
肛門搔痒症(こうもんそうようしょう)
肛門搔痒症(こうもんそうようしょう)
肛門掻痒症は、肛門周囲に強いかゆみを生じる病気で、皮膚の炎症や過敏な反応によって慢性的に繰り返すのが特徴です。かゆみが持続すると、掻き壊しによる皮膚炎やびらん(ただれ)が悪化し、さらに症状が強くなる悪循環を起こします。
肛門掻痒症は単一の原因で起こるわけではなく、以下のような要因が関与します。
・皮膚刺激:排便後の拭きすぎ、石けん・ボディソープの過度な使用
・分泌物や便の付着:痔核・肛門周囲炎・直腸脱などに伴う分泌物や残便
・感染:カンジダなどの真菌
・皮膚疾患:アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬など
・生活習慣:刺激物(香辛料、アルコール、カフェイン)の摂取
・全身性疾患:アレルギー、肝疾患などに伴うかゆみ
・肛門周囲の持続的または断続的なかゆみ
・夜間や入浴後に悪化しやすい
・掻くことによる皮膚の赤み、ただれ、色素沈着
・皮膚の乾燥や肥厚
肛門掻痒症は「症状名」であり、原因の特定が重要です。
・肛門科での視診・触診
・真菌検査
・必要に応じて皮膚科的評価
治療は原因に応じて行います。
・生活習慣の改善
洗いすぎを避け、肛門を清潔かつ乾燥しすぎないように保つ
香辛料・アルコール・カフェインの摂取制限
・薬物療法
抗真菌薬(カンジダ感染の場合)
抗ヒスタミン薬(かゆみの抑制)
・基礎疾患の治療
糖尿病や肝疾患がある場合は、そのコントロールが不可欠
医療コラム:おしりがかゆい原因とは?
肛門掻痒症は「肛門周囲のかゆみ」を特徴とする症候群であり、背景には感染・皮膚疾患・生活習慣など多様な原因があります。自己判断で市販薬を使うと悪化する場合もあるため、原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
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