
胃がん
胃がん
胃がんは日本人にとって非常に身近な病気であり、現在でも日本国内のがんによる死亡原因の上位を占めています。「胃がん」と聞くと不安になるかもしれませんが、胃がんは適切な予防や早期発見によって、十分治療可能な病気です。
胃がんとは、胃の内側にある粘膜から発生する悪性腫瘍の事を言います。胃の粘膜細胞が何らかの原因で異常に増殖し、周囲の組織を破壊しながら進行します。進行すると、他の臓器やリンパ節に転移する事もあるため、早めの対応が非常に重要となります。
胃がんの罹患率
日本の罹患数(最新推計・2020年):年間約11万人
男女ともに高齢層に多く、特に男性で多い
診断・検査
胃がんの診断には以下が用いられます。
上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査:最も確実な診断法。病変を観察し、組織を採取(生検)して診断します。
CT検査:胃がんの進行度(転移・浸潤)の評価に重要。
超音波内視鏡(EUS):壁深達度の評価。
治療法
胃がんの治療は、病期(ステージ)によって異なります。
主な治療法
内視鏡的切除:早期がんでリンパ節転移のリスクが極めて低い場合。
外科的切除:胃部分切除や全摘術、周囲リンパ節郭清。
化学療法:進行・再発例に。術後補助療法にも使用。
放射線療法:限られた状況で補助的に。
免疫チェックポイント阻害薬:特定の分子標的治療も選択肢に。
胃がんの初期症状は非常に軽微であり、多くの場合見逃されがちです。初期の段階では、胃の違和感や軽い不快感、食後の軽い胸やけや胃もたれといった症状が現れる事があります。また、胃の痛みがあっても一時的で、すぐに治まるため、自覚しにくいケースが多いのです。
そのため、「気のせいかもしれない」と放置される事もあります。しかし、このような軽い症状でも注意が必要です。早めに胃カメラ検査を受けることで異常が発見されるケースがありますので、小さなサインを見逃さず、早めに消化器専門医師の診察を受ける事が重要です。
胃がんの初期段階では、症状があまりない事も多いため、自覚症状だけに頼る事は危険です。ただ、少しずつ病気が進むと、以下のような症状が現れる事があります。
まず、胃がんの典型的な症状として、食欲の低下や胃の痛み、もたれ、胸やけ、吐き気、そして原因不明の体重減少があります。また、胃に軽い違和感を覚えたり、少量の食事でもすぐに満腹感を感じる事もあります。進行すると、吐血や黒色便(タール便)といったより深刻な症状が出る事もあります。
しかし、これらの症状は胃がんに特有なものではありません。胃炎や胃潰瘍など他の胃の病気でも同じような症状が現れる事があります。そのため、「たぶん大丈夫」と自己判断せずに、気になる症状があったら迷わず病院を受診する事が大切です。
胃がんにはなりやすいとされる特徴やリスクがいくつかあります。特に日本人は塩分の摂取が多いため、塩辛い食品や漬物、塩分の多い加工食品を好む方はリスクが高くなります。また、喫煙やアルコールを頻繁に摂取する方、ストレスの多い生活を送る方も胃がんのリスクが増えます。
さらに重要なのは、「ピロリ菌」に感染している方です。ピロリ菌は胃粘膜を傷つけ慢性的な炎症を起こし、それが長年続くと胃がんの原因になります。ピロリ菌感染が確認されている方や、胃炎や胃潰瘍の経験がある方、家族に胃がん患者がいる方は特に注意が必要です。症状がなくても、定期的な胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受け、早めの対応を心がけるようにしましょう。
ピロリ菌に関しては以下の医療コラムをご参照ください。
医療コラム 胃の中にピロリ菌はいるの?
胃がんの発症には、生活習慣や食習慣が深く関わっています。塩分の多い食事や加工肉、焦げた食品などを好んで食べる人、喫煙者や飲酒量が多い人は、胃がんのリスクが高まると言われています。また、日本人の多くが感染している「ピロリ菌」も胃がんの主な原因のひとつです。
特に40歳以上の方や、ピロリ菌感染の既往のある方(除菌後も含みます)、ご家族に胃がん患者様がいる方はリスクが高まりますので、日頃から注意が必要です。逆に言えば、食生活を改善し、禁煙や適度な飲酒を心がける事で、胃がんを予防する事も十分可能なのです。
胃がんを予防するためには、食生活の改善が重要なポイントになります。例えば、野菜や果物、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。食塩や保存料の多い食品を控え、加工食品や焦げた料理の摂取をなるべく避ける事も大切です。
また、禁煙をする、適度な運動を習慣化する事も胃がん予防に効果的です。そして、特に胃がんの原因として重要視されるピロリ菌は、簡単な検査で感染の有無を調べる事ができます。ピロリ菌感染が確認された場合は、除菌治療を行い定期的に胃カメラ検査を行う事で胃がん発症のリスクを大幅に減らす事ができます。
胃がんは進行してしまうと治療が難しくなり、生命に関わる重大な病気ですが、早期に発見できれば完治する可能性が高いのです。
実際に日本では、早期発見された胃がん患者様の5年生存率は90%以上と言われています。
早期発見の鍵は「定期的な胃カメラ検査」です。特に自覚症状がない場合でも、ピロリ菌感染の既往がる方は、年に一度の胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受ける事が推奨されています。
胃カメラ(胃内視鏡検査)では、胃の内部を直接観察できるため、がんの早期発見が可能となります。また、小さなポリープや炎症なども発見でき、これらの早期治療により胃がんを未然に防ぐ事も可能です。
内視鏡検査と聞くと、「苦しいのではないか」「怖い」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし最近の内視鏡検査は、鎮静剤や麻酔を使用する事で、患者様に負担をかけずに安全で苦痛の少ない検査が可能になっています。
当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」でも、内視鏡検査を専門医が丁寧に行いますのでご安心ください。患者様の不安や緊張を軽減できるようスタッフ全員が細心の注意を払い、穏やかでリラックスできる環境を整えています。
胃の調子が悪いな、最近胃もたれや胃痛が続くな、と感じたら、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。特に40歳以上の方や、胃がんの家族歴がある方は、ピロリ菌感染の既往(除菌後も含む)がある方は、積極的に胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を受ける事をおすすめします。
胃がんの予防と早期発見のために、当院スタッフ一同、あなたの健康をしっかりサポートいたします。気になる症状がなくても、健康管理の一環として、年に一度の胃カメラ検査(胃内視鏡検査)をぜひご検討ください。
あなたの大切な健康を守るために、早めの行動を心掛けましょう。私たち豊島区にある「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」は、皆様のお越しを心からお待ちしています。
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