 | OS-1、アクエリアス経口補水液 | 高(約50 mEq/L) | 低張(約270 mOsm/L) | 軽度〜中等度の脱水治療、熱中症対応 |
スポーツドリンク | ポカリスエット、アクエリアス、アミノバリュー | 中(約18〜21 mEq/L) | 高張(約300〜340 mOsm/L) | 軽い運動や日常の水分・塩分補給 |
水系飲料 | アルカリイオン水、ミネラルウォーター | 電解質ごく少量 | 低張 | 日常の水分補給(電解質補給には不十分) |
【スポーツドリンクと糖分過剰のリスク】
スポーツドリンクは飲みやすさを重視して糖分を多く含んでいます。
軽い運動や日常補給には良いですが、「水代わり」に大量に飲み続けるのは危険です。
特に注意が必要なのが、「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)」。
これは糖分の多い飲料を大量に飲み続けることで血糖値が急上昇し、インスリンが追いつかずケトアシドーシスを引き起こす状態です。
熱中症警戒アラートとは
令和3年4月から、熱中症を予防するための新たな取り組みとして、「熱中症警戒アラート」の運用が全国で始まりました。
このアラートは、熱中症のリスクが非常に高くなると予測される日に、前日の夕方または当日の早朝に、都道府県ごとに発表されます(※北海道・鹿児島・沖縄については府県予報区単位での発表となります)。
熱中症警戒アラートが発表された日は、外出をできるだけ控え、室内ではエアコンを使用するなど、積極的に熱中症予防の対策をとりましょう。

【医師のポイントまとめ】
この夏の季節、熱中症対策は非常に重要です。

・脱水治療 → 経口補水液(OS-1など)
・軽い運動や日常補給 → スポーツドリンク(ポカリ、アクエリアスなど)
・水だけでは十分な電解質補給にならない
・スポドリの飲みすぎは糖分過多、ペットボトル症候群に注意
【特に注意が必要な方】
・高齢者:喉の渇きを感じにくい
・乳幼児:体表面積あたりの水分損失が大きい
・糖尿病・腎疾患:脱水による血糖変動、腎血流低下
・心疾患・高血圧:塩分制限とのバランス相談が必要
厚生労働省 熱中症を防ぎましょう をご参照ください。
【まとめ】
2025年の夏は例年以上の厳しい暑さが予想されています。
「喉が渇く前に飲む」「自分に合った飲み物を選ぶ」「エアコンをためらわず使う」など、正しい予防で熱中症を防ぎましょう。
豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚では、脱水症状の点滴治療、熱中症や夏バテに伴う胃腸トラブルのご相談も承っています。
不安があれば、お気軽にご相談ください。
気象庁 熱中症から身を守るために

監修:東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士