2025年6月30日
・「大腸がんは遺伝しますか?」
・「便潜血検査や大腸カメラって必要ですか?」
患者さんからよくいただくご質問です。
大腸がんは、男女ともに日本で急増しているがんの一つで、早期発見・早期治療が非常に重要です。

この記事では、大腸がんの遺伝的リスク、便潜血検査の役割、そして大腸カメラ(大腸内視鏡)の必要性について、豊島区大塚駅徒歩1分「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」の大腸肛門病専門医がわかりやすく解説します。
大腸がんは遺伝するのか?
大腸がんの多くは生活習慣(脂肪の多い食事・運動不足・肥満など)と加齢によって発症します。
しかし、一部の大腸がんには「遺伝的な要因」が関与しています。
代表的な遺伝性大腸がん
・家族性大腸腺腫症(FAP):10代から多発性のポリープ(大腸に100個以上)ができ、がん化リスクが非常に高い。家族性大腸腺腫症は、10~20歳でポリープが出来始め、20代半ばで約10%、40歳で約50%、60歳で90%の方が大腸がんを発症します。また、胃や十二指腸にもポリープが複数できることがあり、十二指腸がんもできやすいことが知られています。
・リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん):40代以前にがんを発症することが多い。両親のいずれかがリンチ症候群の場合、その子どもに遺伝する確率は50%です(常染色体優性遺伝形式)。日本の大腸癌患者さんを対象にした研究ではおよそ100~180人に1人(0.6~1.0%)の頻度といわれています。また、大腸がんの他にも子宮内膜癌、胃がん、胆道がん、膵がん、腎盂・尿管がんが合併しやすいことが報告されています。
【参考論文】J Clin Oncol. 2018 Oct 30;37(4):286–295.
これらは比較的稀な疾患ですが、親・兄弟姉妹に大腸がんの既往がある方は、通常よりも高いリスクがあると考えられます。
そのため、家族歴がある方は、40歳未満でも便潜血検査や大腸カメラを早めに受けることが推奨されます。
便潜血検査の役割とは?
「検便」として知られる便潜血検査(便ヘモグロビン検査)は、便の中に目に見えないレベルの血液が混ざっていないかを調べる検査です。
大腸がんや大きな大腸ポリープは、出血を伴うことが多いため、この検査で出血の有無をスクリーニングできます。

便潜血検査に関しましては、
医療コラム:【便潜血検査】1度でも陽性と言われたら大腸カメラを受けましょう をご参照ください。
便潜血検査のポイント
年に1回の定期検査が推奨
2日法(2回の便を調べる方法)が精度が高い
陽性になった場合は必ず大腸カメラによる精密検査が必要
ただし、便潜血検査は「陰性=がんがない」とは限りません。
出血を伴わないがんやポリープは見逃されることもあるため、補完的な検査にすぎないという点を理解しておく必要があります。
大腸カメラが必要な理由
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸全体を直接観察できる唯一の検査です。
便潜血検査で陽性になった場合だけでなく、以下のような方には便潜血の有無にかかわらず積極的に大腸カメラが勧められます。
大腸カメラを受けるべき方
・40歳以上のすべての方(特に50歳以降)
・血便・便が細くなった・便秘や下痢が続くなどの症状がある方
・家族に大腸がんの既往がある方
・便潜血検査で陽性になった方
・一度も大腸カメラを受けたことがない方
大腸カメラでは、ポリープやがんを早期の段階で発見・切除できるため、大腸がんの予防に直結する検査です。

桑野信義さんも語る「早期発見の大切さ」
2025年6月、当院 院長・端山軍(はやま・たむろ)は、元ラッツ&スターの桑野信義さんと対談いたしました。
桑野さんは、ご自身が大腸がんステージ3と診断され、人工肛門(ストーマ)を経験されたことを公表。対談では、つらい排泄障害の日々や、治療の苦しさについて率直に語ってくださいました。
「本当に、もっと早く検査を受けていれば…と思う。」
「一人でも多くの人に、早期発見の大切さを伝えたい。」
と強く語られた桑野さんの言葉は、非常に重みがあります。
\ 対談記事はこちら /
🔗 【初公開】桑野信義、大腸がんステージ3で「人工肛門の姿」排泄障害の地獄を告白
有名人の実体験は、多くの方に「検査を受けるきっかけ」として響くはずです。
今、体に異変がないとしても、40歳を過ぎたら“備え”としての検査がとても大切です。
当院での大腸カメラ:安心・丁寧・専門性
当院「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」では、患者さまが安心して検査を受けられるよう、以下の体制を整えています。
・最新のAI搭載内視鏡システムを導入
・鎮静剤を使用し、痛みや不安を軽減
・毎週火曜日は女性医師による検査対応
・ポリープが見つかった場合はその場で日帰り切除可能
・痛くない、苦しくない胃内視鏡検査(胃カメラ)も同時に受けることが可能です。
「検査が怖い」「恥ずかしい」という不安にも、スタッフ全員が丁寧に対応いたします。
がんを見逃さず、安心して未来の自分を守れる検査を一緒に始めませんか?

豊島区 大腸カメラおすすめしたい医院に選ばれました。
紹介記事はこちら⇒【豊島区 大腸カメラおすすめしたい医院】
まとめ|大腸がんは「気づいた今」が予防のチャンス
・大腸がんは一部遺伝的要素がある
・便潜血検査は手軽なスクリーニング手段
・大腸カメラこそが、早期発見・予防の決定打
・桑野信義さんの言葉が語る“早期検査の大切さ”
大腸がんは早く見つかれば治る病気です。
「何もない今」が、未来を守る最大のタイミングです。
ご相談は「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」へ