2025年7月11日

「痔ってちょっと恥ずかしい」「病院に行くのは怖い」――そんな風に感じる方も多いでしょう。でも痔は、誰にでもリスクがある身近な病気です。厚生労働省の患者調査でも、毎年10万人以上が肛門疾患で医療機関を受診していると推計されています。豊島区で肛門科を探している方にも役立つよう、痔の種類や原因、症状、治療法、当院の特徴まで正確かつわかりやすくお伝えします。
1.痔は特別な病気ではなく、とても身近な疾患
痔は特別な人がなる病気ではなく、誰でもなりうる身近な病気です。でも早めに相談して適切な治療を受ければ、つらい症状が改善し、安心して生活できます。
1-1. どうして誰でもリスクがあるの?
痔は決して珍しいものではありません。便秘や下痢、長時間座る仕事、排便時の強いいきみ、出産など、発症を引き起こす要因は多くの人に当てはまります。厚生労働省の患者調査でも、毎年10万人以上が肛門疾患で医療機関を受診しているとされ、豊島区でも悩む方は少なくありません。
痔疾患の男女差
男性 | 女性 | |
---|---|---|
1 | 痔核 | 痔核 |
2 | 痔瘻 | 裂肛 |
3 | 裂肛 | 痔瘻 |
1-2. なぜ受診をためらうの?
「肛門科に行くのは恥ずかしい」「診察が怖い」という気持ちから受診を控えてしまう方は少なくありません。しかし、放置することでおしりの痛みやおしりからの出血、痔の脱出などが進行し、治療が大変になることがあります。早期診断と段階的治療が生活の質を守るカギだとされています。
1-3. 肛門科受診は自分を大切にする行動
痔は命にかかわらない病気と思われがちですが、重度の出血による貧血や感染症を起こす場合もあります。「恥ずかしいから」と我慢するのではなく、「自分を大事にするため」に肛門科で相談することが大切です。実際に「もっと早く相談すればよかった」「すごく楽になった」という声も多く、当院では豊島区の皆さまが安心して相談できるよう、受診しやすい雰囲気づくりを大切にしています。
2.痔核(いぼ痔)ってどんなもの?
痔の中でも最もよく見られるのが「痔核(いぼ痔)」です。内痔核と外痔核で症状や治療が変わります。ここではその特徴や症状、おなかとおしりのクリニック 東京大塚での治療について解説します。

2-1. どうして起こるの?
痔核は肛門周囲の血管がうっ血して腫れ、「いぼ」のようになる病気です。内痔核は肛門の内側(歯状線の口側)にできます。排便時の強いいきみや慢性的な便秘などによって肛門に負担がかかると、直腸や肛門まわりの血流が悪くなります。その結果、毛細血管が集中している静脈のネットワーク(静脈叢)がうっ血し、ふくらんで腫れてしまうことで症状があらわれます。排便時の出血や脱出が特徴です。
おしり(肛門)の歯状線より肛門側に血まめ(血栓)ができる血栓性外痔核は、皮膚側に血栓を伴って急に腫れ、強い痛みを引き起こします。
2-2. どんな症状が出るの?
内痔核は「排便時に血が出る」「何かが出てきた」という症状が多く、痛みが少ないため放置されがちです。しかし進行すると脱出が戻らなくなり、日常生活に支障を来すこともあります。
内痔核の分類
GⅠ:痔核が肛門内でふくらんでいるだけで、肛門お外へでてくることはない状態。
GⅡ:排便時に痔核が肛門音外へでてくるようになるが、排便後は自然に戻る状態。
GⅢ:排便時に外にとびだした痔核を自分の指で肛門内に押し込まないともどらない状態。
GⅣ:痔核が常に肛門の外にでたままで、指などで押し込んでも、もどすことができない状態。
どんな治療があるの?
当院では便通を整えるアドバイスや軟膏治療から、保険適用のジオン注射療法まで幅広く対応しています。ジオン注射は痛みを抑えながら短時間で治療できる低侵襲な方法です。写真や模型を使ってわかりやすく説明し、患者様が納得して治療を選べるよう心がけています。治療は怖いものではなく、生活習慣を見直すだけで改善するケースも多いです。実際に「出血が止まって安心できた」「痛みがなくなった」と喜んでいただく患者様もたくさんいます。
裂肛(切れ痔)ってどんなもの?
「切れ痔」と呼ばれる裂肛は、便秘がちの方に多い疾患で、排便時の強い痛みが特徴です。ここでは裂肛の原因、症状、当院での治療について解説します。

3-1. どうして起こるの?
裂肛は排便時に肛門の皮膚が裂けることで起こります。硬い便や強いいきみ、慢性的な便秘や下痢が主な原因で、特に女性や高齢者に多いです。繰り返すうちに慢性化し、潰瘍が深くなることもあります。
3-2. どんな症状が出るの?
肛門の出口近くには痛みを感じる神経(知覚神経)が通っているため、きれ痔になると、排便時に鋭い痛みが生じます。「排便のたびに切れるような痛み」「出血が続く」「排便が怖くなる」という声が多いです。痛みで便を我慢すると便秘が悪化し、症状がさらに悪くなる悪循環に陥ることもあります。
きれ痔は、特に女性に多いといわれています。その背景には、ダイエットによる食事量の制限が原因で便秘になりやすいという傾向があります。食事量が少ないと便の量が減り、腸がうまく動かず、便秘が起きやすくなります。すると便が硬くなり、排便のときに肛門の皮膚が裂けてしまうのです。
便秘を繰り返している方では、きれ痔が慢性化してしまうケースも少なくありません。痛みが強いため排便を避けるようになり、それがさらに便秘を悪化させる原因になります。硬くなった便がさらに肛門を傷つけることで、きれ痔は悪化し、治りにくくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
3-3.どんな治療があるの?
当院では内服治療や軟膏療法など保存療法で対応します。プライバシーを守る診察室や同性介助看護師の同席、女性医師対応日など、豊島区で安心して肛門科を受診できる環境を整えています。「排便のたびに怖かったけど、治療して普通に戻れた」と言ってくださる患者様も多いです。少しでも楽に、安心して日常生活を送れるようサポートします。
4.痔瘻(あな痔)ってどんなもの?
痔瘻は感染が原因で肛門にトンネル状の管ができる病気です。自然に治ることはなく、手術が必要です。ここでは痔瘻の原因、症状、当院での治療について解説します。

4-1.どうしてできるの?
痔瘻は肛門腺が感染を起こして膿がたまり(肛門周囲膿瘍)、破れた後に皮膚にトンネル状の管(瘻管)ができる病気です。
4-2. どんな症状が出るの?
「おしりのまわりから膿が出る」「腫れて痛い」「服が汚れる」などが主な症状です。
4-3.どんな治療があるの?
当院では専門医が瘻管を正確に評価いたします。痔瘻の場合は、手術が必要ですので、その際には入院施設がある肛門の専門医がいる病院を紹介しております。「長年の膿が出る悩みが手術で解消した」「再発しなくなって安心した」と喜んでくださる患者様も多いです。不安を減らし、納得して治療を受けていただけるよう努めています。
痔の出血がある方には大腸カメラ検査も大切
「痔の出血だと思ったら実は違う病気だった」ということもあります。ここでは痔の出血が続く場合に大腸カメラをすすめる理由と当院の検査体制を紹介します。
5-1. 痔以外の病気が隠れていないか
「おしりから血が出る=痔」と決めつけがちですが、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患でも同じようなおしりから出血が起こります。特に出血が続く方は注意が必要です。
5-2. 大腸カメラ検査で大腸を観察する
大腸カメラは大腸全体を直接観察でき、出血の原因を正確に判断できます。早期の大腸がんや大腸ポリープは症状がほとんどなく、便潜血検査で陽性になった人から無症状のがんが見つかることもあります。
5-3. 当院の大腸カメラ検査の特徴
当院では日本消化器内視鏡学会専門の医師が検査を担当し、鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供。豊島区で肛門科診療と大腸カメラを同じクリニックで受けられる体制を整え、患者様の健康を総合的にサポートしています。
おなかとおしりのクリニック 東京大塚の強み
最後に当院の特徴をご紹介します。豊島区の「おなかとおしりのかかりつけ医」として、専門医による診療と患者様への配慮を大切にしています。
6-1. 大腸肛門専門医師がしっかり診察いたします
日本大腸肛門病学会認定専門医が診療を担当し、痔核、裂肛、痔瘻など幅広い疾患を正確に診断。保存療法からジオン注射まで患者様の状態に応じて対応します。
6-2. 相談しやすい環境づくり
プライバシーを守る診察室、同性介助看護師の同席、女性医師対応日など、安心して相談できる環境を整えています。わかりやすい説明で納得した上で治療を進められます。
6-3.大腸カメラも含めたトータルサポート
肛門科診療だけでなく、大腸カメラ検査・胃カメラ検査などの内視鏡検査も実施。大腸がんや炎症性腸疾患の早期発見もサポートし、豊島区の「おなかとおしりのかかりつけ医」として地域の皆さまの健康を支えます。

監修:おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士