
食事性下痢
食事性下痢
食事性下痢(しょくじせいげり)**とは、特定の食べ物や食習慣が引き金となって起こる一時的な下痢のことです。感染症や炎症性疾患のような病気が原因ではないため、適切な対応をすれば比較的早く改善することが多いのが特徴です。
脂っこい食事や冷たい飲み物だけじゃない、多くの要因があります。
食事性下痢は、以下のような食品や飲み方によって腸が刺激され、蠕動運動(腸の動き)が活発になりすぎることで起こります。
・脂っこい食事(揚げ物、ラーメンなど)
以下の医療コラム「ラーメンを食べた後、おなかの調子が悪い(腹痛・下痢・嘔吐)?
」もご参照ください。
・香辛料・刺激物(唐辛子、わさび、にんにくなど)
・カフェインやアルコール(コーヒー、ビール、ワインなど)
・冷たい飲食物(氷水、アイス、冷たいジュースなど)
・人工甘味料(ソルビトール、キシリトール:ガムやゼロカロリー飲料などに含まれる)
・乳製品(乳糖不耐症の方)(牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなど)
個人の体質によって影響を受ける食品は異なるため、「何を食べたときに起きやすいか」を把握しておくことが予防に役立ちます。
特徴を見極めて、必要があれば検査を行います。
・食後数時間以内に急な下痢が起きる
・腹痛やガスだまり(膨満感)を伴うことが多い
・排便後に症状が軽くなることが多い
・発熱や血便は通常みられない
同じような症状でも、感染性腸炎や大腸ポリープ、炎症性腸疾患などの可能性もあります。そのため、必要に応じて以下の検査を行うことがあります。
・大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)
・血液検査
器質的な異常(がん、炎症、ポリープなど)がないことを確認した上で、食事性下痢と診断されます。
「症状が出たら薬を飲む」ではなく、原因の食べ物を見つけることが大切です。
・脂っこい食事や刺激物の摂取を控える
・食べる量やスピードを見直す
・食物繊維の摂り方を調整する(不溶性<水溶性)
また、体質的に乳糖不耐症や人工甘味料に弱い方は、それらを避けることが予防につながります。
・整腸剤(ビフィズス菌・乳酸菌など)
・腸の動きを整える薬
・水分・電解質補給
慢性的に繰り返す場合は、過敏性腸症候群(IBS)との鑑別も重要です。
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