2025年3月03日

「生理中だけど、このタイミングでしか時間が取れない…」
「便潜血検査が陽性で再検査が必要。でもちょうど生理と重なってしまった」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)や肛門診察は、女性の健康管理にとって非常に重要です。しかし「生理中に受けても大丈夫?」と不安になる方が多くいらっしゃいます。
この記事では、生理中でも受けられるのか、注意点やタイミングについて詳しく大腸肛門病専門医が解説します。
特に便潜血検査で陽性だった方や、痔や出血の症状で肛門科受診を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

生理中でも大腸カメラ(大腸内視鏡検査)、大腸ポリープ切除は可能?
「生理中に大腸カメラを受けても大丈夫?」と不安に思う方は少なくありません。結論から言うと、生理中でも大腸内視鏡検査、日帰り大腸ポリープ切除は可能です。ただし、体調や快適さを考慮しておくと良いポイントがあります。ここでは生理中の大腸カメラ受診の注意点や当院での配慮をご紹介します。
生理中でも検査は可能ですが、注意点も
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は肛門から内視鏡を挿入して大腸内部を観察する検査であり、生理による膣からの出血は検査自体には直接的な影響はありません。
ただし、以下の点にご注意ください。
・検査を受ける際は下着を脱いで、専用の大腸内視鏡検査用パンツに履き替えていただきます。この検査用パンツは肛門部分に穴が開いているため、ナプキンやタンポンの装着位置に少し注意が必要です。
生理中であることを事前にお伝えいただければ、女性スタッフが交換や装着のタイミングなどについて配慮し、安心して検査を受けられるようサポートいたします。
・生理痛が強いときは、普段よりお腹が敏感になっている場合があります。
腹部の張りや痛みが強いと、検査中に違和感を感じやすくなることもあります。

大腸内視鏡検査前の下剤内服の影響
生理中はホルモンバランスの影響で、腸の動きが普段と変わることがあります。
下剤を飲むときに、下痢や腹痛が強く出やすくなる場合もありますので、ご自身の生理周期や体調を考慮して検討してみてください。
もし生理中の検査に不安や抵抗がある場合は、予約日の変更も可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。
当院の配慮とサポート
豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚では、生理中の患者様も安心して大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)を受けられるよう以下のような配慮を行っています。
・女性専用の着替えスペースや女性専用トイレのご用意
・ナプキン交換の時間をしっかり確保
・プライバシーに配慮した導線や説明
体調やご不安についてもお気軽にご相談ください。一人ひとりに合わせた検査のタイミングや準備をご提案いたします。
生理中に行った便潜血検査が陽性…生理中でも便潜血検査はもう一度必要?
「生理中に便潜血検査を受けたら陽性だったけど、本当に大丈夫?」「経血が混ざったかもしれないけど、もう一度検査が必要?」と心配される方は多いです。ここでは、生理中の便潜血検査で陽性になった場合の考え方や、大腸カメラを受けるタイミングについて詳しく解説します。
生理中の便潜血検査で陽性になる理由と注意点
便潜血検査は、大腸からの出血を調べるスクリーニング検査です。しかし、生理中に便を採取すると、経血が混入することで「偽陽性」になる可能性があります。
・経血が便に付着して反応する場合があります
・偽陽性の可能性があっても、検査結果は「陽性」と判定されます
そのため、できるだけ生理期間を避けて採便するのが望ましいです。ただ、すでに陽性が出た場合は「大腸の出血の可能性を除外する」ためにも次のステップが大切です。
大腸カメラ検査は必要?受けるタイミングは?
便潜血検査で「陽性」と判定された場合、大腸カメラによる精密検査が推奨されます。
しかし、生理中に便を採取した場合、経血が混ざることで「偽陽性」になる可能性があります。
よくあるご質問:
Q.「生理中に便潜血検査をしました。結果が便潜血陽性でしたが、信頼できますか?」
→ A. 偽陽性の可能性がありますが、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)をおすすめします。
Q.「生理中なんですが、大腸カメラ検査はすぐ受けた方がいいですか?」
→ A. 生理中であっても検査は可能です。緊急性がない場合は、生理後に大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けられても問題ありません。
いずれにせよ、陽性結果を放置するのは非常に危険です。特に大腸がんや大腸ポリープ(腺腫)が見つかる可能性があるため、早めに消化器専門医にご相談ください。

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日本消化器癌検診学会 大腸がん検診マニュアル
生理中でも肛門診察は受けられます
「おしりから出血しているけれど、生理の血と区別がつかない」「生理中に肛門科を受診しても大丈夫?」と悩む方は少なくありません。結論として、肛門診察は生理中でも可能です。
生理中の診察も可能。お伝えいただくことで配慮いたします。
基本的に、生理中でも問題なく肛門科の診察を受けていただけます。
生理中に診察を受けることに抵抗を感じたり、「血が出ているのが恥ずかしい」「申し訳ない」と心配される方もいらっしゃいますが、医師としては通常通り、丁寧に診察することを心がけています。
また、診察台を汚してしまうのではと不安になる方も多いですが、防水シートなどを使用して汚れないように準備していますので、どうぞ安心してください。
痔の症状は放置すると悪化しやすく、治療が長引くこともあります。
生理中だからと受診を先延ばしにせず、気になる症状があれば早めの診察をおすすめします。特に、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、肛門周囲膿瘍、大腸がん、肛門管がんなどの重篤な疾患の早期発見には、適切なタイミングでの受診が重要です。
おしりの診察時は軟膏や坐薬の使用は避けてください。
基本的には、診察当日は軟膏や坐薬の使用は控えるのがおすすめです。軟膏や坐薬を使うと肛門内が見えにくくなったり、皮膚の状態が変わってしまい、医師が正確に診察するのが難しくなることがあります。「お薬を使ってはいけない」というわけではありません。痛みが強くてどうしても我慢できないなど、症状がつらい場合には、使用してください。。
診察当日に使うかどうか迷った場合は、ぜひ医師やスタッフに相談してください。
女性も安心して受診できるクリニックを目指して
「生理中だけど大丈夫かな」「女性医師やスタッフに相談したい」――そんな不安をお持ちの方も安心して通えるよう、当院では女性のための配慮を大切にしています。ここでは、当院の取り組みや特徴をご紹介します。
女性が相談しやすい環境づくり
当院では、女性の患者さまがリラックスして受診できるよう、さまざまな工夫をしています。
・女性スタッフが在籍し、相談しやすい雰囲気を大切にしています
・火曜日は女性医師による診察を実施
・女性専用の更衣室やトイレ、着替えスペースを完備
プライバシーに配慮した環境で、どんな小さな不安や疑問も安心してご相談ください。
安心して受けられる検査(肛門診察・内視鏡検査)体制
検査や診療の面でも、患者さまの負担をできるだけ軽くするために配慮しています。
・鎮静剤を使った苦しくない胃カメラ・大腸カメラ検査に対応
・AIによる病変描出システムを導入した高精度な内視鏡検査
・豊島区JR大塚駅南口から徒歩1分というアクセスの良さ
生理中の不安やお悩みも含め、どんなことでも遠慮なくご相談ください。私たちは、安心して受診いただける医療を目指しています。

まとめ
生理中でも肛門診察、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は安心してして受けていただけます。
豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚にお気軽にご相談ください。

監修:豊島区 おなかとおしりのクリニック 東京大塚
院長 端山 軍(MD, PhD Tamuro Hayama)
資格:日本消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
帝京大学医学部外科学講座非常勤講師
元帝京大学医学部外科学講座准教授
医学博士
院長プロフィール