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ジンギスカンで腹痛・下痢になる原因ベスト3|加熱不足?寄生虫?原因を正しく理解しよう【豊島区・池袋】

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2025年11月07日

ジンギスカンで腹痛・下痢になる原因ベスト3|加熱不足?寄生虫?原因を正しく理解しよう【豊島区・池袋】

ジンギスカンを食べたあとにお腹が痛くなった、下痢が止まらない──そんな経験をしたことはありませんか?
「羊肉だから寄生虫かも?」と心配になる方もいますが、実際にはそれだけが原因ではありません。
このページでは、ジンギスカン後に起こる腹痛や下痢の主な原因を3つに整理してわかりやすく解説します。
あわせて、症状が続くときに注意すべきポイントと、受診の目安についてもお伝えします。

ジンギスカンで腹痛・下痢が起こる主な原因ベスト3

ジンギスカンは鉄板の上で一気に焼くスタイルが多く、焼き加減のムラや生焼けになりやすい料理です。
そのため、腹痛や下痢の多くは「食中毒」や「加熱不足」に関係しています。ここでは、よくある3つの原因を紹介します。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚の医療コラムのジンギスカンの画像

🥇第1位:加熱不足による細菌性の食中毒

もっとも多い原因は肉の中心まで火が通っていなかったことです。
加熱が不十分だと、肉の中にいるカンピロバクターサルモネラなどの細菌が生き残り、食中毒を起こします。
カンピロバクターは少量でも感染し、発熱・下痢・腹痛が出ることが多い細菌です。
潜伏期間は2〜7日ほどで、食べてすぐ症状が出るとは限りません。
サルモネラも加熱不足の肉で感染し、発熱や嘔吐、腹痛を伴います。
特に「中心がピンクのまま」「肉汁が赤い」「表面だけ焼けている」といった状態は注意が必要です。
家庭や屋外BBQでは火力が一定でないため、肉の中心までしっかり火を通すようにしましょう。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚で紹介しているカンピロバクター食中毒の年間発生状況を示したグラフ
厚生労働省:カンピロバクター食中毒予防についてより

🥈第2位:調理器具による交差汚染

次に多いのがトングや箸、皿を生肉と焼けた肉で共用してしまうことです。
これを「交差汚染」と呼びます。見た目はきれいでも、調理器具を介して細菌が移ることがあります。

  • 焼く前の生肉を触ったトングで、焼けた肉をつかむ
  • 生肉の汁がついた皿に、焼き上がった肉を戻す
  • 同じ菜箸で生野菜や焼けた食材に触れる

このような行為でO157・黄色ブドウ球菌・ノロウイルスなどが口に入り、数時間〜1日以内に嘔吐や下痢を起こすことがあります。
屋外や居酒屋スタイルのジンギスカンでは特に注意が必要です。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚のカンピロバクター食中毒の原因が調理器具である写真

調理時の注意点:

  • 焼く前の生肉を触ったトングで、焼けた肉をつかまない
  • 生肉の汁がついた皿に、焼き上がった肉を戻さない
  • 同じ菜箸で生野菜や焼けた食材に触れない

🥉第3位:加熱不十分な肉による寄生虫感染

3つ目の原因は、**トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)やサルコシスティス(Sarcocystis spp.)**などの寄生虫です。
これらは加熱が不十分な羊肉・豚肉などに含まれることがあります。
トキソプラズマは、感染しても多くは無症状ですが、妊婦や免疫力が低い人では重くなることがあります
発症まで5〜20日かかるため、食後すぐに腹痛や下痢が出ることはほとんどありません。
サルコシスティスは、感染後数時間〜1日以内に下痢・腹痛・嘔気を起こすことがあり、国内でも報告例があります。
中心温度が67℃以上になればどちらの寄生虫も死滅するため、しっかりと加熱すれば予防できます。

トキソプラズマとは?感染経路・症状・予防まで詳しく解説

「トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)」は、世界中で広く見られる原虫(げんちゅう)と呼ばれる小さな寄生生物です。
ヒトを含む温血動物に感染しますが、ほとんどの場合は症状が出ません。
しかし、妊婦や免疫力が低下している人では、重い症状を引き起こすことがあります。
ここでは、感染のしくみから発症の経過、予防方法までを整理します。

トキソプラズマの正体としくみ

トキソプラズマは「原虫」という単細胞の微生物で、細菌やウイルスとは異なります。 特徴は、生物の体内で形を変えながら生き延びることです。主に3つの形があります。

  • オーシスト(oocyst):ネコ科動物の腸の中で作られる卵のような形。糞便中に排出され、外界で長期間生きられます。
  • トキゾイト(tachyzoite):感染初期に体内を移動する形。血液やリンパを通じて全身に広がります。
  • ブラディゾイト(bradyzoite):感染が落ち着くと筋肉や脳などに潜む「シスト(cyst)」の形になります。

ヒトはこの「ブラディゾイト」を含む肉を食べたり、「オーシスト」に汚染された水や土に触れたりすることで感染します。

感染経路とリスクのある食品

トキソプラズマの感染経路にはいくつかのパターンがあります。

  • 加熱が不十分な肉を食べる(特に羊肉・豚肉・シカ肉など)
  • ネコの糞便に含まれるオーシストに触れる(砂場・庭いじり・猫砂の交換など)
  • 汚染された水や野菜を介して口に入る
  • 妊婦から胎児への母子感染(胎盤を通じて感染)

日本では生肉を食べる習慣が少ないため、感染は少ないとされていますが、 ラム肉やジビエ、半生のステーキなどが原因となることがあります。

症状と経過

多くの人は感染しても無症状で終わります。 しかし、免疫のはたらきが弱い場合や妊娠中の場合には次のような症状が出ることがあります。

  • 微熱や倦怠感、関節痛、筋肉痛
  • 首や後頭部のリンパ節の腫れ
  • 発疹、頭痛、視力の低下(眼トキソプラズマ症)
  • 胎児感染の場合:流産・早産・中枢神経障害の原因になることがある

これらの症状は感染後すぐではなく、通常は5〜20日ほどの潜伏期間を経て現れます。 つまり、「食べて数時間で下痢や腹痛」はトキソプラズマではなく、細菌性の食中毒が疑われます。

感染を防ぐためのポイント

トキソプラズマは熱に弱い寄生虫です。日常生活でできる予防策は次のとおりです。

  • 肉は中心まで67℃以上で1分以上加熱する
  • 生肉を扱ったまな板・トング・包丁は他の食材と分けて使用する
  • 生野菜や果物は流水でよく洗う
  • 猫のトイレ掃除や園芸作業のあとは石けんでしっかり手を洗う
  • 冷凍(−12℃以下で2日以上)でも感染力を失うため、冷凍保存も有効

感染予防は「誰にでも」重要です。健康な人でも感染のたびに抗体ができ、再感染を防げるわけではありません。 日常的にしっかり火を通す習慣が、最も確実な対策です。

トキソプラズマと妊娠

妊娠中の初感染では、胎児への感染リスクが高くなります。 特に妊娠初期では胎児に重い影響を与える可能性があるため、妊婦さんは生肉やジビエを避けることが勧められます。 一度感染して抗体を持っている場合は胎児への影響はほとんどありません。

血液検査で抗体を確認することも可能で、必要に応じて医師が判断します。

どんな症状が出たら注意が必要?

軽い腹痛や一時的な下痢であれば、多くは自然に治ります。
しかし次のような場合は、単なる食あたりではない可能性があります。

  • 下痢・腹痛が24時間以上続く
  • 発熱・悪寒・嘔吐を伴う
  • 血便(下血)が出る
  • 症状が反復している
  • 妊娠中、または持病で免疫力が低下している

こうした場合、感染性腸炎や大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)が隠れていることがあります。
原因を確かめるために、大腸内視鏡検査を受けておくと安心です。

豊島区・池袋で大腸内視鏡検査を受けるなら

「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、腹痛・下痢・下血といった症状の原因を丁寧に調べるため、
**AI搭載の高精度内視鏡システム(Olympus EVIS X1)**を導入しています。

当院の特長:

  • 鎮静剤を使用した「ほぼ無痛」の検査
  • 女性専用トイレ・更衣室を完備
  • 火曜は女性医師による内視鏡検査が可能
  • JR大塚駅南口徒歩1分(池袋・巣鴨・駒込からもアクセス良好)

📞 03-6912-5995
🏥 〒170-0005 東京都豊島区南大塚3-34-7 大塚carna 2階

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚で、カンピロバクター感染が疑われる患者に大腸内視鏡検査を行っている様子の写真

よくある質問(Q&A)

Q1. ジンギスカンでお腹を壊すのはよくあることですか?
A. はい、実は珍しくありません。原因の多くは加熱不足や交差汚染による食中毒です。特に家庭やBBQでは火力が一定でなく、生焼け肉を食べてしまうことが多いです。しっかりと火を通し、トングや皿を分けて使うことが予防になります。

Q2. トキソプラズマなどの寄生虫に感染するとどうなりますか?
A. 健康な人が感染しても、多くは無症状か軽い発熱程度で済みますが、妊婦さんや免疫力が低下している方では重くなることがあります。
いずれの場合も、感染を防ぐためには肉を中心までしっかり加熱することが大切です。

Q3. 食後すぐに下痢や腹痛が出たら寄生虫ですか?
A. いいえ、寄生虫ではなく細菌やウイルスによる食中毒の可能性が高いです。
寄生虫(トキソプラズマ)は症状が出るまで5〜20日程度かかることが多いため、食後すぐの腹痛とは一致しません。

Q4. どのくらい症状が続いたら病院に行くべき?
A. 目安は「24時間以上下痢が続く」「**血便(下血)**が出る」「発熱や強い腹痛がある」場合です。
こうした症状があるときは、感染性腸炎や腸の病気の可能性があります。早めの受診をおすすめします。

Q5. 豊島区や池袋で大腸内視鏡を受けられるところはありますか?
A. はい。当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、AI搭載の高精度大腸内視鏡検査を行っています。
鎮静剤を使った痛みの少ない大腸内視鏡検査にも対応しており、女性医師(火曜)による検査や女性専用更衣室・トイレも完備しています。
池袋駅や巣鴨・駒込からもアクセスしやすい立地です。

まとめ

ジンギスカンのあとの腹痛や下痢の多くは、加熱不足や交差汚染による食中毒が原因によることが多いです。
まれに寄生虫が関係することもありますが、十分に火を通していれば心配ありません。
腹痛が長引く、血が混じる、発熱を伴うといった場合は、早めに専門医に相談し、必要に応じて検査を受けてください。

東京都豊島区大塚のおなかとおしりのクリニック 東京大塚で院長が大腸内視鏡検査の結果を説明している写真

監修:東京都豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士
院長プロフィール

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