2025年11月25日

血便が出ると「これって大丈夫?」と強い不安を感じるのは自然なことです。
血便には軽い痔が原因のこともありますが、1回だけの出血でも、痛みがなくても、危険な病気が隠れている可能性があります。
結論:血便は放置せず、必ず医療機関を受診してください。
血便の色(鮮血・暗赤色・黒色・ゼリー状)や、伴う症状(腹痛・下痢・発熱・痛みなし)によって、原因や緊急度が大きく変わります。

血便とは?
血便とは、便に血が混じる、または肛門から血が出る状態を指します。
出血の仕方は人によってさまざまで、トイレットペーパーにわずかに血がつく程度のものから、便器の水が真っ赤に染まるほどの出血、便全体に血が混ざるケースまであります。
血便の色や見た目によって、考えられる病気や出血している場所が異なるため、「どんな色の血が、どのように出たか」 を正確に把握することが、正しい診断への第一歩となります。

血便の見た目の違い(鮮血・暗赤色・黒色・ゼリー状)
血便の色や状態には、それぞれ意味があります。
| 見た目・色 | 特徴(やさしい説明) | 出血の場所の目安 |
|---|---|---|
| 明るい赤い血(鮮血) | トイレットペーパーにつきやすい。新しい血の色。 | おしりに近い部分 (肛門〜直腸) |
| 赤黒い色の血 | 少し黒みがある血。便に少し混じることも。 | S状結腸〜横行結腸など “少し奥の腸” |
| 黒い便(タール便) | コールタールのように真っ黒。独特のニオイ。 | 胃や十二指腸など“上のほうの消化管” |
| ゼリー状の赤い粘液 | 透明な粘液に赤い血が混じる状態。 | 腸に炎症があるときに 見られやすい |
“色の違い”は重要ですが、患者さん自身が見た目だけで判断するのはとても難しいため、ここではあくまで「目安」として知っておきましょう。
血便の原因の傾向
血便は、軽い原因で起こることもあれば、注意が必要な病気の場合もあります。
よくある原因としては次のようなものがあります。
| 原因 | どんな血が出る? | 特徴(やさしい説明) |
|---|---|---|
| 痔(いぼ痔・切れ痔) | 明るい赤い血が少量 | 最も多い原因。排便時に出やすい。 |
| 感染症や食あたりによる腸の炎症(急性腸炎) | 赤い血+粘液が混じる | 細菌・ウイルス・食あたりが原因で腸が刺激される。 |
| 腫瘍性の病変(大腸ポリープ・大腸がん) | 少量の血が便に混じることが多い | 痛みが出にくく、初期は「痛みなし血便」や「1回だけの血便」で気づくことがある。 |
| 大腸憩室出血 | 突然の鮮血(明るい赤い血)が多い | 痛みが少なく、急に大量の血が出ることがある。 |
| 虚血性腸炎 | 赤い血が突然出ることが多い | 強い腹痛のあとに血便が出やすい。 |
色だけで全て判断できない理由
血便は、色を見るだけでは病名まで確定できません。
なぜなら、同じ色でも原因がまったく違う場合があるからです。
たとえば、
・鮮血でも、痔だけでなく憩室出血のこともある
・黒色便でも、鉄剤の内服で黒くなることがある
・ゼリー状でも、感染症から慢性の炎症まで幅広い
このため、血便は 「色=病名」ではなく、「色=ヒント」 だと思っておくのが大切です。
血便で受診すべきタイミング
血便は、軽い原因で起こることもありますが、「どんなタイミングで」「どんな出方をしたか」 で危険度が大きく変わります。
中には早めに医療機関を受診したほうがいいケースがあります。
血便が出たときに、まずチェックしてほしいポイントをまとめました。
すぐに受診したほうがよい血便
次のような症状がある場合は、できるだけ早く受診してください。
| 症状 | 理由(やさしい説明) |
|---|---|
| 肛門の痛みも腹痛もないのに、急に血が出た | 痔ではなく、腸の中から出血している可能性がある。 |
| 初めての出血で、大量の鮮血が一気に出た | 憩室出血など、急に多量の出血が起こることがある。 |
| 黒い便(タール便)が続く | 胃や十二指腸で出血しているサインのことがある。 |
| 強い腹痛のあとに血が出た | 虚血性腸炎など、すぐに評価が必要な病気の可能性。 |
| 発熱・下痢が続いている | 感染症で腸が強く炎症を起こしていることがある。 |
医療機関を受診すべきか迷うとき
- 血の量が多いかどうか判断できない
- 色が判断しにくい
- 痛みがないので逆に不安
- 何度も血便を繰り返す
- 一度止まったが、原因が分からず不安
上のうちひとつでも当てはまる場合は、「大したことはないだろう」と決めつけず、早めに医療機関を受診してください。 不安を抱えたまま様子を見るより、早めに受診して原因を確認する方が安心です。
血便の医学的な原因
血便の原因を医学的に整理する場合、出血部位・病態・出血量・伴う症状 などを総合して鑑別します。
血便の病態は大きく 5つのカテゴリー に分類され、それぞれ臨床的特徴が異なります。
① 肛門・直腸疾患
肛門・直腸の領域からの出血は、一般的に「鮮血」「少量」「排便時の出血」が典型的です。
| 疾患 | 出血の特徴 | その他の臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 痔核(内痔核・外痔核) | 鮮血が少量。排便時に出やすい。 | 痛みは少ないことが多い。肛門鏡で確認可能。 |
| 裂肛 | 鮮血が少量。排便時に紙に血がつく。 | 強い肛門痛。便が硬いと悪化しやすい。 |
| 直腸粘膜障害 (NSAIDsなど) |
鮮血。便に血が付きやすい。 | 薬剤によるびらんや潰瘍が原因。内視鏡で診断。 |
| 直腸炎(感染性・放射線性) | 鮮血〜粘血便。 | 腹痛よりも出血が中心。内視鏡で粘膜の炎症を確認。 |

医療コラム:切れ痔(裂肛)?おしりから血がでた原因・治療法を専門医が解説
② 大腸の炎症性疾患
炎症性疾患による血便は、粘血便・腹痛・下痢・発熱を伴うことが多く、罹患範囲や重症度によって出血量が変動します。
| 疾患 | 出血の特徴 | 臨床的ポイント(専門) |
|---|---|---|
| 感染性腸炎 (細菌・ウイルス・寄生虫) |
粘血便、下痢に血が混じる | サルモネラ・カンピロバクター・腸炎ビブリオなど。急性腹痛・発熱を伴う。便培養で診断。 |
| 潰瘍性大腸炎 | 粘血便、持続的な血便 | 直腸炎型〜全大腸炎型。再燃・寛解を繰り返す。内視鏡でびらん・潰瘍を確認。 |
| クローン病 | 下痢に血が混じることがある | 非連続性病変。小腸・大腸の多発病変。痔瘻を伴うこともある。 |
| 抗生物質関連腸炎 | 血便、粘血便 | C. difficile感染に注意。偽膜性腸炎は重症化しやすい。 |
| 放射線腸炎 | 粘血便、鮮血 | 骨盤放射線治療後に発症。慢性期は血管拡張病変による持続出血も。 |
| 薬剤性腸炎 (NSAIDs・抗がん剤など) |
粘血便 | 薬剤によるびらん・潰瘍。中止で改善することが多い。内視鏡で評価。 |
| 免疫関連腸炎 (irAE:ICI関連腸炎) |
粘血便〜血便。下痢が持続。 | 免疫チェックポイント阻害薬 (PD-1/PD-L1・CTLA-4)が原因。内視鏡でびらん〜潰瘍。ステロイドや生物学的製剤が必要。 |
③ 大腸の血管性疾患
血便の原因は、腸のどの部分で、どのような仕組みで出血が起きているかによって大きく異なります。
とくに後半の専門的な評価では、出血の背景にある病態を「構造的な問題によるもの」と「血管に由来するもの」に分けて整理することが重要です。
ここでは、それぞれの特徴を医学的な視点でわかりやすく解説します。
③-1 構造性疾患:大腸憩室出血
| 疾患 | 出血の特徴 | 臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 大腸憩室出血 | 突然の鮮血・多量出血 | 痛みなしが多い。責任血管の露出破綻が原因。自然止血することがあるが再出血率20〜40%。 |
| 疾患 | 出血の特徴 | 臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 虚血性腸炎 | 腹痛のあとに血便 | 左側結腸に多い。高齢・便秘・動脈硬化が背景。 |
| 血管拡張症 | 少量〜中等量の反復性出血 | 高齢者に多い。右側結腸に好発。 |
| 動静脈奇形 | 中等量〜大量出血 | 動脈と静脈が直接つながる血管異常。若年〜高齢まで幅広くみられ、小腸に発生することもある。 |
④ 腫瘍性疾患
腫瘍性疾患では、いわゆる「痛みのない血便」が特徴です。出血は少量のことも多く、便に薄く血が混じる程度でも、慢性的に続いて貧血に気づいて受診するケースがあります。
| 疾患 | 出血の特徴 | 臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 大腸ポリープ (腺腫) |
便にうすく血が混じる | 痛みはほとんどない。サイズ・形状によっては出血源となる。内視鏡切除で治療。 |
| 大腸がん (早期〜進行) |
少量〜持続的な血便 | 慢性経過で貧血が進行。排便習慣の変化や体重減少を伴うことも。便潜血陽性で精査が必要。 |
| 若年性ポリープ | 鮮血〜少量の出血 | 若年者に発生。単発が多いが出血しやすい。内視鏡で診断・切除可能。 |
⑤ 上部消化管疾患
胃や十二指腸などの上部消化管で出血が起こると、血液が消化管を通過する過程で黒く変色し、いわゆる黒色便(タール便)となります。大量出血では赤色便として下部消化管にも到達することがあるため、緊急の評価が必要な領域です。
| 疾患 | 出血の特徴 | 臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 胃潰瘍 | 黒色便、貧血 | 胃酸により血液が変色。吐血を伴うこともある。NSAIDs使用・ピロリ感染が背景因子。 |
| 十二指腸潰瘍 | 黒色便が主体 | 上部消化管出血で最も多い。空腹時痛の既往がある場合も。 |
| Mallory–Weiss(マロリー・ワイス)症候群 | 吐血・黒色便 | 嘔吐やむりな胃内圧上昇で裂創ができる。アルコール多飲後に多い。 |
| 食道静脈瘤破裂 | 大量吐血・黒色便 | 肝硬変に伴う門脈圧亢進が原因。緊急処置が必要。 |
| NSAIDs潰瘍 | 黒色便、貧血 | NSAIDs・アスピリン・抗血小板薬の使用歴に注意。無症状に進行することも。 |
医療コラム:お酒を飲んだ後に吐血…マロリーワイス症候群の症状と治療法
血便の色から推測できる出血部位
血便の色によって、体のどこから出血しているかをある程度推測できます。
鮮血・暗赤色・黒色便など、色の違いはそれぞれ異なる出血部位や病気を示しているため、診断の重要な手がかりになります。
以下では、血便の色ごとに考えられる出血場所と注意すべきポイントを整理しています。

| 血の色 | 想定される出血部位 | 臨床的ポイント |
|---|---|---|
| 鮮血 (明るい赤) |
肛門・直腸・S状結腸 | 痔核・裂肛、直腸炎、ポリープ、憩室出血。痛みの有無で鑑別。 |
| 暗赤色〜赤黒い血 | 横行結腸〜上行結腸 | 炎症性腸疾患・虚血性腸炎・右側ポリープ・血管拡張症など。 |
| 黒色便 (タール便) |
胃・十二指腸・食道 | 上部消化管出血。大量出血では赤色便になることもある。 |
| ゼリー状の 赤い粘液 |
大腸全域(炎症) | 感染性腸炎・潰瘍性大腸炎・薬剤性腸炎を考える。 |
症状から分かる血便の原因
血便は見た目が同じでも、一緒に現れる症状によって原因が大きく異なります。
特に「痛みがあるか」「下痢を伴うか」「吐き気や嘔吐があるか」は、病気を見分ける重要な手がかりです。
以下では、症状のパターン別に考えられる主な病気を整理しています。
| 症状パターン | 考える疾患 | 臨床ポイント |
|---|---|---|
| 痛みなし血便 | 憩室出血・大腸ポリープ・大腸がん | 突然の大量出血は憩室、持続的な血便なら腫瘍性疾患に注意。 |
| 腹痛 → 血便 | 虚血性腸炎・感染性腸炎 | 「痛みの後に血」の順序が重要。高齢者では虚血性腸炎を疑う。 |
| 下痢 + 血便 | 感染性腸炎・潰瘍性大腸炎・抗生物質関連腸炎 | 粘血便や発熱の有無で鑑別を行う。 |
| 嘔吐 + 黒色便 | Mallory-Weiss症候群・胃潰瘍 | 上部消化管出血の典型。大量出血では緊急対応が必要。 |
血便の原因を特定するための検査方法|何科でどんな検査を受ける?
血便の原因を正確に診断するには、症状の観察だけでは不十分です。
出血部位の特定と病態の重症度評価には、エビデンスに基づいた段階的な検査アプローチが必要となります。医療機関では「出血源の局在診断」「病変の質的評価」「緊急性の判断」を目的とした系統的な検査プロトコルを実施します。
本項では、血便診療における標準的な検査手順と各検査の臨床的意義、診断精度について、消化器病学の観点から詳しく解説します。
血便の評価で行う主な検査
| 検査 | 役割 | 専門的ポイント |
|---|---|---|
| 問診・診察 | 出血状況の把握 | 血便の色・量・回数、痛みの有無、基礎疾患、内服(特に抗血栓薬)の確認が重要。 |
| 血液検査 | 貧血・炎症の評価 | Hb、白血球、CRP。急性期出血ではHbが正常のこともあり、判断には経過観察が必要。 |
| 便検査 (便培養・便PCR) |
感染症の鑑別 | サルモネラ、カンピロバクター、C. difficile の迅速診断に有用。粘血便・発熱時に行う。 |
| 造影CT | 出血源の推定 | 憩室出血・虚血性腸炎に特に有用。活動性出血ではextravasation(造影剤漏出像)を捉えられる。 |
| 大腸内視鏡 (大腸カメラ) |
診断と治療 | 出血点を直接確認。ポリープ切除、クリップ止血、憩室出血治療が可能。最も重要な検査。 |
| 上部内視鏡 (胃カメラ) |
黒色便の評価 | 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・MW症候群・静脈瘤の診断と止血を行う。黒色便の標準検査。 |
大腸内視鏡検査が重要な理由
| 役割 | ポイント |
|---|---|
| ① 原因を直接確認 | 憩室、ポリープ、腫瘍、炎症、血管性病変など、血便の主要な原因を直接観察し、病変の性状を正確に判断できる。 |
| ② 出血部位の特定 | わずかな出血点でも発見可能。便の色だけでは分からない“奥の腸からの出血”も正確に評価できる。 |
| ③ 診断と治療が同時にできる | ポリープ切除、クリップ止血、憩室出血の処置など、診断と治療を同じ検査で完結できる。 |
| ④ 大腸がんの早期発見に直結 | 痛みのない血便の背景に腫瘍性病変が隠れていることがある。早期発見・早期治療が可能。 |
| ⑤ 再出血の予防につながる | 炎症性病変やポリープを適切に処置することで再出血を防ぎ、長期的なリスク管理にも役立つ。 |


血便の主な原因別の治療方法|病気ごとの対処法を専門医が解説
血便の治療は、原因となる病気によって大きく異なります。
腸の炎症、憩室出血、腫瘍性病変、感染症、肛門疾患など、背景は多岐にわたるため、まず「何が原因で血が出ているのか」を正確に判断することが最も重要です。
ここでは、血便の原因になる代表的な病気ごとに、治療のポイントを専門的に整理して解説します。
痔・裂肛など肛門の病気による血便の治療
肛門周囲の疾患は血便の中でも頻度が高く、多くは軽症ですが再発しやすい領域です。
| 疾患 | 治療 |
|---|---|
| 痔核(内痔核・外痔核) | 坐薬・軟膏、温浴、排便改善。反復する出血には硬化療法やゴム輪結紮術を行う。 |
| 裂肛(切れ痔) | 軟膏(血流改善薬)、便を柔らかくする治療。慢性化した場合は手術(内括約筋側方切開)。 |
| 直腸炎・直腸粘膜障害 | 原因薬剤の中止、抗炎症治療、感染が原因の場合は抗菌薬。 |
突然の鮮血・腹痛を起こす病気の治療(憩室出血・虚血性腸炎など)
突然の鮮血や腹痛を伴う血便は、比較的緊急度が高い場合があります。
| 疾患 | 治療 |
|---|---|
| 大腸憩室出血 | 自然止血が多いが再出血率20〜40%。大腸内視鏡でクリップ止血やバンド止血を行う。 |
| 虚血性腸炎 | 安静・補液・食事制限。通常は数日〜1週間で改善。重症例は入院管理。 |
| 血管拡張症 | 内視鏡的凝固治療(APC)。高齢者に多く、再出血例は複数回治療が必要。 |
下痢・粘血便を伴う血便の治療(炎症性腸疾患・感染性腸炎)
腹痛・下痢・発熱を伴う血便は、炎症性疾患の可能性があります。
| 疾患 | 治療 |
|---|---|
| 潰瘍性大腸炎 (UC) |
5-ASA、ステロイド、免疫調整剤、生物学的製剤。再燃を繰り返すため長期治療が必要。 |
| クローン病 | ステロイド、生物学的製剤、免疫調整薬。狭窄・瘻孔形成時は手術を検討。 |
| 感染性腸炎 | 補液・整腸薬。細菌性では抗菌薬。C. difficileの治療(バンコマイシン/フィダキソマイシン)。 |
| 薬剤性腸炎 (irAE含む) |
原因薬剤の中止。必要に応じてステロイド。ICI関連腸炎では専門的管理が必要。 |
痛みのない血便に潜む腫瘍性疾患の治療(大腸ポリープ・大腸がん)
痛みがない血便は、腫瘍性病変の初期症状であることがあります。
| 疾患 | 治療 |
|---|---|
| 大腸ポリープ (腺腫) |
ポリペクトミー・EMRなど内視鏡的切除。出血の原因になるため切除が基本。 |
| 大腸がん | 早期は内視鏡下切除。進行例は手術・抗がん剤・放射線治療など病期に応じて選択。 |
血便に関するよくある質問(FAQ)
血便に関するよくある質問
まず落ち着いて、血の色・量・出たタイミングを確認してください。鮮血か暗赤色かによって原因や危険度が変わるため、初回であっても医療機関での評価をおすすめします。
痔が最も多い原因ですが、憩室出血・直腸炎・大腸ポリープなどの可能性もあります。痛みがない鮮血は腫瘍性病変の可能性もあるため、自己判断せず診察を受けてください。
「痛みがない血便」は、腫瘍性疾患や憩室出血でよくみられます。危険度を評価するには、大腸内視鏡検査が最も有効です。
一時的に止まることはありますが、原因となっている病気が残っていれば再び出血します。特に憩室出血は自然止血することが多い一方で、再出血率は20〜40%あります。
胃や十二指腸など上部消化管からの出血が疑われ、潰瘍・マロリーワイス症候群・静脈瘤などが原因となります。黒色便は緊急度が高いため、早めの受診が必要です。
感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、薬剤性腸炎などが代表的です。粘血便・発熱・腹痛がある場合は炎症性疾患の可能性が高く、検査が必要です。
消化器内科または肛門科を受診してください。鮮血・痛みなし・黒色便の場合は消化管全体の評価が必要なので、内視鏡検査ができる医療機関が適しています。
血便が出たら早めに受けることをおすすめします。鮮血・暗赤色・粘血便・痛みのない血便など、原因の鑑別が難しい場合、最も確実な検査となります。
はい。1回だけでも「多量・鮮血・痛みなし」の場合は、危険な病気が隠れていることがあります。安全のため受診をおすすめします。
一時的な腸炎や刺激性下痢で軽い出血が起こることはありますが、重大な病気との区別がつかないため、医療機関での診断が必要です。
まとめ|血便が出たときに最も大切なこと
血便は、痔のような軽い病気から、憩室出血・炎症性腸疾患・大腸ポリープ・大腸がん、さらには胃や十二指腸の潰瘍まで、幅広い病気が原因となります。
色(鮮血・暗赤色・黒色便)、量、痛みの有無、下痢や発熱の有無などで大まかな推測はできますが、症状だけで「安全かどうか」を判断することはできません。
血便を正確に診断するためには、大腸内視鏡検査が最も信頼性の高い方法です。出血源の確認だけでなく、ポリープ切除や止血処置など、その場で治療できる点も大きな利点です。
血便が出て一度落ち着いたとしても、原因が残っていれば再発する可能性があるため、早めの医療機関受診をおすすめします。
「1回だけだから大丈夫」「痔だと思うから様子を見る」という自己判断は、重大な病気の発見を遅らせることにつながります。
血便が出たら、痛みの有無にかかわらず、消化器内科・肛門科での評価を受けることが、安全で確実な第一歩です。
不安なときこそ、専門医に相談してください。早めの対応が、重症化の予防や早期発見につながります。
血便が気になる方へ|当院でできること
血便は、痔などの軽い病気だけでなく、憩室出血、腸の炎症、大腸ポリープ、大腸がん、さらには上部消化管からの出血が原因となることもあります。
色や量だけで判断するのは難しいため、早めに医療機関を受診して、専門的な検査を受けることをおすすめします。
当院(おなかとおしりのクリニック 東京大塚)では、血便の原因を正確に調べ、必要に応じてその場で治療まで行える体制を整えています。
- 大腸内視鏡検査:出血源の特定、ポリープ切除、止血処置が可能
- 肛門科診察:痔核・裂肛・直腸粘膜障害などを精密に評価
- 胃内視鏡検査:黒色便(タール便)の原因となる上部消化管出血の確認
- 血液検査・便検査:貧血・炎症・感染の評価
「痔だと思うから様子を見る」「一度止まったから大丈夫」という自己判断が、病気の発見遅れにつながるケースもあります。
血便は1回でも、痛みがなくても、少量でも、早めの相談が安心です。
院長プロフィール
院長:端山 軍(はやま たむろ)
消化器外科・内視鏡診療に長年従事し、大腸内視鏡検査や肛門疾患の診療に精通しています。
大学病院・基幹病院での内視鏡治療・手術経験を活かし、「丁寧で、患者さんに寄り添う医療」を大切にしています。
外部医療メディアで紹介されています
当院は外部医療メディアからも取材・紹介を受けており、専門的な内容をわかりやすく発信しています。
信頼できる医療情報と安全な内視鏡診療の提供に努めています。
血便で不安を感じている方、検査が必要か迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
専門医による丁寧な診察と内視鏡検査で、安心につながる医療を提供いたします。


監修:東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病学会認定 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・指導医
日本大腸肛門病学会認定 大腸肛門病専門医・指導医・評議員
日本外科学会認定 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医・指導医
日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医
日本消化器外科学会認定 消化器がん外科治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士 など
院長プロフィール