大腸内視鏡検査後に起こりやすい症状と注意点を医師がわかりやすく解説|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

〒170-0005東京都豊島区南大塚3-34-7 大塚carna2階

03-6912-5995

WEB予約
受付(下層メインビジュアル - PC)

大腸内視鏡検査後に起こりやすい症状と注意点を医師がわかりやすく解説

大腸内視鏡検査後に起こりやすい症状と注意点を医師がわかりやすく解説|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

2025年11月23日

大腸内視鏡検査後に起こりやすい症状と注意点を医師がわかりやすく解説

大腸内視鏡検査は大腸がんやポリープの早期発見に欠かせない検査ですが、
「下痢が続く」「お腹が痛い」「少し出血した」など不安を感じる方は多くいます。

ほとんどの症状は一時的で自然に改善するものですが、
中には早めの受診が必要となるケースもあります。

本記事では、日常的に検査をおこなう医師が
検査後に起こりやすい症状・対処法・受診すべきサインをわかりやすく解説します。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の大腸内視鏡検査を行う写真。

大腸内視鏡検査後に出やすい症状

大腸内視鏡検査のあと、多くの方が「お腹が張る」「下痢が続く」「少し痛む」といった体調の変化を感じます。
これらの症状のほとんどは、検査で使う炭酸ガス(CO₂)や空気、前処置薬の影響で腸の環境が一時的に変化することが原因で、自然におさまっていくものです。

ただし、症状の種類や続く時間によっては、医療機関に相談した方がよいケースもあります。
ここでは、検査後に出やすい症状を医師の視点でわかりやすく解説します。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりにクリニック 東京大塚の腹痛を訴える写真

下痢が続く(最も多い症状)

大腸内視鏡検査のあとに「下痢が続く」「水っぽい便が出る」という相談はとても多いものです。
検査によって腸が傷むわけではなく、多くの場合は前処置薬(腸管洗浄剤)と検査中の腸の動きの変化が理由で起こる、一時的な反応です。

なぜ下痢が起こるのか(医学的に正確な理由)

大腸内視鏡後の下痢は、次の要因が重なることで起こります:

1. 腸内が完全に空っぽの状態になっている

前処置薬で腸内容物をすべて出し切るため、
腸蠕動のリズム(腸が動く周期)が一時的に乱れやすくなります。

2. 腸内細菌バランスが一時的に変化する

腸内の菌が”リセット”された状態に近いため、
翌日までは便が緩くなりやすいのが自然です。

3. 検査中の空気(当院はCO₂)の排出時に蠕動が活発になる

腸に入ったガスを押し出そうとする動きで、便意が誘発されることもあります。

いつまで続く?

一般的な経過としては:

当日〜翌日:もっとも多い
翌日夕方〜48時間以内:自然に落ち着く範囲
それ以上続く場合は「別の原因」も考える必要があります。

※ なお、ポリープ切除を行った場合は、出血や下痢に対する判断基準が通常の検査と異なります。 切除を伴う場合の注意点は、後ほど専用の項目で詳しく解説します。

こんなときは様子を見てOK
食べると少しお腹がゴロゴロする
水様便が2〜3回出る
翌日までに少しずつ改善してきている

これらは正常な回復過程です。

腹痛(軽い痛みは自然な反応)

大腸内視鏡検査のあとに「お腹が少し痛む」「重たい感じがする」という症状はとてもよく見られます。
これは 検査による一時的な腸の伸展や、腸内に入れたガス(主にCO₂)や空気が抜ける過程で起こる“自然な反応” です。

なぜ腹痛が起こるのか

腹痛の原因はいくつかあります。

1. 腸が伸ばされたときの違和感

内視鏡を進めるとき、大腸の曲がり角で腸が少し伸ばされることがあります。
この刺激が、検査後に鈍い痛みとして残ることがあります。

2. CO₂ガスが体内で吸収されるまでの圧力変化

当院のようにCO₂送気を使う場合は、ガスは腸壁からすぐに吸収されますが、
吸収されるまでの数時間は軽い張りや痛みを感じることがあります。

3. 腸が動き始める”回復期の蠕動痛”

洗浄で空になった腸が動き始めるタイミングで、
キューッとした痛みや違和感が起きることがあります。

このような”軽い痛み”なら様子を見てOK
チクチク・重たい感じの軽度の痛み
体勢を変えると少し楽になる
数時間〜翌日にかけて改善していく
ガスが出ると楽になる

これらはほとんどの方に起こる自然な腹部症状で心配ありません。

院長からの一言(患者さんの安心につながる部分)

大腸内視鏡後の軽い腹痛はほとんどの方に起こる自然な反応です。
しかし、痛みの強さ・持続時間・一緒に出ている症状で評価が変わります。
不安があれば、我慢せずお電話いただければ大丈夫です。

お腹が張る(主に空気による膨満感)

大腸内視鏡検査のあとに「お腹がパンパンに張る」「ガスが溜まって苦しい」と感じる方はとても多いです。
これは 検査中に腸を膨らませるために入れたガス(CO₂)または空気が残っていること が主な原因です。

なぜお腹が張るのか

検査では、大腸のひだの奥までしっかり観察するため、腸にガスを入れて広げる必要があります。
ガスが腸の中に残っている間は、お腹の張りやゴロゴロした違和感が出ることがあります。

ただし、近年多くの施設はCO₂(炭酸ガス送気)を導入しており、
CO₂は腸壁からすぐ吸収されて肺から排出されるため、
空気よりも圧倒的に張りが少なく、回復が早いという特徴があります。

張りはどれくらい続く?
CO₂送気の場合:数時間〜半日ほどで自然に軽くなる
空気送気の場合:半日〜翌日まで張りが続くことがある
張りを和らげるためにできること
ぬるめの飲み物をゆっくり飲む
軽い散歩で腸の動きを促す
横向きで膝を軽く抱える姿勢をとる(ガスが抜けやすい)
院長からの一言

「大腸内視鏡が”空気”で送気されるか、”炭酸ガス(CO₂)”で送気されるかは、
検査後のお腹の張りに大きく関係します。
CO₂は体内での吸収がとても早いため、空気と比べて張り感が圧倒的に少なく、回復も早くなります。
気になる場合は、検査を受ける前に”炭酸ガスで行っていますか?”と確認してみてください。」

便が出ない/便が細い

大腸内視鏡検査後は、
「翌日になっても便が出ない」
「細い便が出て心配」
という相談をいただくことがあります。
どちらも 検査後に一時的に起こりやすい変化 で、多くは心配のいらないものです。

便が細い理由

検査後は、腸の内側(粘膜)が軽く刺激を受けているため、
腸が一時的に「むくんだ状態」に近くなります。

鉛筆のように細い
ふにゃっとした柔らかい形
少し形が崩れる

腸のむくみが落ち着くまでの数日間だけに見られる変化です。

様子を見てよい目安
数日以内に普通の形に戻ってくる
ガスはしっかり出る
食事が普通にとれる
便意が戻ってくる

これらがあれば正常な回復の範囲です。

院長からの一言

「検査後の”便が出ない””便が細い”は、腸が洗浄から回復していく過程で多くの方に見られます。
強い痛みや発熱を伴う場合、数週間改善しない場合は気になるときは遠慮なくご相談ください。」

検査後の血便(生検後は少量なら正常)

大腸内視鏡検査のあとに、
「ティッシュに少し血がついた」
「薄いピンク色の便が出た」
という相談はよくあります。

特に 生検(組織を少し採取する処置) を行った場合、
翌日〜数日以内に 少量の出血がみられることは珍しくありません。

少量の血は”正常範囲”

以下のような場合は、検査後に起きうる軽度の出血で、自然におさまります。

ティッシュにつく程度の少量の血
便に細い線のように血が混じる
1〜2回で止まる
ピンク〜鮮紅色の少量の血

生検によって粘膜の表面がわずかに傷つくことが原因です。
痔がある人や便が硬い人は、少し血が見られやすくなります。

ポリープ切除(EMR/ポリペクトミー)後は別基準

生検とは異なり、ポリープ切除後は遅発性出血のリスクが数日〜1週間後に起こることがあります。
この場合は、生検よりも慎重に経過を見る必要があり、
「いつ受診すべきか」は後ほど専用の項目で詳しく説明します。

院長コメント

「検査後の少量の血は、多くの方に見られる”生検後の自然な変化”です。
量が多い、続いている、体調が悪いといった場合には、遠慮なくご相談ください。」

受診すべき危険サイン

大腸内視鏡検査後の多くの症状は自然におさまる範囲ですが、
中には「通常の経過とは違う」兆候が出ることがあります。
次のような症状がある場合は、自己判断をせず、早めの受診をおすすめします。

こういう場合は必ず相談してください
強い腹痛、動けないほどの痛み

“張る・重たい”ではなく、刺すような痛み、我慢できない痛みがある場合は要注意です。

発熱(37.5℃以上)が続く

軽い張りや痛みで熱が出ることは通常ありません。
発熱は炎症・感染のサインの可能性があります。

大量の出血

以下はすぐ受診すべき症状です:

トイレの水が真っ赤になる
血の量が増えてくる
何度も血便が出る
貧血症状(めまい・ふらつき)がある
お腹がどんどん膨らんでくる

通常の張りとは異なり、時間とともに悪化する張りは危険信号です。

吐き気・嘔吐を伴う

腸の動きが大きく乱れている可能性があります。

院長コメント

「検査後は “心配なく過ごせる症状” がほとんどですが、
痛みが強い、出血が多い、熱が出るなどの変化があれば、
無理をせずすぐご相談ください。
検査後のフォローも含めて、安心して過ごせるようサポートします。」

大腸内視鏡検査後の食事

大腸内視鏡検査後によくある質問が「何を食べてもいい?」「いつから普通食に戻れる?」という点です。

結論からいうと、ポリープ切除(ポリペクトミー)や生検をしていない場合は、当日から通常の食事で問題ありません。
ただし、前処置薬の影響で腸が敏感になっているため、油っこい料理・辛いもの・アルコールなど刺激物は避けると安心です。

一方、ポリープ切除や生検をおこなった方は、出血予防のため食事制限が必要です。
具体的な注意点はこのあと解説する「ポリープ切除後の食事」の項目でまとめています。

日本大腸肛門病学会:大腸腫瘍の内視鏡治療

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の水を飲む女性の写真

検査当日に食べてよいもの

検査後の腸は前処置薬の影響で空っぽになっており、とてもデリケートです。
食事制限はありませんが、当日は消化にやさしい食事から少量ずつ始めるのが安心です。急に量を食べると腹部の張りや下痢の原因になります。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の大腸内視鏡検査後の食事の写真
食べてよい “おすすめの食事”
食品 ポイント
うどん・そうめん 温かいうどんは特におすすめ。油を使わず、胃腸に優しい
白米(おかゆ・軟飯) 消化しやすく、腸に刺激を与えない
白身魚 タラ・カレイなど。脂質が少なく、タンパク質がとれる
卵料理 茶碗蒸し・卵スープなど。柔らかく負担が少ない
絹ごし豆腐 消化が良く、腸への刺激がほとんどない
スープ・味噌汁 温かい汁物は腸の動きを整える(具は少なめ)
少量ならOK
食パン(バターは薄く) / プレーンヨーグルト / プリン・ゼリー(果肉なし)
食べるときのポイント
最初の食事は少量から
よく噛んでゆっくり食べる
冷たい飲み物より温かい飲み物の方が腸にやさしい
院長コメント

「検査当日は腸がまだデリケートなので、”柔らかくて消化の良い食事”が安心です。
大腸ポリープ切除や生検がなければ大きな食事制限はありませんので、体調を見ながら無理なく召し上がってください。」

検査当日に避けたい食品

検査当日は「絶対にダメ」という強い制限はありませんが、腸がまだ完全に回復していないため、刺激の強い食品や脂質の多い料理 はお腹の張りや下痢を起こしやすくなります。翌日の体調に影響することもあるため、当日は控えておくと安心です。

避けたい食品(当日は控えたほうがよいもの)
食品 理由
脂っこい料理 揚げ物・ラーメン・焼肉など。張りや腹痛の原因に
香辛料・刺激物 カレー・キムチなど。下痢が悪化しやすい
食物繊維が多い 玄米・サラダ・きのこ・根菜など。消化に負担
アルコール 腹痛・下痢・出血リスクに影響
炭酸飲料 ガスが溜まり、張りが増す
院長コメント

「検査当日は腸がまだデリケートな状態です。刺激が強いものや脂っこい食事はお腹の張りや痛みにつながりやすいため、翌日の体調を考えて控えていただくと安心です。」

翌日以降の食事の取り方(普通食への移行)

大腸内視鏡検査の翌日には、腸の動きが少しずつ普段の状態に戻っていきます。
ポリープ切除や生検をおこなっていなければ、翌日からは 基本的に通常の食事に戻して構いません。
ただし、腸が完全に落ち着くまでには個人差があるため、段階的に戻していくと安心です。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の大腸内視鏡検査後の過ごし方の写真
翌日の食事ポイント
急に重いものを食べない
温かい飲み物を選ぶ
食事量はいつもの7〜8割程度
翌日からOKな食事
白米・うどん・パスタ / 蒸し魚・焼き魚 / 鶏ムネ・ササミ / 柔らかい野菜(スープ・煮込み) / 卵料理
通常食に戻せるタイミング
多くの方は翌日〜2日後でOK
便が安定していない間は、油ものや繊維の多い食品は控えめに。
こんな場合はゆっくり戻す
腹痛・張りが残る / 下痢が続く / もともと胃腸が弱い / 炎症性腸疾患がある
院長コメント

「翌日以降は、体調を見ながら少しずつ普段の食事に戻していけば大丈夫です。
不安があれば、気軽にご相談ください。」

検査後に注意したい食品(ラーメン・カレー・揚げ物・アルコールなど)

大腸内視鏡検査後は、腸が前処置薬でリセットされた状態となり、
一時的に 脂質・香辛料・刺激物・発酵食品に敏感 になります。
そのため、これらの食品を「いつから食べていいのか」はよく質問されるポイントです。

ここでは、代表的な食品をまとめてわかりやすく説明します。

食品別の再開目安
食品 再開目安 ポイント
ラーメン 翌日〜 あっさり系は翌日OK。家系・背脂系は2日後
カレー・辛い料理 翌日〜2日後 スパイスは刺激が強い。油も多く下痢の原因に
揚げ物(軽め) 翌日〜 コロッケ・軽い天ぷらなど
揚げ物(重め) 2日後〜 唐揚げ・とんかつ・エビフライなど
アルコール 翌日〜 当日NG。翌日は少量から(ポリープ切除後は別)
コーヒー 翌日〜 胃腸が弱い人は少量から
納豆・ヨーグルト 翌日〜 少量から。張りやすい人は様子を見て
院長コメント

「検査当日は腸が非常にデリケートな状態なので、脂質や刺激の強い食品は避けたほうが安心です。
翌日以降は体調を見ながらゆっくり通常食に戻していけば大丈夫です。」

大腸ポリープ切除後の注意点

大腸ポリープを切除(ポリペクトミー)した場合は、検査当日・翌日以降で守っていただきたい注意点がいくつかあります。ポリープを取った部位は一時的に弱くなっており、強い刺激や負担がかかると出血につながることがあるため、数日間は慎重に過ごすことが大切です。また、切除したポリープの大きさや形(広基性/有茎性)、焼灼をしたかどうかによって注意点が変わることがあるため、基本的にはポリープ切除を行ったクリニックから受けた説明を最優先してください。

当日の過ごし方

ポリープ切除後の当日は、以下の点に注意して静かに過ごしてください。

✔ 激しい動作は控える

階段の昇降、重い荷物を持つ、長時間の外出は控えましょう。

✔ 入浴はシャワー程度

湯船につかると血行が良くなり、出血リスクが上がります。
当日はシャワーだけにしておくのが安全です。

✔ 車・自転車の運転はNG(鎮静剤を使った場合)

鎮静剤の影響が残っている可能性があるため、当日は運転を控えてください。

食事の注意点

✔ 当日は消化にやさしい食事

ポリープ切除がある場合は、
“検査当日は消化の良い食事(おかゆ・うどん・白身魚など)に限定”してください。

✔ 脂っこい料理・刺激物・繊維の多い食材はNG

揚げ物、ラーメン、カレー、辛い料理、海藻・きのこ・根菜類は
切除部位に負担をかけやすく、避けるのが安全です。

✔ アルコールは厳禁

最も出血リスクを高める要因のひとつです。
最低2〜3日は控えてください

翌日〜数日の過ごし方

✔ 軽い家事・仕事はOK

立ち仕事や軽いデスクワークであれば問題ありません。
ただし無理は避けてください。

✔ 運動は3〜5日控える

ジョギング/筋トレ/ゴルフ/テニスなど腹圧のかかる運動は
3〜5日ほど控えると安心です。

✔ 入浴は翌日から

翌日以降は湯船もOKですが、長湯は避けてください。

よくある質問

多くの方は、検査当日〜翌日(48時間以内)にかけて一時的な下痢・軟便が出ます。これは前処置薬と腸内環境の変化によるもので、少しずつ回復してくれば心配はいりません。

ただし、3日以上下痢が続く/強い腹痛や発熱がある/血が混じる/めまい・ふらつきがある場合は、通常の経過を超えていますので、早めの受診をおすすめします。

検査後に「チクチクする」「重たい感じがする」といった軽い腹痛は、腸が伸ばされたことやガスが抜けていく過程で起こる自然な反応で、多くは当日〜翌日までに改善します。

一方、我慢できないほど強い痛み/お腹がカチカチに硬い/時間とともにどんどん悪化する/発熱を伴う場合は、腸の穿孔や強い炎症が疑われるため、すぐに医療機関へ連絡してください。

炭酸ガス(CO₂)で送気している場合は、数時間〜半日ほどで張りは軽くなることがほとんどです。空気を使う施設では、半日〜翌日まで張りが残る場合もあります。

時間とともに軽くなっていけば問題ありませんが、張りがどんどん強くなる/立てないほど苦しい/発熱・吐き気を伴うときは通常と異なりますので、早めに受診してください。

検査後は腸が「むくんだ状態」になりやすく、1〜3日のあいだは便が細くなったり、便の回数が一時的に減ったりすることがあります。ガスが出ていて、少しずつ便意が戻ってくれば自然な回復過程です。

しかし、3〜4日以上まったく便が出ない/強い腹痛や吐き気・発熱がある/細い便や血便が1〜2週間以上続く場合は、別の病気が隠れている可能性もあるため、必ず受診してください。

生検(組織を少し採取する処置)を行った場合、ティッシュにつく程度の血/便に細い線のように混じる血が1〜2回だけ出るといった軽い出血は、よくある変化で自然に止まることが多いです。

一方、便器の水が真っ赤になる/出血量が増えてくる/何度も血便が出る/めまい・冷や汗・動悸がある場合は、消化管出血が強い可能性があるため、すぐに医療機関へ連絡してください。

張りや軽い腹痛は多くが当日〜翌日まで、下痢・軟便や便が出にくい感じは2〜3日以内に落ち着く方がほとんどです。少量の血(生検のみ)は1〜2日で治まることが多いです。

経過とともに症状が軽くなっていれば、自然な回復の範囲と考えられます。48〜72時間以上強い症状が続く/徐々に悪化するときは、検査施設やお近くの医療機関にご相談ください。

ポリープ切除や生検がなければ、原則として検査当日から通常の食事が可能ですが、前処置後の腸はデリケートなため、まずはうどん・おかゆ・白身魚・卵料理・豆腐・具少なめのスープなど、消化の良いものを少量から始めると安心です。

検査当日は、揚げ物・こってりラーメン・カレー・辛い料理・食物繊維の多い食品(玄米・サラダ・海藻・きのこなど)・アルコール・炭酸飲料は、お腹の張りや下痢を強めるので避けてください。

ポリープ切除や生検がない通常の検査のみの場合、あっさり系ラーメンは翌日から少量であれば問題ないことが多いです。脂の多い家系ラーメンや背脂たっぷりのタイプ、カレー、唐揚げ・とんかつなどのしっかりした揚げ物は、翌日〜2日後に体調を見ながら再開すると安心です。

ポリープ切除を行った場合は、出血リスクを避けるため医師から指示された期間はこってりした料理・揚げ物・カレーを控える必要があります。必ず検査を受けた施設の説明に従ってください。

ポリープ切除のない通常検査であれば、アルコールは翌日から少量にとどめていただくと安全です。検査当日の飲酒は、脱水や出血リスクを高めるため避けてください。

コーヒーなどカフェイン飲料は、翌日から1杯程度であれば問題ないことが多いですが、もともと下痢しやすい方やお腹が弱い方は、少量から様子を見てください。ポリープ切除後は、指示された禁酒期間を必ず守ることが大切です。

納豆やヨーグルトなどの発酵食品は、腸に良い面もありますが、前処置直後は腸内細菌が一時的に乱れているため、翌日から少量ずつ再開するのがおすすめです。

特に、過敏性腸症候群(IBS)やガスが溜まりやすい体質の方は、人によって張りやすくなることがありますので、様子を見ながら量を調整してください。

仕事・家事:デスクワークや軽い家事であれば、通常は翌日から問題ないことが多いです。長時間の立ち仕事や重い荷物を持つ作業は、体調を見ながら無理のない範囲にしてください。

運動:ポリープ切除がなければ、軽い散歩程度は翌日から、ジョギングや筋トレなど腹圧のかかる運動は数日様子を見てからにすると安心です。ポリープ切除がある場合は3〜5日程度は激しい運動を控えるのが一般的です。

入浴:通常検査のみの場合、当日はシャワー、翌日から湯船OKが目安です。ポリープ切除がある場合は当日はシャワーのみ、翌日以降に短時間の入浴とし、指示に従ってください。

ポリープ切除後は、切除した部分が一時的に弱くなっており、強い腹圧やアルコール・脂っこい料理などで遅発性出血を起こすことがあります。そのため、数日間は重い荷物を持つ作業や激しい運動、飲酒、こってりした食事を控える必要があります。

ただし、ポリープの大きさ・形(有茎性/広基性)・焼灼の有無によって、制限期間は変わります。必ず検査を受けたクリニックで説明された内容(注意事項の用紙など)を最優先し、不明点があれば遠慮なく問い合わせてください。

次のような症状は、通常の検査後の経過を超えている可能性があるため、自己判断せず早めに受診してください。

  • 我慢できないほどの強い腹痛、動けない痛み
  • 37.5℃以上の発熱が続く
  • 便器の水が真っ赤になるほどの出血、出血量が増えてくる
  • お腹がどんどん膨らんでくる、苦しくて立てない
  • 強い張りに吐き気・嘔吐を伴う
  • めまい・ふらつき・冷や汗・動悸などの貧血症状

少しでも「おかしいな」「不安だな」と感じたときは、遠慮なく検査を受けた医療機関に相談してください。

大腸内視鏡検査後のまとめ

大腸内視鏡検査後は、下痢・腹痛・張り・少量の血など、
多くの方に一時的な症状がみられますが、ほとんどは自然に改善する範囲です。

ただし、症状の続く時間や強さによっては、早めの受診が必要となることがあります。
以下に、検査後のポイントをわかりやすく整理しました。

🔹 ① よくある症状と目安
  • 下痢・軟便:当日〜翌日(48時間以内に改善が多い)
  • 腹痛(軽度):数時間〜翌日まで
  • お腹の張り(ガス):CO₂送気なら数時間〜半日
  • 便が細い・出ない:1〜3日で自然に改善
  • 少量の血(生検した場合):1〜2日以内に自然に止まる
🔹 ② 食事はどうする?

● ポリープ切除なし → 基本制限なし(当日からOK)
※ただし、胃腸にやさしい食事から少量で始めると安心

● ポリープ切除あり → 当日は消化の良い食事に限定
揚げ物・ラーメン・カレー・アルコール などは避ける
翌日以降も少しずつ戻す

🔹 ③ 当日に避けたいもの
  • 脂っこい料理(ラーメン・揚げ物)
  • 辛い料理(カレー・キムチ)
  • 食物繊維の多い食品(海藻・きのこ・根菜)
  • アルコール
  • 炭酸飲料
🔹 ④ 翌日以降の食事
  • 基本的に通常食でOK
  • ただし、油もの・刺激物は少量から
  • 便の状態を見ながら段階的に戻す
🔹 ⑤ こんな症状は受診を
  • 強い腹痛・動けないほどの痛み
  • 37.5℃以上の発熱
  • 大量の出血(便器が真っ赤)
  • 張りがどんどん悪化する
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢が3日以上続く
🔹 ⑥ ポリープ切除後の注意点(重要)
  • 当日は安静(階段・重い荷物・長時間外出は避ける)
  • 入浴はシャワーのみ
  • アルコールは2〜3日禁止
  • 運動は3〜5日控える
  • 遅発性出血(2〜7日後)があるため、少しでも異変があれば相談
🔹 院長からのメッセージ

「検査後は不安になる症状が出ることがありますが、
ほとんどは自然に落ち着くもので、心配いりません。
ただし、痛み・出血・発熱など気になる変化があれば、
遠慮なく当院へご相談ください。検査後のフォローまでしっかりサポートします。」

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の大腸内視鏡のバナー
東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の予約バナー
東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚の診察風景

監修:東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
がん治療認定医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士   他
院長プロフィール

TOP