2025年6月12日

~「痔だから大丈夫」は禁物。大腸がん予防の重要な機会です~
便潜血陽性と診断された方へ
健康診断や区民健診で「便潜血陽性」と言われた方へ
・不安でどうすればいいかわからない
・痔があるからきっと大丈夫だろう
・1回だけ陽性だったし、様子を見ようかな
そんなふうに考えていませんか?
便潜血陽性は「大腸のどこかで出血が起きている可能性がある」サインです。
たとえ1回だけの陽性でも、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を必ず受けていただきたい理由があります。このコラムでは、便潜血検査の意味と限界、大腸内視鏡検査の必要性について詳しく解説します。
便潜血検査とは?
大腸がん早期発見のためのスクリーニング検査
便潜血検査(便潜血反応検査)は、大腸がんを早期に見つけるためのスクリーニング検査です。
便の中に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べます。通常は2日分の便を提出する「2日法」で行われ、1回でも陽性であれば「便潜血陽性」となります。
陽性になる原因はさまざま
便潜血陽性の原因には、次のようなものがあります
・大腸がん
・大腸ポリープ(腺腫)
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)
・痔核(いぼ痔)
・感染性腸炎や出血性病変
【便潜血陽性】放置するとどうなる?大腸がんやポリープが見つかる可能性は?
便潜血陽性となった方が大腸内視鏡検査を受けた場合、病気が見つかる割合は以下の通りです(※日本消化器がん検診学会などの報告より)
発見率 | |
---|---|
大腸ポリープ | 約15〜20% |
大腸癌 | 約3% |
「痔だから大丈夫」は禁物
便潜血陽性の原因に痔が関与することは確かにあります。
しかし、「痔があるからそれだけが原因」と自己判断するのは非常に危険です。
当院でも、痔がある方でも大腸がんや腺腫が同時に見つかるケースが少なくありません。
「1回だけ陽性だった」場合でも必ず内視鏡検査を受けて確認することが重要です。
便潜血陰性だったら安心してもいいのでしょうか?
便潜血陰性の場合、進行大腸がんがある可能性はかなり低いと考えて良いでしょう。
しかしながら、大腸ポリープは便潜血が陽性とはならないため便潜血でポリープの有無は確認できません。
ある報告によると、陰性者の方が有病率は高く30.3%であったとされています。大腸ポリープの大きさは、9mm以下のポリープが多いという結果でした。大腸ポリープを切除しておくことで大腸がんを未然に防ぐことができます。早期発見・早期治療が大事です。
日本消化器内視鏡学会は40歳で一度は大腸カメラを受けるよう推奨しています。
免疫学的便潜血検査陽性者,陰性者の疾患の特徴Progress of Digestive Endoscopy .63巻 (2003)2号
大腸がん検診はしたほうが良いのでしょうか?
日本では、大腸がんは上昇傾向で、現在ではがんの中で最も罹患数が高くなっています(国立がん研究センター がん統計より引用)。
増加の背景は、食生活の欧米化に伴う動物性タンパク質や脂肪分の摂りすぎ、運動不足、肥満、喫煙、飲酒などが挙げられます。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
当院の大腸内視鏡検査の特長
当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、安心・安全・高精度な内視鏡検査を提供しています。
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