
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia, FD)は、胃カメラなどの検査で潰瘍やがんなどの明らかな異常がないにもかかわらず、「胃の不快感や痛み」、「食後の膨満感」などが慢性的に続く病気です。胃の運動異常や過敏性、ストレスや自律神経の乱れが原因とされており、若年層から高齢者まで幅広い年代に見られます。日本では慢性胃もたれや胃痛を感じる患者さんの3〜4割が機能性ディスペプシアに該当するとされています。
器質的疾患との鑑別が大切で、胃カメラ検査で胃がんや潰瘍などの病気を除外してから診断されます。異常がないとわかるだけでも、患者様にとって大きな安心につながり、治療への前向きな一歩となります。「機能性消化管障害」のひとつで、生活の質(QOL)を大きく損なうことが知られています。薬物療法や生活指導、ストレスマネジメントを組み合わせて改善を目指します。
機能性ディスペプシアは**「除外診断」**です。
診断のポイント:
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)で胃潰瘍・胃がんなどの器質的な病気がないことを確認する。
ピロリ菌感染の有無を評価する。
警戒すべき症状 があれば精査が必要です:
体重減少
吐血・黒色便
進行する嚥下障害
40歳以上の新規発症
Rome IV基準では、過去6か月間に症状があり、直近3か月間は週に少なくとも数回症状が持続していることが必要です。
治療は多角的なアプローチで行います。
1️⃣ 患者教育
検査で「胃がんや胃潰瘍がない」と理解することが安心感を生む
病気の仕組みを知ること自体が治療になる
2️⃣ 生活習慣・食事指導
食事を小分けにする
脂肪分の多い食事を減らす
過度のカフェイン、アルコールを控える
ストレス管理
3️⃣ 薬物療法
酸分泌抑制薬(PPI、PCABなど)
消化管運動機能改善薬
抗不安薬、抗うつ薬(低用量で内臓知覚過敏を抑制)
4️⃣ ピロリ菌除菌療法
ピロリ陽性ならピロリ菌の除菌を行う
除菌後も症状が続く場合は機能性ディスペプシアとして治療
5️⃣ 心理社会的アプローチ
認知行動療法など
ストレス対策、睡眠改善
胃の痛み・胃の不快感・食後の腹部膨満感が続く方は、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)で胃の中に病気があるかどうか確認することが重要です。
「検査が苦しそう」「検査が痛そう」「気持ち悪くなりそう」と心配される方もご安心ください。
当院 おなかとおしりのクリニック 東京大塚 では、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した検査を行っており、リラックスして受けていただける環境を整えております。
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