
大腸ポリープ
大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸の内側の粘膜にできるいぼ状の隆起です。
大きさや形はさまざまで、多くは良性ですが、種類によってはがん化する事があります。特に「腺腫性ポリープ」は、大腸がんの前がん病変とされ、早期に発見して切除する事で大腸がんの予防が可能です。
小さなポリープは自覚症状がほとんどありません。しかし、ある程度大きくなると便と一緒に出血する事があり、便潜血検査で陽性になるケースもあります。また、大きなポリープは腸の通過障害を引き起こす事も稀にあります。
大腸の粘膜にある**「腺細胞(分泌を担う細胞)」**が異常に増殖してできるのが、最も一般的なタイプのポリープです。通常は良性ですが、時間がたって徐々に大きくなると、がん化する可能性があります。腺腫からがんへ変わるすべての大腸がんが腺腫性ポリには数年かかるとされており、特に10mm以上になるとがんのリスクが高まります。ただし、ープから発生するわけではありません。最初からがんとして発生する場合や、小さくてもがんの成分を含むものもあります。
SSLは「鋸歯状病変(Sessile Serrated Lesions)」の略で、大腸にできるポリープの一種です。この病変は大腸がんに進行するリスクがあるため、早期発見と正確な診断がとても大切です。SSLは平坦で目立ちにくい形をしていることが多く、一般的な腺腫性ポリープよりも発見が難しいのが特徴です。内視鏡医の経験や技術が重要とされ、検査中の画像診断だけでなく、生検による組織検査や病理診断も行われます。
TSAは、縦じま状に並んだ鋸歯状の腺構造が特徴のポリープで、従来の腺腫とは異なるタイプです。特に直腸や下行結腸にできやすい傾向があります。TSAは発見が難しいといわれています。治療は、通常の腺腫と同様に内視鏡による切除が推奨されており、これによって大腸がんのリスクを減らすことが可能です
過形成ポリープ、は主に左側の結腸や直腸に多くみられる鋸歯状病変で、臨床的にも最もよく見つかるタイプです。
ほとんどは5mm未満の小さな病変で、がんになるリスクは非常に低いとされています。そのため、通常は切除ではなく経過観察が選択されます。
幼少期に多くみられることからこの名前がついていますが、およそ3分の1は成人にも発症します。直腸やS状結腸によく発生し、多くは単発で生じるのが特徴です。主な症状は下血(血便)で、ポリープの先端部分が自然に脱落(autoamputation)することもあります。若年層にも見られる事があり、多くは良性です。
Peutz-Jeghers症候群でみられる多発性ポリープと同じような組織像を示すポリープが、皮膚の色素沈着などの特徴を伴わずに単発で発生する場合、これをPeutz-Jeghers型ポリープと呼びます。
腸の炎症のあとにできる事が多く、がん化の可能性は低いとされています。
当院では、大腸カメラ検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除を行う事が可能です。切除は高周波スネアなどの特殊な器具を用いて行い、日帰りでの対応が可能です。切除したポリープは病理検査に出して、良性か悪性かを詳しく調べます。
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