【筋トレで痔になるって本当?医師が本気で解説】|豊島区大塚の内科・消化器内科・肛門科・内視鏡|大塚駅南口1分|おなかとおしりのクリニック 東京大塚

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【筋トレで痔になるって本当?医師が本気で解説】

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2025年7月05日

【筋トレで痔になるって本当?医師が本気で解説】

筋トレは健康やボディメイクに欠かせない素晴らしい習慣ですが、意外と知られていないリスクが「痔(じ)」です。
本当に筋トレで痔になるのか?医師の視点で科学的根拠も交えて徹底解説します。

結論から

筋トレをしたからといって「必ず痔になる」わけではありません。
ただし、筋トレのやり方によっては、痔を発症したり悪化させたりするリスクが高まることが医学的に説明されています。

1.そもそも痔ってどんな病気?

痔は肛門周囲の病気の総称で、大きく分けて以下の3つがあります。
痔核(いぼ痔):肛門の血管がうっ血して腫れる
裂肛(切れ痔):肛門の皮膚が裂ける
痔瘻:肛門内の感染でトンネル状の通路ができる

筋トレとの関係で特に問題になるのは?

筋トレとの関係で特に問題になるのは**内痔核(いぼ痔)**です。

「内痔核」は、肛門の血管(静脈叢)がうっ血してコブのように腫れる病気です。
主な原因は以下です。
・排便時の強いいきみ
・便秘や下痢
・長時間の座り姿勢
・加齢による支持組織の弱化
要するに「おしりに負担がかかる習慣」が痔を育てます。

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2.筋トレで痔が悪化する理由

筋トレは健康的な習慣ですが、次のようなポイントが痔のリスクを上げます。

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2-1.腹圧の上昇

高重量スクワットやデッドリフトでは、息を止めて腹圧を高める「バルサルバ法」を使う人が多いです。
この強い腹圧は肛門静脈の圧力も一気に上げてしまい、内痔核の原因になります。
高重量トレーニングでは、重量を追い求めてフォームを崩すと必要以上に腹圧をかけてしまい肛門に負担。
「重いものを持つ仕事の人に痔が多い」という古典的な臨床観察とも一致します。

参考文献:Alonso-Coello P et al. Hemorrhoids. BMJ Clinical Evidence. 2005.

2-2. 便秘のリスク

・パワーリフティングでの踏ん張り姿勢
・休憩時間の座りっぱなし
血流うっ滞も痔の誘因になります。

2-3.長時間座位や踏ん張り姿勢

・筋トレ愛好者に多い高タンパク低食物繊維食
・水分不足
・プロテイン摂取で便秘になる人
便秘はいきみを強め、痔を育てる大きな要因です。

3.医学研究からみた筋トレ・腹圧・痔の関係

筋トレそのものを直接調べた大規模な疫学研究は多くはありません。
しかし、筋トレ時に問題となる「腹圧の上昇」や「便秘」が、痔核の発症・悪化に関与することは、複数の医学的研究で指摘されています。
つまり、筋トレ中の「強いいきみ」や「便秘を招く習慣」が痔のリスクを高める仕組みは、医学的に説明可能です。

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3-1.腹圧と痔核形成の関係についての医学研究

・「腹圧上昇は肛門静脈の圧力を増加させ、痔核形成を促進する要因である」
(Lohsiriwat V. Hemorrhoids: from basic pathophysiology to clinical management. World J Gastroenterol. 2012)

3-2.便秘と痔のリスクについての疫学研究


・「便秘は痔の重要なリスク因子である」
(Riss S, Weiser FA, Schwameis K, et al. The prevalence of hemorrhoids in adults. Int J Colorectal Dis. 2012)

4.痔を予防する筋トレのコツと医師からのアドバイス

筋トレは健康維持やボディメイクに非常に有効ですが、やり方によっては肛門周囲に負担をかけ、痔のリスクを高める可能性があります。
「痔が怖いから筋トレをやめる」という必要は全くありません。
ポイントをおさえれば、安全にトレーニングを続けながら痔をしっかり予防できます。

4-1.正しい動作と呼吸を心がける

・息を止めずに呼吸をコントロールし、強いいきみを避けましょう。
・無理な重量設定を避け、自分に合った負荷で正しいフォームを意識します。
・腹圧を上手に管理することで肛門周囲の血管への過剰な負担を防げます。

4-2.生活習慣と便通管理にも注意

・筋トレ中は汗をかくので、脱水予防のために十分な水分を補給します。
・高タンパク食に偏りがちな人は、食物繊維を意識的に摂取しましょう。
・便意を我慢せず、規則的な排便習慣をつけることで便秘を防ぎ、痔のリスクを減らします。

4-3.医師からのひとこと

筋トレは心身の健康を支える素晴らしい習慣です。
正しいフォーム、呼吸法、食事内容に気を配るだけで、肛門への負担は大幅に減らせます。
痔を予防しつつ、ぜひ安心して筋トレを続けてください。

まとめ

・筋トレ=痔になる、は誤解。
・でも「腹圧管理を怠る筋トレ=痔リスクUP」は事実。
正しい知識と習慣で
✅ 強い身体
✅ 健康なおしり
を同時に手に入れましょう!

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監修:おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士

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