BBQの後に腹痛・嘔吐・下痢?食中毒に要注意!|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

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BBQの後に腹痛・嘔吐・下痢?食中毒に要注意!

BBQの後に腹痛・嘔吐・下痢?食中毒に要注意!|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

2025年7月16日

BBQの後に腹痛・嘔吐・下痢?食中毒に要注意!

1年中いつでも楽しめるむBBQ(バーべーキュー)。美味しくてワイワイ楽しいけれど、じつは“食中毒”リスクが夏に高まるタイミングでもあります。腹痛・下痢・嘔吐といった症状に見舞われないよう、原因と予防策を今すぐマスターしましょう!

月別で見る食中毒の発生状況

BBQシーズンの夏は、食中毒が特に増える季節。実際に、どの月に発生件数が多いのかを厚生労働省のデータをもとに見てみましょう。

下のグラフは、全国の食中毒発生件数を月別に集計したものです。冬が一番多いですが8月に発生件数が明確に増えているのがわかります。

豊島区 消化器内科・肛門科専門医がBBQによる食中毒コラムを書いた記事の食中毒発生状況のグラフ
出典:厚生労働省 食中毒統計資料

8月に多い:高温多湿で細菌が繁殖しやすい
調理時の常温放置が危険:屋外BBQでは特に管理が甘くなりがち
対策が必要:原因菌の増殖を防ぐ三原則「つけない・増やさない・やっつける」が重要

原因別(ウイルス・細菌・寄生虫)に見る月別食中毒発生状況

全体の発生件数だけでなく、食中毒の「原因別」でも季節変動には特徴があります。ここでは細菌・ウイルス・寄生虫などの分類ごとに月別件数を比較し、リスクの違いを理解しましょう。

細菌性食中毒は8月がピーク

下のグラフでは、細菌性食中毒の件数が6~8月にかけて急増しているのが分かります。

豊島区 消化器内科・肛門科専門医がBBQによる食中毒コラムを書いた記事の細菌の食中毒発生のグラフ

・高温多湿で細菌が急増殖
・BBQや屋外調理での常温放置・加熱不足が原因
・カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、ウエルシュ菌などが原因菌

ウイルス性は冬にピーク

一方で、ウイルス性食中毒は冬季に多いのが特徴です。

主な原因:ノロウイルス
・11月〜2月にかけて流行
・貝類の生食や、人から人への接触感染が多い
ポイント:
夏場のBBQでは少ないが、冬でも貝の生食には要注意。手洗い・加熱が予防の基本です。

なぜBBQ後に食中毒?原因と症状を解説

BBQで人気のハンバーグや焼きそば、串焼きに使う「挽肉(ミンチ肉)」。じつは、家庭に届く時点で食中毒菌に汚染されているケースが少なくありません。ここでは、実際の調査結果からその実態を解説します。

豊島区 消化器内科・肛門科が専門で食中毒に対して無痛大腸カメラ施行した際の原因がサルモネラでサルモネラ菌属の電子顕微鏡写真
出典:食品安全委員会 食中毒菌の電子顕微鏡写真 サルモネラ菌属

表で見る挽肉状態での細菌菌汚染の実態

下のグラフは、市販されている挽肉(牛ひき肉、豚ひき肉、合挽など)から検出されたカンピロバクターやサルモネラの割合を示しています。

市販されている挽肉(ミンチ肉)の食中毒菌汚染実態調査結果

肉の種類E.coli(大腸菌)
陽性率
サルモネラ菌属
陽性率
腸管出血性大腸菌
陽性率
33.31.5
29.43.90.2
66.948.6

(出典;厚生労働省 平成26年度食品の食中毒汚染実態調査結果)

鶏肉の約半数でサルモネラ菌属が付着していました。
・挽肉は加工時に肉の内部まで菌が入り込む
・表面の加熱だけでは不十分
・BBQなどでは特に「中心部までの加熱」が必須

お肉に潜む主な食中毒菌と症状のまとめ

下の表は、どんなお肉にどんな菌がついている可能性があるか、そして感染したときの主な症状をわかりやすくまとめたものです。BBQや家庭調理でもぜひ参考にしてください。

病原体主な動物種主な症状・特徴
サルモネラ属菌牛、豚、鶏8〜48時間で吐き気、おう吐、下痢、腹痛。
高齢者や子どもは脱水に注意。
腸管出血性大腸菌3〜5日後にお腹の痛み、下痢(水様便・血便)。
重症例では、腎機能悪化も。
カンピロバクター牛、豚、鶏2〜5日後に下痢、腹痛、熱、吐き気、頭痛。
脱水になりやすいので注意。
リステリア牛、豚、鶏数日〜数週間で発熱、頭痛、吐き気。
妊婦さんは流産や早産のリスク。

それぞれの菌が引き起こす症状を、もう少し詳しくやさしく説明します。食事前後の体調変化に気づくための目安にしてください。

サルモネラ(牛、豚、鶏、羊など)
食後8〜48時間で吐き気、おう吐、下痢、腹痛。
脱水になりやすいので、水分補給が大切。
腸管出血性大腸菌(主に牛肉など)
食べてから3〜5日後にお腹が痛くなり、水のような下痢や血が混じることも。
子どもや高齢者は腎臓が悪くなる重い病気を起こすこともあるので注意。
カンピロバクター(牛、豚、鶏など)
2〜5日後に下痢(ときに血便)、腹痛、発熱、吐き気、頭痛。
下痢が続くと脱水になるのでこまめな水分補給を。
・リステリア(牛、豚、鶏など)
数日から数週間後に発熱、頭痛、吐き気。
妊婦さんはお腹の赤ちゃんにもうつることがあり、流産や早産の原因になることも。

出典:厚生労働省 リステリアによる食中毒

BBQで食中毒!予防の基本“つけない・増やさない・やっつける”

BBQなどの屋外でも家庭でも、この三原則を徹底すれば、BBQでの食中毒リスクは大幅に減少します。

つけない(交差汚染防止)

豊島区 消化器内科・肛門科専門医による便潜血陽性対応無痛大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)をおこなったさいに食中毒だった患者のトングの写真。

・生肉・魚専用まな板・箸・トングを分け使用
・生肉を触ったらすぐ手洗い。調理前・トイレ後にも徹底

増やさない(低温管理)

豊島区 消化器内科・肛門科専門医による便潜血陽性対応の無痛大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)をおこなったさいに食中毒だった患者のクーラーボックスの写真。

・クーラーボックス+保冷剤で10℃以下保管
・肉や魚の汁が他の食品に触れぬようジッパー袋で個包装

やっつける(加熱徹底)

豊島区 消化器内科・肛門科専門医による便潜血陽性対応の無痛大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)をおこなったさいに食中毒だった患者の肉の写真。

・中心部まで75℃以上で1分以上の十分な加熱が必須
・鶏などの生焼け注意。焦げすぎもNGなので適度な焼き加減を


BBQ中も後も気をつけたい、実践アクション5選

とりわけアウトドアでは「つい忘れがち」なポイントが命取りに。ここを押さえましょう!

タイミング実践ポイント
下ごしらえ自宅で材料カット・味付け。現地での調理は加熱のみ
調理中・生と加熱後でトングと箸の使い分け
・よく手洗いする
・焼きすぎず火通し重視
食事中焼けたものは速やかに食べ、屋外放置は避ける
残りもの対策食べ残しは翌日まで持ち越さず廃棄
水にも注意川・湧水での野菜洗浄や飲料は避ける

腹痛・下痢・嘔吐が出たら…応急措置と受診目安

「まあ大丈夫かな」と自己判断せず、症状と対処法をチェックしましょう。

軽症時の対処法

・水分・経口補水液で脱水予防。白湯や湯冷ましが◎
・食事はお粥・うどんなど消化に良いものから始める

受診のタイミング

・発熱がある、強い腹痛、血便、激しい嘔吐が続く場合は医療機関へ
・特に高齢者・子供・妊婦・免疫低下者は重症化しやすいので早めに

下痢や血便が続く場合は大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)が必要な時も

食中毒後の下痢は数日で落ち着くことが多いですが、血便が出たり、下痢が長引いたりする場合は注意が必要です。原因が感染症だけでなく、腸の炎症やポリープ、がんなどの病気が隠れていることもあります。

こんな症状が続くときは受診を検討しましょう
・おしりから血が混じる便が続く
・下痢が1週間以上治らない
・強い腹痛や発熱を伴う
・体重が急に減った
・便に粘液が混じる

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の役割

・大腸の中を直接カメラで観察し、出血や炎症、ポリープなどを発見
・必要に応じて大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)中に組織検査(生検)を実施
・大腸がんや潰瘍性大腸炎、感染性腸炎などの診断

当院でも大腸カメラ検査を実施しています

豊島区「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、鎮静剤を使った苦痛の少ない大腸内視鏡検査を行っています。
・大腸肛門病専門医が丁寧に診察・検査
・女性医師の診察日もあり、女性の方も安心
・最先端AI技術を搭載した内視鏡システムで病変を見逃さない
下痢や血便など、気になる症状が続く方はお気軽にご相談ください。

まとめ~楽しいBBQを守る5箇条~

BBQで食中毒にならないために、以下を徹底しましょう。
1.下ごしらえは自宅で。現地では加熱メイン
2.生肉・魚を触った器具・手はすぐ消毒・洗浄
3.クーラーボックス+保冷剤で温度管理
4.中心まで75℃以上・火が通るまでしっかり加熱
5.食べ残しは翌日まで持ち越さず廃棄

厚生労働省 正しい知識で食中毒対策を!肉はよく焼いておいしく食べよう

日帰り大腸ポリープ切除、大腸カメラの説明をする院長写真 豊島区で胃がん検診、無痛大腸カメラ(大腸内視鏡検査)対応

監修:豊島区おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士

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