2025年6月27日

誰にも言えずに市販薬や我慢でやり過ごしている方も多いおしりの悩みですが、原因によっては放置すると悪化することもあります。大腸肛門科の専門医として、よくある5つの原因とその治療法について分かりやすく解説します。

おしりのかゆみの原因は?
「おしりがかゆいけど、ちょっと恥ずかしくて相談しづらい…」そんな風に感じていませんか?
おしりのかゆみは、皮膚炎から痔、感染症、まれに皮膚がんまでさまざまな原因があります。市販薬で改善しても繰り返すケースも多いため、正確な診断と適切な治療が大切です。ここでは、代表的な原因と受診の目安をわかりやすくご紹介します。
【原因①】肛門周囲の皮膚炎
おしり周りの皮膚はとてもデリケートで、ちょっとした刺激でもかゆみを引き起こします。
✅ トイレットペーパーの摩擦や石鹸、ボディソープの刺激
✅ ゴシゴシ洗いで皮膚バリアが壊れて悪化
✅ 下着やナプキン、洗剤などによるアレルギー反応
✅ アトピー体質の方は特に注意
治療は保湿+ステロイド軟膏などが基本。皮膚科との連携も大切です。強く洗いすぎず、やさしいケアを心がけましょう。
【原因②】痔(いぼ痔・切れ痔)によるかゆみ
実は、痔の初期症状として「かゆみだけ」というケースも珍しくありません。
✅ 出血や痛みがなくても「かゆいだけ」の痔も多い
✅ いぼ痔(内痔核)、切れ痔(裂肛)など種類によって治療法も異なる
✅ 内服薬や外用薬、ジオン注射などの治療が可能
早めの診察で、進行を防ぎ快適な生活を取り戻しましょう。


【原因③】肛門周囲の感染症(カンジダ・最近など)
肛門周囲は湿気がこもりやすく、感染症や「洗いすぎ」によるトラブルもよく見られます。
✅ 真菌(カンジダなど)や細菌感染
・蒸れや抗生物質の使用後、糖尿病の方は特に注意
・治療は抗真菌薬や抗菌薬
見落としがちな原因ですが、対策をすれば改善が期待できます。
【原因④】肛門の洗いすぎ・ウォシュレットの使い過ぎ
・意外と多い!ウォシュレットによるかぶれ・刺激
・「きれいにしすぎ」が皮膚を乾燥させ、かゆみを引き起こす
・対策:使用を控え、保湿をしっかり

【原因⑤】皮膚がんの初期症状の可能性も
・まれではありますが、パジェット病(乳房外パジェット病)やボーエン病(表皮内がん)といった皮膚がんの一種が、おしりのかゆみや湿疹のような症状として現れることがあります。
・大腸がんの皮膚転移であった経験もあります。その際には、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けた方がいいです。
⇒おなかとおしりのくのクリニック 東京大塚の大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)の特徴
これらは初期にはただのかぶれや皮膚炎と見分けがつきにくく、市販薬で一時的に改善しても再発を繰り返すのが特徴です。長期間かゆみが続く、皮膚が赤くただれている、ジクジクしている、または出血があるといった症状がある場合は、皮膚がんを疑って専門医の診察を受けることが大切です。
こんな症状は要注意!受診の目安
おしりのかゆみがある場合、以下のような症状があるときは、自己判断せず肛門科の受診をおすすめします。
・かゆみが1週間以上続く
・出血やしこり、腫れを伴う泌物やただれがある
・かゆみが夜間に強い
・市販薬で改善しない、悪化する
・痔を指摘されたことがある
肛門のかゆみは原因によって治療法が異なるため、正確な診断が重要です。
日本大腸肛門病学会 肛門のかゆみについて
おなかとおしりのクリニック 東京大塚の診察・治療について
「おしりの悩みは恥ずかしくて相談しづらい…」そんなお気持ちに寄り添いながら、当院では大腸肛門科専門医による丁寧で安心な診療を行っています。正確な診断と患者さまへの思いやりを大切に、プライバシーに配慮した診察環境を整えています。
大腸肛門科専門医による丁寧な診察と正確な診断
患者さまのお話をしっかり伺い、一人ひとりに最適な診療を心がけています。
当院では大腸肛門科専門医が、必要に応じて視診・触診・肛門鏡検査を行い、原因をしっかり見極めた上で最適な治療を提案します。恥ずかしさや不安を少しでも軽減できるよう、スタッフ全員が思いやりをもって対応いたします。
プライバシーに配慮した安心の診療体制
「女性だから相談しにくい」という方も安心してご来院ください。
当院では女性スタッフによる対応や、プライバシーに配慮した診察室を完備し、リラックスして相談できる環境を整えています。
また、毎週火曜日は女性医師による痔の診察を行っていますので、女性の患者さまも安心して受診いただけます。
⇒毎週火曜日は女性医師による痔の診察を行っています
まとめ:おしりのかゆみは早めの相談を
おしりのかゆみは、体からの小さなサインです。
「ちょっとしたこと」と放置してしまうと、悪化したり、他の病気が隠れていたりすることもあります。気になる症状があれば、早めにおしり専門のクリニックを受診しましょう。
豊島区・大塚駅から徒歩1分に位置する「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、おしりの悩みに専門的に対応しています。
「おしりのかゆみが続く」「痔かもしれない」とお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士