
十二指腸がん
十二指腸がん
皆様、こんにちは。「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」です。
最近、みぞおちのあたりが重い感じがする、食欲が落ちた、何だか体がだるい……そんなふうに感じる事はありませんか?
「忙しさやストレスのせいかも」「年齢的なものだろう」と、ついつい見過ごしてしまいがちな体調の変化。
でも、そうした“なんとなくの不調”が、実は大きな病気のサインだった――という事もあるのです。
今回は、まだあまり知られていないけれど、確実に存在する「十二指腸がん」についてお話させてください。
このがんは、早期発見がとても大切な病気のひとつ。最終的には、あなたの命を守る手段として「内視鏡検査」についてもご紹介いたします。
十二指腸は、小腸のはじまりの部分で、胃とつながっています。食べ物が胃を通ったあと、最初にたどりつく場所で、胆のうや膵臓から分泌される消化液と合流し、栄養を吸収しやすい状態にする大切な役割を担っています。
場所としては、みぞおちの奥、背中側に近いあたりにあると考えるとイメージしやすいでしょう。
もう少し具体的に言うと、十二指腸は約25〜30cmほどの長さしかなく、名前の由来は「指12本分の長さの腸」という意味に由来しています。胃の出口(幽門)から始まり、膵臓の頭部を取り巻くようにカーブを描きながら小腸(空腸)へとつながっていきます。
また、十二指腸は4つの部分(上部・下降部・水平部・上行部)に分けられており、特に胆管や膵管が開口する「ファーター乳頭部」は、がんができやすい部位として知られています。
例えば、「みぞおちの痛みが背中に抜けるように感じる」「脂っこいものを食べたあとに気持ち悪くなる」「理由もなく体重が減っていく」といった症状が出る場合には、十二指腸に何らかの異常が起きている可能性もあるため、注意が必要です。
体の奥にあり、外からは見えにくく、症状もあいまいになりやすい場所だからこそ、検査によるチェックが大切になるのです。
十二指腸がんは、胃と小腸の間にある“十二指腸”という部分に発生するがんです。消化器がんの中では比較的まれで、全体のがんの中でも1%未満とされています。
それゆえに「知られていない」「見逃されやすい」がんなのです。
初期症状が乏しいというお話をしましたが、実際のところ、患者様ご本人が「これは病気だ」と思えないほど、症状がぼんやりしている事が多いのです。
例えばある患者様は、
……といった理由で、なかなか病院に行かれなかったとおっしゃっていました。
私たちはこうした声をたくさん耳にしています。だからこそ、「迷ったら一度、検査をしておく」。この心構えが、本当に大切なのです。
十二指腸がんは、40代以降の方に多く、特に60代~70代の方に多く見られます。年齢を重ねるにつれ発症リスクは上がっていきますので、中高年以降は特に注意が必要です。
また、性別で見ると男性の方がやや多く発症する傾向があります。これは喫煙や飲酒といった生活習慣が関与しているとも言われています。
もちろん女性でも発症しますので、更年期以降の方もぜひ注意してください。
さらに、遺伝的な疾患や他の消化器がんの既往歴がある場合は、若年層でも発症する可能性があります。
特に「家族性大腸腺腫症(FAP)」という遺伝疾患のある方は、注意が必要です。
十二指腸がんの原因は、まだ完全には解明されていない部分も多いですが、近年の研究からいくつかのリスク要因が明らかになってきています。これらを知る事で、日常生活の中でできる予防策を意識するきっかけになるかもしれません。
40代以降に発症が増え、60代〜70代がピークとされています。
長年の喫煙習慣や大量飲酒は、消化管粘膜に慢性的な炎症を起こし、がん化のリスクを高めます。
肉類や揚げ物中心の食事は、胆汁や膵液の分泌を活発にし、十二指腸に負担をかけやすいとされています。
長期間にわたり腸管に炎症が続く事で、細胞ががん化しやすくなります。
特に「家族性大腸腺腫症(FAP)」のような遺伝性疾患のある方は、若年でもリスクが高いとされ注意が必要です。
胃がんや大腸がんの既往がある方は、同じ消化管系統である十二指腸にもリスクが及ぶ可能性があります。
日常生活の中で十二指腸がんのリスクを下げるには、以下のような生活習慣の見直しが大切です。
まずは喫煙習慣を見直す事が重要です。飲酒も適量を心がけましょう。
脂っこいものに偏らず、野菜・果物・穀物・発酵食品などを取り入れるようにしましょう。
運動は腸の働きを整え、ストレスの軽減にもつながります。
精神的なストレスも胃腸に影響を及ぼします。リラックスする時間を意識して作りましょう。
そして何よりも大切なのは・自覚症状がなくても定期的に検査を受ける事:です。早期に発見できれば、治療の選択肢も広がり、予後も良好です。
とくに「家族に消化器がんの方がいる」「40歳を過ぎてから消化器の不調が増えた」「以前より食事量が減った」といった方は、一度内視鏡検査を検討してみる事をおすすめします。
十二指腸がんは、早期にはほとんど自覚症状がありません。
そのため、定期的に体の中をのぞく「内視鏡検査」が、もっとも有効な発見手段です。上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)を使えば、食道・胃・十二指腸の上部まで観察する事ができます。
最近では、鼻から入れる細い内視鏡や、鎮静剤を用いた“眠っている間に終わる”検査もあり、以前よりもずっと楽に受けられるようになっています。
「怖い」「つらそう」というイメージだけで検査を避けてしまうのは、とてももったいない事です。命を守るための最初の一歩として、ぜひ一度、内視鏡検査を受けてみてください。
当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、消化器内視鏡の専門医が検査を担当し、できるだけ苦痛の少ない方法で丁寧に対応しています。
こうした変化を「年のせい」と片付けずに、「もしかして…」と疑う視点を持つ事が、早期発見と治療につながる第一歩です。
消化器がんは、早期ならば十分に治療が可能です。でも、気づかれずに放置されてしまえば、進行してしまう危険性もあります。だからこそ、“症状が出る前”に見つけるための定期検査がとても大切なのです。
当院では、経験豊富な内視鏡専門医が最新の機器を用い、患者様にやさしい検査を心がけています。
また、検査に対する不安や疑問にもしっかりお答えし、ご希望に応じた鎮静法も選べますので、初めての方でも安心して受けていただけます。
「ちょっと気になる事がある」「念のために一度診てもらいたい」、そんなお気持ちが、あなたの未来を守るきっかけになるかもしれません。
ぜひお気軽に、当院にご相談ください。「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」は、地域の皆様の健康を、これからもずっと見守ってまいります。
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