オリーブオイルに大腸がんの抑制効果がある可能性:健康やおなかに良いだけじゃない!|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

〒170-0005東京都豊島区南大塚3-34-7 大塚carna2階

03-6912-5995

WEB予約
受付(下層メインビジュアル - PC)

オリーブオイルに大腸がんの抑制効果がある可能性:健康やおなかに良いだけじゃない!

オリーブオイルに大腸がんの抑制効果がある可能性:健康やおなかに良いだけじゃない!|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

2025年6月06日

オリーブオイルに大腸がんの抑制効果がある可能性:健康やおなかに良いだけじゃない!

私たちの食生活に欠かせないオリーブオイル。サラダやパスタに使うだけでなく、日常的に摂取することが健康に大きな影響を与えることはご存じの通りです。しかし、最近ではオリーブオイルが大腸がん再発の予防にも効果がある可能性があるという研究結果が注目されています。今回は、オリーブオイルの驚くべき健康効果、特に大腸がん抑制のメカニズムについて大腸肛門病専門医が解説します。

1.オリーブオイルに含まれる「オレオカンタール」の力

オリーブオイルの健康効果の中心にある成分が「オレオカンタール」というポリフェノールです。この成分は、強い抗炎症作用を持ち、体内で発生する炎症を抑える効果があります。実は、大腸がんの発症にも慢性的な炎症が深く関わっていることが知られており、オレオカンタールがこの炎症を軽減することでがんの予防につながる可能性があると考えられています。

豊島区の消化器内科肛門科が解説するオリーブオイルイラスト|大腸がん予防の食事法、便潜血陽性時の大腸カメラ検査や胃カメラ胃がん検診も鎮静剤使用で女性に安心対応

2.オリーブオイルの摂取で得られる健康効果

オリーブオイルは単なる調味料を超え、私たちの健康を多方面からサポートする「自然の恵み」として注目されています。ここでは、特にがん予防などにも関連するとされる主な3つの健康効果について詳しく解説します。

2-1.抗酸化作用で細胞を守る

オリーブオイルに豊富に含まれる抗酸化物質(ビタミンEやポリフェノール)は、体内で発生する活性酸素を中和し、細胞の酸化ストレスを軽減します。これにより、DNAの損傷を防ぎ、がん細胞の発生リスクを低減する効果が期待されます。

2-2.腸内環境を整えて免疫を強化

近年の研究では、オリーブオイルの摂取が腸内細菌のバランスを改善することが示されています。健康な腸内フローラは免疫システムを強化し、有害な病原菌の増殖を抑制するだけでなく、がん細胞の発生を抑える重要な役割を果たします。

2-3.モノ不飽和脂肪酸による抗炎症作用

オリーブオイルに多く含まれるモノ不飽和脂肪酸(オレイン酸)は、細胞膜の健康を維持し、慢性的な炎症を抑制します。炎症はさまざまな生活習慣病やがんのリスクを高める要因とされており、オレイン酸を積極的に摂取することで、そのリスクを低減する効果が期待できます。

3.研究結果に裏付けされたオリーブオイルの健康効果

オリーブオイルは古くから健康食材として知られていますが、近年では大腸に関する研究が注目を集めています。ここでは、科学的根拠に基づいた2つの代表的な研究結果を紹介し、その健康効果を解説します。

3-1.地中海食とIBD予防の関連性

炎症性腸疾患(IBD)は、腸に慢性的な炎症が起こる原因不明の病気です。遺伝的要因、環境要因、体の免疫反応などが関係していると考えられています。エキストラバージンオリーブオイル(EVOO)は、地中海食の大事な要素の一つで、炎症を抑える働きがあります。これは、アラキドン酸やNF-κBといった炎症のシグナル伝達経路を妨げることで実現します。EVOOには様々な成分が含まれ、それぞれに健康への良い作用があります。

例えば:オレイン酸は肝臓の機能障害や腸の炎症を抑えます。
フェノール化合物は大腸の細胞を酸化ストレスから守り、IBDの慢性的な炎症を改善します。

この研究では、イタリア南部プーリア州産の4種類のオリーブオイル(オリアローラ、コラティーナ、ペランツァーナ、チーマ・ディ・モラ)が、マウスの大腸炎モデル(DSS誘発性大腸炎)でどのような効果を示すかを調べました。主な結果は以下の通りです:
EVOOを与えたマウスでは体重減少が抑えられました。
オリアローラ、コラティーナ、チーマ・ディ・モラを投与したマウスでは、肛門からの出血や炎症関連遺伝子(IL-1β、TGFβ、IL-6)の発現が減少しました。
オリアローラ、コラティーナ、ペランツァーナを投与したマウスでは、腸の透過性(腸漏れ)や炎症による組織ダメージも改善されました。この結果は、EVOOの健康効果を改めて裏付けるものであり、腸の炎症を予防したり進行を抑えたりする助けになる可能性を示しています。


参考文献:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7230776/

3-2.オリーブオイルが大腸がんの予防や再発抑制に役立つ可能性

この研究では、エクストラバージンオリーブオイルから抽出した**オレオカンタール(OC)**が、試験管内の大腸がん細胞で強い増殖抑制効果を示し、がんの増殖や転移に関わる酵素や受容体の働きを抑えることを確認しました。さらに、マウスモデルでは、OCを経口投与することで腫瘍の縮小や手術後の再発防止にも有効でした。
これらの結果から、オレオカンタールを含むオリーブオイル由来成分は、大腸がんの予防や再発抑制に役立つ可能性がある**食品由来の補助療法(ニュートラシューティカル)**として期待されています。
参考文献:The Olive Oil Phenolic S-(-)-Oleocanthal Suppresses Colorectal Cancer Progression and Recurrence by Modulating SMYD2-EZH2 and c-MET Activation. Nutrients 202517(3), 397; https://doi.org/10.3390/nu17030397

オリーブオイルも大事ですが、大腸カメラ検査も大事

オリーブオイルで大腸がんの予防効果を高めることはできますが、やはり早期発見と早期治療が最も重要です。大腸がんは初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的に便潜血検査や大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)などの検診を受けることが非常に大切です。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんの早期発見に非常に有効な方法です。内視鏡を使って、大腸の内部を直接観察することで、大腸がんや大腸ポリープなどの異常を早期に発見することができます。これにより、大腸がんの進行を防ぎ、治療の選択肢も広がります。

👉当院の大腸内視鏡検査の特徴

特に40歳以上の方や、家族に大腸がん患者がいる方は、定期的に大腸カメラを受けることが推奨されています。早期発見できれば、大腸がんは治療可能な病気であり、早期に適切な治療を行うことで、予後を大きく改善することができます。

大腸カメラのイラスト|豊島区消化器内科・肛門科で大腸がん予防を解説、便潜血陽性時の検査や胃カメラ胃がん検診も鎮静剤使用で女性に配慮

オリーブオイルの摂取方法と注意点

オリーブオイルは、サラダにかけたり、パンにつけたり、料理に使用することができますが、毎日の食生活に取り入れるためには以下のポイントを意識しましょう。
エキストラバージンオリーブオイルを選ぶ
最も栄養価が高く、ポリフェノールやオレイン酸を豊富に含んでいます。
過度に加熱しない
オリーブオイルは加熱しすぎると栄養成分が壊れるため、加熱する際には注意が必要です。オリーブオイルは低温での調理や仕上げに使うのがベストです。
適量を摂取する
健康効果を得るためには、過剰に摂取することなく、1日に大さじ1〜2杯程度を目安に摂取しましょう。過剰摂取は、カロリー過多になる可能性があります。

まとめ

オリーブオイルは、美味しいだけでなく、私たちの健康にも大きなメリットをもたらす食材です。特に、大腸がんの予防においては、その抗炎症作用や抗酸化作用、そして腸内環境の改善が鍵となる可能性があります。さらに、定期的に便潜血検査や大腸カメラを受けることで、大腸がんの早期発見が可能になり、早期治療ができます。これからの健康管理に、ぜひオリーブオイルを取り入れてみてください。少しずつ習慣化することで、がん予防をはじめ、さまざまな健康効果を実感できるでしょう。

監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
   院長 端山 軍

【公式】豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚ホームページ

TOP